原典聖書研究

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未必の故意

未必の故意 

今日も大変考えさせられる聖書の箇所でした。早速直訳です。

旧約聖書サムエル記第3章22節26節ヘブル語原典 直訳

22・そして 見よ 奴隷らのダビデ そしてヨアブ 彼が来た からその略奪 そして略奪品 多い 共に彼ら 彼らは来さした そしてアブネル 無い彼 共にダビデ 中でヘブロン として 彼が徹底的に送った彼 そして彼が歩いた 中で平和
26・そして彼は出てきた ヨアブ から共に ダビデ 後ろの アブネル そして彼は戻さした を彼 から水溜の そのシラ(離反?)そしてダビデ 無い彼が知った 

旧約聖書サムエル記第3章22節26節ギリシャ語原典 直訳

22・そして 見よ その 奴隷らは ダビデ そして ヨアブ 彼らが側に起きた(到着した) 出て その 出道(ヘブル語=略奪) そして 奪ったら 多く 彼らは運んだ 共に 彼ら。そして アブネル 無い 彼が存在している 共に ダビデ 中へ ヘブローン、それは 彼は離れ送っていた 彼を そして 彼が離れ来てしまっていた 中で 平和。 
26・そして 彼は上に戻った ヨアブ から その ダビデ そして 彼は離れ遣わした 使者らを 後ろに アブネル、そして 彼らは上に戻し続けている 彼を から その 井戸 その セイラム。そして ダビデ 無い 彼が知った。

  今日の箇所を簡単に説明しておきます。ぺリシテ人との戦争に生き残った将軍アブネルがサウル王の美人妾のリッパに手をつけたのをサウル王家の生き残りのイシュボシエテがとがめた所、アブネルはサウル王家を裏切りダビデと通じたのです。ダビデはアブネルの足元を見て、自分がサウル王家の壻であり、当然サウル王家の王位継承者であると言う象徴に他人の妻になっていたミカルをよこす事を条件にアブネルとの会談を承諾します。 

  そして、その日時はダビデ王の従兄弟にあたるヨアブ将軍の不在時に設定しました。当然ヨアブにしてみれば、アブネルは自分よりも遥に実績が有り、しかもイスラエル10部族の将軍職ですから、そんな話がまとまれば自分の立場が無くなります。

  それを承知でダビデがアブネルと会った事は、当然何としても容認出来ません。しかも、ヨアブはダビデ達が贅沢に暮らせる為に、例の略奪に出ていたのですからこんな馬鹿らしい話は断固阻止しなければなら無かったのです。

 アブネルの一件を耳にしたヨアブはダビデのもくろみを察知し、直談判に及びます。しかし、ダビデは全く聞く耳を持ちません。そこでヨアブは王に無断でアブネルを追撃し殺害してしまうのです。

 その一件で気になるのはダビデの行動です。26節によると「ダビデはヨアブがアブネルを殺害する事を知らなかった。」と言う事なのです。しかし、誰が見ても、殺戮のプロで略奪を専門とするヨアブがダビデのもくろみを看過することはあり得ない事でした。当然ヨアブは保身の為にも、また弟アサエルの敵討ちの為にもアブネルを追撃し殺害する事は自明でした。

  しかし、「ダビデは知らなかった。」と言い切るのです。 そしてダビデは「アブネル殺害と自分とは全く関わりがない事を周知徹底する為に、その日の夕食だけを断食してそれを広く国民に布告するのです。35節。」 

  ダビデにしてみればアブネルが死ねば、サウル王家は瓦解し、何方道イスラエル10部族はダビデ側に着く事は自明でした。何しろ、イスラエルは強力なペリシテ軍との全面戦争と後方に控えるアモン人との戦争遂行する危機に瀕していたのです。

  しかし、もし、ダビデがアブネル殺害を推進したと、思われるとダビデ王家がイスラエル10部族を纏める可能性は殆ど無かったのです。と言う事で、ダビデはヨアブがアブネルを殺す事は当然分かっていて、反対はしなかったし、賛成もしなかったと言う事なのです。まあ、ダビデはより悪くない選択、それは「成り行きに任せて、事後対策、アブネルの死を痛み悲しみ、半日も服喪し夕食を一回も抜いた事を繰り返して広報し宣伝活動に力を入れる」のが得策と判断したと言う事なのです。

  このアブネルに対する服喪も一食の断食でした。そして興味深いのは彼の義父サウル王と親友ヨナタンの死に対する服喪は更にそれより少なく夕食までだったのです。(第競汽爛┘覽1章12節)要するに日が暮れてから夕食を数時間遅らして食べただけです。実質的に一食の断食もしなかったと言う事なのです。しかしわざわざそんなお粗末な断食と服喪をことさらに記しているのが大変興味深い所です。
  
  本来身内(妻の父=義父)の服喪であれば7日程度の断食なり、あるいは40日程の服喪が当然なのです。(民数記20章29節=30日申命記34章8節=30日、ダニエル10章2、3節=3週間の断食) と言う事でダビデの断食や服喪はいつも一食程度で彼の偽らざる本心や断食の目的が本当によく分かります。 

  と言う事で今日は、アブネル殺害事件に対してダビデが沈黙し、また服喪した事を大々的に広報して、人心掌握に大変優れていた事のご紹介でした。「要するに政治とは今も昔も真実では無く、『如何に上手に真実らしく宣伝』するかが遥に大切である」ということを示している聖書の記録のご紹介でした。 

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