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今日、ふとしたことからル・コルビュジエについて書かれた本を書棚から見つけなんとなくページをめく
っていると、コンクリートを素材にして多くの世界的に有名な建築とそのシステムを構築したこの偉大な
建築家ル・コルビュジエの作品に対して持っていた私のイメージが実際のものと大きく乖離していたこと
を知らされてしまいました。というのも、コンクリートで力量感のあるものを多く作っているイメージが
大きかったためか、コンクリートを魅せる建築家で出発したイメージが面を魅せる建築家へとイメージが
自分の中で勝手に変えられてしまっていたことに気づかされてしまいました。
インドのチャンティガール、アーメダバードに展開された彼の建築はそのどれをとっても、その土地の持
つ固有の条件、それは気候だったり歴史性だったり未来性だったりするが、見事に作品の中でその解答を
している真摯さに感銘すると同時に、その謙虚さに驚かされてしまいました。
アーメダバードのサンスカル・ケンドラ美術館は、耐力壁のレンガが外観に表されていたり、繊維業者協
会会館は、ブリーズソレイユ(水平ルーバー(日よけ))で表現されていたりしている。サラバイ邸もブリー
ズソレイユをつかっている。
チャンティガールに目を向けても州議事堂、高等裁判所もブリーズソレイユを外観意匠としている。
それで彼の作品を記憶の中でたどっていくとユニテ・ダビタシオン、サヴォワ邸、スイス学生会館、シュ
タイン邸、ラ・トゥーレット修道院 ・・・。そのどれもがコンクリートの面を意匠にはしていない。
なぜこのようなイメージの入れ違いが起こってしまったのか不思議に思っていると、次の瞬間 磯崎新著
「ル・トロネ修道院」が目に飛び込んできた。
記憶のつながりが持つイメージの入れ替えについて始めて理解することとなった。
"ル・コルビュジエは、ロンシャン教会を設計したときにル・トロネ修道院を何度も見に行った。"という
ことを本で読んだことがあったのです。私もル・トロネ修道院について大変興味を持っている建物なので
写真で外観、内観を何度も見ていました。光と影、石造りの壁の面の持つ美しさシンプルさに魅せられて
いました。
ル・コルビュジエのロンシャン教会も大変好きな建物で厚いコンクリートの壁に穿かれた窓の力量感、暗
さの中に揺らぐ幻惑される光の美しさ・・・この二つの建物のイメージが重なって作られたものであった
ことを知ったのです。
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