原典聖書研究

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動詞の変化(ヘンゲ)

動詞の変化(ヘンゲ)

  ギリシャ語は世界一やさしい言葉なのです。しかし、これが難しいと誤解される理由は唯一この動詞の活用変化に有ります。表題には「ヘンゲ」ともじって記しました。ギリシャ語の動詞は、まさしく「変化」ではなく妖怪のように「ヘンゲ」するのです。

  どれぐらい変化するかと言うと一つの動詞が

●人称

(私、あなた、彼、私たち、あなた方、彼ら、我ら双数、彼ら双数)で8ヘンゲ、

●態

その8ヘンゲがそれぞれまた能動態(自分が行動する、中態(行為の目的が自分の時)、受動態(人の行為を被る時)あり 8×3=24ヘンゲ 


●時制

そしてさらにそれらに時制が現在時制=継続動作、未完了=過去から現在の行為、完了=過去の行為の現在の結果、アオリスト=不定過去(歴史的1回限り行為)、未来=確実行為、大過去=過去の行為の結果が現在に無い、の6倍ですから24×6=144ヘンゲ、

●法

さらに法があり、直接法、命令法、接続法、希求法、不定法が加わります。これらは時制が限られているので24×6=144ヘンゲでここまで288ヘンゲと言うわけです。 

●分詞

  その他に分詞がありこれが10(人称)×3性(男女中)×7時制で変化しますので210ヘンゲとなります。以上で合計498ヘンゲと言う訳です。 
 
●問題は不規則変化

 じつはここまでなら大した問題ではないのです。変化形を500種類覚えるか、変化表を手元に置けばなんでもない事なのですから。しかし、最大の問題は上記の変化は「使用頻度の少ない動詞のみの活用」する「規則変化」なのです。

  大抵の、しかも頻繁に登場する動詞はこぞってこの変化表とは全く異なった不規則変化を取るのです。

 ★ギリシャ語の動詞の殆どの変化形は不規則変化が当たり前

 不規則ですから単語毎に変化が異なると言う事でそれぞれの不規則変化の単語については個別に変化を覚えなければならないのです。だからほとんとの動詞は不規則変化だと言うことは動詞一つ一つに別々の変化表が必要となり、一体どの表を見てよいのか初心者にはかいもく見当がつかないと言う次第ナノです。 

  だから英語で「それは私にとってギリシャ語です。=It's Greek to me! 」が「チンプンカンプンです」と言われるゆえんなのです。

★ 不規則変化の語形は3000程

特に問題なのが不規変化動詞で使用頻度の高い不規則変化する動詞の種類が約39程有ります。 それぞれに特有の100種類程の独特の変化形のどれかに当てはまります。だからこれらの100種類×人称8×態3=2400程の変化形は個別に記憶する必要が在るのです。

ですから動詞の変化形は約3000程あると言う次第なのです。しかも、このほかに変化形にはイオニアだドーリアだアッチカ等という方言まで有るのです。

  大学や神学校のギリシャ語のクラスでは待ったなしに1年間にこの3千の変化形を記憶する事が要求されるのです。おそらく余程の秀才で無い限り、このギリシャ語の初級文法をマスターする事は無理だと言う事なのです。1年365日に毎日10種類の変化を記憶し、それを1年間続けて漸くギリシャ語聖書が読める様になると言うわけなのです。

  私も、3つの神学校でこのギリシャ語を学び、それぞれのクラスの様子を見ましたが、いずれの神学校でも当時は毎年10人程の入学者を迎えていました。しかし、その中で必須である「ギリシャ語をマスターするに至る人は3年に一人いるかいないか」と言うありさまでした。そして多くの神学生はかろうじて落第を免れて卒業はします。しかし、その卒業証書と引き換えに、「もう二度とギリシャ語は見たくない」と言う結果を招いているのが神学校や大学のギリシャ語教育の偽らざる実態ナノです。

  嘘だと思われるなら、「何方の神学校の卒業生にでも、70人訳等のギリシャ語の原典のコピーをお見せし、その場で解読を依頼すると『お顔の色が青くなる』ことですぐに証明される事間違いなし。」と言う次第です。

