コンクリート住宅 あのねのね

コンクリート住宅についての話題を日々の業務の中で書いていきます。

建築家あれこれ

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住吉の長屋について

中学生のとき、叔母さんが住んでいた大阪の町家をはじめてみた時のことが今も脳裏に焼きついて

います。

玄関を入ると廊下の向こう側に夏のぎらぎらした日差しを浴びた庭があり、

庭には木があり石畳の上に鉢植えの花が咲きチョウチョが飛んでいました。

その庭に水をまくと涼しい風が家中を吹き抜けていきました。

そこは、都会の雑踏とは別の異次元の空間でした。

安藤忠雄の"住吉の長屋"は大阪の町家を知っているものにとって、ちょっとしたひとひねりの中で生まれた

ものの様に感じるが、世界の建築物をたくさん見ている安藤ならではの新しい建築の切り口でした。

中庭がこのような形で創造されると町家とは別の新しい意味がそこに生まれる、安藤忠雄自身が言ってい

るように、都会のごみごみした中で疲れ果てた魂が安息を得るために、コンクリートの壁で切り取った空間

そこに一歩足を踏み入れた瞬間、空の美しさ、光の素晴らしさ、雨のやさしさを今まで感じることが出来

なかったのに感じることが出来る力をこの空間が付与されていること、このことを都市ゲリラという過激

な言葉を使って表現したのです。この言葉は安藤忠雄自身が青春を生きた1960年から1970年の

日本の世相をよく表現した言葉です。

http://www.sekkei-koubou.co.jp/

今日、ふとしたことからル・コルビュジエについて書かれた本を書棚から見つけなんとなくページをめく

っていると、コンクリートを素材にして多くの世界的に有名な建築とそのシステムを構築したこの偉大な

建築家ル・コルビュジエの作品に対して持っていた私のイメージが実際のものと大きく乖離していたこと

を知らされてしまいました。というのも、コンクリートで力量感のあるものを多く作っているイメージが

大きかったためか、コンクリートを魅せる建築家で出発したイメージが面を魅せる建築家へとイメージが

自分の中で勝手に変えられてしまっていたことに気づかされてしまいました。

インドのチャンティガール、アーメダバードに展開された彼の建築はそのどれをとっても、その土地の持

つ固有の条件、それは気候だったり歴史性だったり未来性だったりするが、見事に作品の中でその解答を

している真摯さに感銘すると同時に、その謙虚さに驚かされてしまいました。

アーメダバードのサンスカル・ケンドラ美術館は、耐力壁のレンガが外観に表されていたり、繊維業者協

会会館は、ブリーズソレイユ(水平ルーバー(日よけ))で表現されていたりしている。サラバイ邸もブリー

ズソレイユをつかっている。

チャンティガールに目を向けても州議事堂、高等裁判所もブリーズソレイユを外観意匠としている。

それで彼の作品を記憶の中でたどっていくとユニテ・ダビタシオン、サヴォワ邸、スイス学生会館、シュ

タイン邸、ラ・トゥーレット修道院 ・・・。そのどれもがコンクリートの面を意匠にはしていない。

なぜこのようなイメージの入れ違いが起こってしまったのか不思議に思っていると、次の瞬間 磯崎新著

「ル・トロネ修道院」が目に飛び込んできた。

記憶のつながりが持つイメージの入れ替えについて始めて理解することとなった。

"ル・コルビュジエは、ロンシャン教会を設計したときにル・トロネ修道院を何度も見に行った。"という

ことを本で読んだことがあったのです。私もル・トロネ修道院について大変興味を持っている建物なので

写真で外観、内観を何度も見ていました。光と影、石造りの壁の面の持つ美しさシンプルさに魅せられて

いました。

ル・コルビュジエのロンシャン教会も大変好きな建物で厚いコンクリートの壁に穿かれた窓の力量感、暗

さの中に揺らぐ幻惑される光の美しさ・・・この二つの建物のイメージが重なって作られたものであった

ことを知ったのです。

http://www.sekkei-koubou.co.jp/

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