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シカゴの病院に赴任するため、住み慣れた湖に浮かぶ家を後にするケイト・・・
新しい住人宛に郵便物の転送依頼の手紙をポストに入れる・・・引越しをしていく人が通常にする日常のひとコ
マ、しかし思わぬ運命の糸がレイクハウスのポストよって織りあわされていく・・・。
2006年2月14日デイリープラザ ケイトはランチを食べながら母親の話を聞いていた・・・『お父さんが愛読し
ていたドストエフスキーの本を読んでいるとすぐ近くにあの人がいる気がするのよ・・・』
映画の中でほんのあらすじしか語られていないが・・・実はこの映画の重要なキーとなっている。
この映画には二つの小説が出てくる。一つはこの映画の中でもケイトとアレックスの会話の中で語られ、この本
を通して二人が運命の見えざる糸で結び合わされていく、ジェーン・オースティンの”説得”もうひとつはドストエフ
スキーの”罪と罰” これはこの映画の最も重要なテーマとなっている。
“罪と罰” ペテルブルグ大学の法学部に在籍するラスコーリニコフが窮乏の生活から脱するために犯した金貸
し老婆の殺害とそれによる罪の呵責から逃れるために自分と同じような境遇にいる面識もない売春によって家族
の生計を立てている少女ソ−ニャに自分が犯した罪を告白する・・・きっとソ−ニャは許してくれるという漠然とした
思いから・・・しかし彼女は泣きそして彼に自首をさせる。彼はシベリアに流刑される。そこに訪ねてくるソ−ニャ
そして献身的に尽くす彼女の彼に対する愛 それによって生みかえられてゆくラスコーリニコフ(文豪ドストエフス
キーの半生そのもの)・・・純粋な愛 (ソ−ニャの愛=キリストの愛) は人の運命を変えることをテーマとしている。
「The Lake House」は、愛は不思議なまた、あり得ない力によって人の運命だけではなく、人の命をも救うとい
うことをテーマにしている。“罪と罰”のテーマと相似形をなしている。
その日デイリープラザのまえでトラックが乗用車に衝突しスピンした乗用車が道を横切っていた通行人を撥ね
たのを目撃したケイトは彼を救おうと救急車を手配し病院に運び込む・・・しかし彼は・・・。
この映画を観る人は二年の不思議な時間の差から生まれる時を越えた男女の愛、ラブロマンと見るでしょう。
しかしこの映画の構成はデミー・ムーアーとパトリック・スウェイジー共演の”ゴースト”によく似ている。
事故でなくなった青年が自分は生きているのだと疑うことなく二年前にさかのぼって人生をトレースしている、そ
してそのことにも気づいていない・・・。
なぜこのようなことが起こったのか、その青年はケイトを二年前から愛していた。そしてその青年の運命の日に
ケイトがその現場に居合わせ・・・彼を救おうとしたが彼女の懸命の努力にもかかわらず・・・。その瞬間青年は、
2004年2月14日のレークハウスで人生をトレースし始める、彼の魂はケイトの愛によって運命が変えられることを
願っている。しかし彼はその魂の叫びすら自分ではわからない。青年の名は、アレックス。レイクハウスのポスト
に残された奇妙な手紙・・・。アレックスにとっては奇妙な手紙しかし、ケイトにとっては次の入居者へのごくありふ
れた依頼の手紙だった・・・。この先は映画を見て堪能してください。
この映画のもうひとつの見所は、キアノ・リーブス扮するアレックスとクリストファー・プラマー扮する超一流建
築家であると同時に父であるサイモン・ワイラーとの建築談義と、アレックスとサンドラ・ブロック扮するケイトの
シカゴの街の建物を見て歩くデートシーン・・・
シカゴは建築を志すものにとって憧れの街であると同時に19世紀から20世紀に活躍したライトをはじめミース、
サリバンetc…に出会える街・・・。
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