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(画像:「職場の変化に応じて、指導方法も変えるべきだ」
と説く岡田康子さん=東京都新宿区西早稲田2、クオレ・シー・キューブ)
[職場が危ない 新潟パワハラリポート]5
パワハラ命名者・岡田康子さんに聞く
風通しよい環境必須
責めずに「教育」心掛けて
2008.11.20 生活A-10版 13頁 朝刊 (全1,243字)
職場の地位や権限を背景に起きる嫌がらせ、
パワーハラスメント(パワハラ)の実態把握や防止に向けた取り組みは始まったばかり。
戸惑う労働者や企業はまだ多い。
どうすれば良好な仕事環境を築き、維持できるのか。
和製英語のパワハラの命名者で、
対策プログラムを開発するコンサルタント会社「クオレ・シー・キューブ」(東京)社長の
岡田康子さん(54)に聞いた。
−パワハラが起きる背景には何があるか。
基本的にパワハラは人間関係の行き違いから生じる。
業務上必要な注意でも、関係が良好でないとパワハラだと受け止められる。
そこが難しい。
最近は上司や会社への不満をパワハラにすり替えて訴える例も出てきた。
−社会状況の変化が誘発している?
構造上、職場の多忙さが問題にある。
高い成果を求められる上級管理職は部下に厳しくなりがちで、
バブル崩壊直後に社会人になった三十代後半の世代も悩んでいる。
中堅にはなったが、その後の採用の手控えなどから後輩の指導経験が浅く、トラブルを抱えがちだ。
−企業の取り組みは進んでいるか。
生産性の面から、社員の健康を守ることが重視されるようになった。
予防に努めることで社員の意欲を引き出し、生産性向上につなげようとする考えだ。
大企業ほど危機感が強く、管理職を辞めさせたケースもある。
中小企業が多い新潟では、組織の柔軟性を生かしてトップダウン式に取り組めば、
早く効果を上げられるのではないか。
−具体的には、どうすればよいか。
風通しのよい職場づくりに尽きる。
意思疎通をうまく図れれば、誤解に基づくトラブルは防げる。
また、管理職が部下を気遣う余裕がなければ、適切な指導や教育はできない。
まずは経営者が管理職のプレッシャーを取り除くことが不可欠だ。
−確かに、社員教育も変わりつつある。
ストレスに弱い社員が増えているのは事実。
それを「甘えている」と責めても仕方がない。
学校や家庭で培われてきた忍耐力や対人関係の能力を、
職場が教育する時代になったのだと基本認識を改めてほしい。
−誰もがパワハラの加害者、被害者になりうる。個人が気を付けなくてはいけないことは。
指導者的立場にある人は言動を見直してほしい。
十回注意して成果がないようなら、一回徹底的に話し合う時間を設けてみるなど、
相手に合わせた方法を模索すべきだ。
立場が下の人も、最低限のコミュニケーション技術を身に付けておきたい。
ミスしたら言い訳せずに謝る、まめに連絡や報告をするなど、
社会人としてのルール、マナーを覚えてほしい。
(おわり)
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学芸部・金子悟、河野雄也が担当しました。
<おかだ・やすこ> 1954年埼玉県生まれ。
中央大卒、早大経営専門大学院修了。
社会福祉法人職員を経て、90年にクオレ社設立。
産業カウンセラー。
著書に「上司殿!それは、パワハラです」など。
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