原典聖書研究

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赤い紐

赤い紐 旧約聖書ヨシュア記2章18節 

  聖書を原典で読んでいると、不思議に思うことによく行き当たります。先日ヨシュア記の2章を読んでいて不思議に思った事が在りました。それは、モーセの死後、イスラエルの指導者となったヨシュア(ギリシャ語訳はイエス)が攻略するエリコに遣わした二人の斥候が持っていた「赤い紐」なのです。

  発掘の結果、エリコ(「月の町」の意味?)は二重の城壁を持つた2ヘクタールの巨大な城塞都市であった事が判明しています。

  二人の斥候は怪しまれないように遊女ラハブ(広い)の私娼宿に泊まりました。その売春宿でエリコの王が遣わした追っ手に踏み込まれたのですが、ラハブの計らいによって危うく難を逃れるのです。まあ、売春宿の宿命としてお客の秘密と安全は生命線だったからなのでしょう。
  2章の1節で二人のお客が泊まったと訳されている言葉は「シャカブ」と言う言葉で一般に聖書の中で男女関係を表す場合の言葉です。用例としては創世記19章33節、35節などのロトの娘と彼の父の性行為を表す為に使われています。原文では「彼らは寝た、そこへ」となります。完全に売春宿のお客になりすましたのです。

 二人のお客の素性を知った売春宿のお上ラハブは、イスラエルのエリコ侵攻は不可避と悟り、斥候と取引をするのです。生命の危機に直面している二人の斥候たちにとって遊女ラハブの提案は受諾する以外に術のない状況でした。何しろエリコ(要塞都市)の城門は閉じられ城外脱出も不可能で、たとい無事エリコの町を脱出しても道中で追っ手に捕縛される可能性が高かったからです。
  遊女ラハブが提示した条件は以下です。「二人の斥候の情報を他言せず、城外に脱出をさせる代わりに、イスラエルがエリコ攻略時に一族の救助を要求したのです。」二人の斥候に取って選択の余地はありません。快諾し、逃避完遂時には必ずラハブの一族の安全を保証したのです。

 一族を識別する為に斥候たちは 「イスラエルのエリコ攻略時に、一族が必ずラハブの家に退避しその窓に印として斥候たちは赤い紐を明示する事」を要請したのです。 そして、彼らはラハブの家の窓から城壁づたいに城外にのがれヨシュアの元に帰還し、エリコ攻略は開始されるのでした。 

  ここで、気になるのがこの赤い紐です。ラハブの家の窓から吊り降ろされたのは綱でへブル語はケベル(綱)です。70人訳ギリシャ語ご聖書は15節の「綱」の部分は「下に緩める」として、18節に「ロープ=綱」と訳していますがへブル語の方は少し書き方が違います。それぞれに別の言葉が使われているのです。

 へブル語の18節に使われている赤い紐は、 フート(紐)+ ハシャニー(緋色)です。そして此の紐という言葉は列王記7章15節やエレミヤ52章の21節を見ると測量様の丈夫な紐(伝道者の書4章12節)である事がわかります。

  と言う事で、ヨシュアが遣わした二人の斥候はエリコの巨大な城壁の構造を測量する為に危険を犯して、売春宿に偽装宿泊していた事がわかるのです。しかも、彼女の売春宿は城壁の内部ですから城壁の外部構造に加えて内部構造も測量できたのです。その上、ラハブが二人を匿った屋上の「亜麻の茎」の干場はエリコの町の防備で最重要な城壁最上部でした、と言う事はその様なエリコの町の防御施設や設備の詳細も入手できたのです。
  遊女ラハブの協力(エリコに対する裏切り)があったおかげで何とか使命を果たした二人の斥候は無事任務を完遂して派遣したヨシュアの元に帰還します。彼らはエリコの偵察の状況結果をヨシュアに上奏するのです。
  この報告時に使われている言葉も大変、変わった興味ある言葉です。へブル語では「ケサフエルー」で原形は「セフエル」です。一般に「書記」や「書物=聖書」と訳される「数える、と言う意味の強意形」なのです。これを日本語に直訳すると「そして彼らは徹底的に数えた」となります。わかる事は、斥候からのヨシュアの報告は正確な書面であったのです。一体その書面には何が記されていたのでしょうか? 自明です。エリコの町の詳細測量図面であったでしょう。これが元になってイスラエルのエリコ攻略が開始されるのです。

  この事から、ヨシュアの緻密なエリコ攻略には何か重大な計略があってなされていった事がわかるのです。この続きはまたいつかお話する事に致しましょう。

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