原典聖書研究

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晴天の洪水

晴天の洪水 士師記5章20節21節  

今日は士師記の5章を原典でよみました。早速面白い箇所のご紹介です。

士師記5章20節21節ヘブル語原典直訳 

20・から 空ら 彼らが格闘させられた その星ら から街道ら彼ら 彼らは格闘させられた 共に シセラ
21・激流 キシヨン 彼が拭い去った彼ら 激流の ケドミーム(原意不明、東風ら?70人訳Bは昔の)激流の キシヨン あなた(女)が行進(踏みつけ)する 生活私 激しい

士師記5章20節21節70人訳ギリシャ語アレキサンドリヤ写本原典直訳 

20・出て その不可視 彼らが戦った 星ら、出て その 指令 彼らの 彼らは戦った 共に シサラ 
21・冬増水らを キシオン 彼が外に投げた 彼らを、冬増水らを カデーミム(ヘブル語 キドウミイムの音写)冬増水らを キシオーン。 彼が下に踏んだ 彼らを 生活は 私の 内在力は。 

士師記5章20節21節70人訳ギリシャ語バチカン写本原典直訳 

20・出て その不可視 彼らが自分のために側で命じた その 星ら、出て 磨り潰す(道) 彼らの 彼らは自分のため側で命じた 共に シサラ 
21・冬増水らを キシオン 彼が外に曳いた 彼らを、冬増水らを 昔らの(ヘブル語 キドウミイム?東風)冬増水らを キシオーン。彼が下に踏んだ 彼を 生活は 私の 内在力は。 

士師記5章20節21節ヘブル語原典意訳

20・星が空の軌道を離れてシセラに戦いを挑んだ。
21・そして晴れ渡ったキション河の乾いた河道に怒濤の如き洪水がにわかに起きてシセラ軍の戦車をすっかり押し流した。

  面白いですね。古代のイスラエル軍と先住民カナン(貿易商)のシセラ軍とがハルマゲドン(前回参照)の隣のキシヨン河で激突したのです。戦争は呆気なくイスラエル軍の勝利に終わりました。

  経済力に物を言わせて戦列に並んだシセラ軍の900両の戦車は歩兵のイスラエル軍の前に費え去ったのです。あり得ないイスラエル軍の勝利の秘訣はいったい何だったのでしょうか?。
  
   本来河床の様な平地で当時の最新装備を施した鉄の戦車が何故、装備も不十分で総戦力で劣る1万のイスラエル軍に敗北を帰したのです。その原因は、起こりえない晴天のキション川の洪水だと聖書は記しているのです。

  その理解の為に言葉の説明が必要かと思います。ここで用いられている川はヘブル語はナハールで激流と言う意味です。これが70人訳ギリシャ語に訳される時にケイマロス=冬増水となっているのです。

  そう、この言葉(ナハール)が意味しているのはいわゆるワジ(涸川=谷筋)と言う事なのです。普段は何も無い幅広の平地と言う意味です。しかし此の谷筋は雨季には様相が一変します。イスラエル地方は冬が雨季なので、冬には増水して河床になるのです。それゆえにギリシャ語はケイマロイ=冬増水と言う訳です。
  
 おそらくこのキション川での戦争は河床に全く水が見られない、乾期に行われたと思われます。(古代では=日本でも)戦争は大抵、農繁期をさせて行われました。農繁期に戦争すると種蒔きや収穫と言う大切な農業が妨げられてしまうからです。その結果は敵も味方も餓死するからです。という事で、おそらく両軍が戦ったのもその様なワジに水の見られな季節であったのです。

 そして、その戦いは夜に行われ(星が出ていた)たのです。そしてその晴天にキシヨン川が溢れて、シセラ軍の戦車の車輪が水にとられ転覆自滅して、装備に劣るイスラエル軍が圧倒的な勝利を勝ち取ったのです。

かなり不可思議な出来事ですが、それ程奇異な現象ではありません。反対に、この晴天の洪水はワジ=冬増水では普通の出来事なのです。何しろパレスチナは山岳地帯で谷が複雑に入り込み、どこか上流のでにわか雨でも降れば、たちまちワジは濁流で満たされ、土石流となってあっと言う間に下流に押し寄せるのです。

  その様な上流のにわか雨など下流にいる人びとには晴天の霹靂です。というわけでカナンの将軍シセラ率いる大部隊が突然押し寄せた激流に逃げ後れ、歩兵のイスラエル軍は崖を駆け上がって九死に一生をえた結果イスラエル軍が大勝利を得たという次第なのです。

  今日は原文で読むとよく分かる戦争の勝因が晴天の洪水であったと言う事のご紹介でした。

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