それでも信じられない方には実行をお勧めします。以下に70人訳ギリシャ語聖書の原典がありますので優しそうな所を適当にプリントして試されると良いでしょう。このテキストは文字化けを防ぐ為に普通の原典に在るアクセントや気息符がありませんが、普通にギリシャ語が出来れば問題なく読めます。

http://spindleworks.com/septuagint/septuagint.htm
(word等にコピー&ペーストすれば拡縮してプリントできます。)

★創世記やエレミヤ等はヨハネの福音書と同じぐらい優しいギリシャ語が使われています。初歩のギリシャ語知識があれば辞書なしで読めます。

 創世記 http://spindleworks.com/septuagint/Genesis.htm
 エレミヤhttp://spindleworks.com/septuagint/Jeremiah.htm

★ちなみに難しいのは出エジプト記の25章以下や申命記の後半です。新約聖書のヤコブ書以上に難解です。こちらが辞書無しに読めればギリシャ語は上級者です。 
出エジプト http://spindleworks.com/septuagint/Exodus.htm
申命記 http://spindleworks.com/septuagint/Deuteronomy.htm

 そして、初代教会の人々は貴族から奴隷や乞食に至るまでの庶民がこれらを聞いただけで完全に理解することができたのです。 こんなに優しい言葉のコイネーギリシャ語で聖書は記されているのです。まして現代の高い教養を身につけた聖書の専門家が読んだなら「何の難しさも無く、実に分かりやすく記されている」と言う事で、その原典と現代語の翻訳がかなり相違しているのは何故だろうかと不思議に思うのです。
 
★私は善良な神学校の卒業生達に恥を書かせるつもりは毛頭ありません。しかし、本当は全く理解していないギリシャ語を「出来る」と見せかける聖職者や自称神学者がのさばっているから、こんな酷い翻訳がまかり通っていると思うのです。だからあえて真実をお話ししているのです。まさしく「裸の王さまギリシャ語版」です。

  私は、神学校入学の目的がキリシャ語とヘブル語の習得でしたから、毎日欠かさず3時間の時間をギリシャ語のために取り、1000時間を費やしてかろうじてこの目標を達成出来ました。週に24時間程度のアルバイトをしていましたので時間の捻出は大変でした。しか、体力だけは誰にも負けなかったのが幸いしたと思います。あれだけ力を入れたギリシャ語でしたが、30年以上が経過した今は、せっかく覚えた変化もすっかり忘却の彼方に行ってしまいました。

  当然ギリシャ語は読めなくなる筈です。しかし、不思議な事に何の不自由もなくギリシャ語が読めるではありませんか?

  そう、あんな厖大な動詞の活用変化表の暗記は実際の朗読には不要であったのです。そう、厖大な変化はあっても、実際の聖書原典に登場する変化形は僅かナノです。

  最も使用頻度の高いのは3人称単数。そして次が3人称複数です。 おそらくそれだけの変化を知っていれば90%近くの動詞は読めてしまうのです。 残りが2人称や1人称で、そして受動態等がそれに続きます。

  時制も一番多いのが(不定過去=アオリスト)、次が現在時制で、その次が未来形です。おそらく登場頻度の高い変化形は変化可能な3000種類の変化形のうちの1/10以下で200種類の変化にしかすぎないのです。

  この200の変化だけ覚えてしまえば、殆どの動詞の変化形は簡単に判別出来てしまう次第ナノです。

  だから、大学や神学校で教えているやり方でギリシャ語を学ぶと秀才中の秀才しか会得出来ないギリシャ語も、「実際にあきらめずに読み続けていくと誰でも簡単に物に出来る世界一やさしい言語だ」と言う事なのです。だから学問とはおよそ縁の無い漁師のペテロやヨハネ等の使徒たちでもギリシャ語は簡単に使いこなす事が出来たのです。

だから私のように30年以上も牧師をしていて、聖書のギリシャ語もろくに読めない様な人は「余程の怠け者」かあるいは、「最初に不幸なギリシャ語のと出会いを経験してトラウマになってしまった気の毒な方」かのどちらかなのです。

さて、次回はイエスキリストとキリシャ語についてお話する事に致しましょう。

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