原典聖書研究

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ギリシャ語に王道(横道?)あり。その一!

  ギリシャ語のアルフアベットは全て覚えられましたでしょうか? 今日と明日はアルファベットの記憶を確かな物にしていただく為に時間を提供することにいたします。その為に前に進むことを止めて横道に入りたいと思います。

  昔から「学問に王道無し。」といわれますが70人訳ギリシャ語聖書を読んでいると頻繁に王道が登場します。エジプトからパレスチナを通過しアッシリヤに向かう道の事ですが、アブラハムの時代から有ったようです。紀元前2千年に敷石で舗装された、エジプト王の世界戦略道路です。まあドイツのアウトバーンの古代版といった所でしょう。 

  あのエジプトに奴隷に売られたヨセフが後に出世して父のヤコブを迎えに車(おそらく見事な幌馬車で祇園祭りの山車のような装飾を施した物)を送った時に利用したのがこの王道でした。地中海の海岸沿いの西海岸とヘブロンからシケムを通過する中央山脈の峰沿いと、死海の東岸のモアブの高地に3本あったようです。

  まあ実際の王道は置いておいて、ギリシャ語の楽な学び方にお話を戻すことにしましょう。

 この講座はギリシャ語をゲームに例えれば「攻略本」のような物を簡単にお話ししたいと思うのです。その必要性をご理解いただくためにギリシャ語の大変さを今日はご紹介し、明日はその王道(横道?)に入ることにしたいと思います。

  以前に動詞変化(ヘンゲともじりました)のところでお話ししましたが、真っ正面からギリシャ語に取り組むとおそらく、たいていの方は「討ち死に」されること間違いなしです。

  その理由は、基本的に動詞の変化だけで3千種類の無機質で煩雑なな動詞活用変化表の丸暗記が必要です。熾烈な受験戦争に勝ち抜き見事栄冠を勝ち取った秀才が千人ギリシャ語に取り組んだとしても、おそらく990人いや997〜8人はこの最初の動詞の活用変化の難関で討ち死にでしょう。

  しかし、ギリシャ語の完全攻略にはまだまだ先があります。簡単そうに思える名詞の変化もほとんどが不規則変化なのです。良く見かけるものだけでも50種類程あります。一つが12の変化をしますから、12×50=600種類の名詞の変化形は覚えなければなりません。

形容詞も同様に変化しますが規則変化丈です。これは12×3=33通り、人称代名詞や指示代名詞の変化も関係代名詞も同様に変化しますので良く見かけるものが17種類ありますから33×17=561で名詞と形容詞を合わせると1194通りということです。

 此処までで動詞の変化と名詞形容詞などの変化を加えて4千を越えてしまいました。 それらに加えて数詞が1〜12とそれぞれの序数詞で良く見かけるものが15あり、さらにそれらに加えて10、100、千、5千、二百など で32×33=1056 という訳です。

  動詞の変化や名詞、形容詞などの変化の合計は1149+1056=2250となり動詞の約3000を加えるとギリシャ語の語の変化の形だけで5千を軽く越えてしまいました。これらのギリシャ語の変化は単に語尾丈ではなく接頭辞や元となる語幹その物まで大きく変化します。在る物は全く原形を止めません。だから覚えるのはそう簡単ではありません。

  覚えなければならないのは単語の活用変化形丈ではありません。当然生活に必要な単語そのものを5千個程おぼえなけれはギリシャ語をマスターしたとはいえません。でなければ辞書無しでギリシャ語を読みこなすことは出来ません。

  単語を5千個も覚えるだけでも大変なのに、その単語毎に活用変化まで合わせて覚えるわけですから大変さがお分かりいただけたかと思います。正面からギリシャ語に取り組んで片っ端から単語と変化を覚えて2年間に1万程の記憶が出来る人だけがギリシャ語を物に出来るという次第なのです。

  具体的に数えると、初年度は変化5000+単語1000として計6000÷365日=約17(=週に119)の単語や変化を日々記憶し続け。第二年度の講読では初年度に学んだ基本を復習しながら新しい単語4000程を÷365日=約11(=週に77)単語を毎日を覚え続ける事が必要なのです。  

  だからギリシャ語は世界一難しい言葉だと思われているのです。

 結論は明白です。「ギリシャ語を正面から取り組んでまじめにやれば確実に討ち死にします。」

  だからこの講座では正道はさけて横道の指南をしたいと思うのです。

 しかし、きっと皆様は「大学や神学校では生徒はどんなふうにしてこのギリシャ語に立ち向かっているのだろう?」という疑問をもたれているかと思います。

  息子の通っている某旧帝大のギリシャ語の初級文法のクラスの様子はお話ししました。今日は第二年時に取り組むギリシャ語の講読クラスの様子をお話ししましょう。そのクラスは当然あるにはあるのですが「いつ見ても生徒がきている様子が無い。」というのです。最初はクラスに申し込者がすこしいるようなのですが、クラスの準備の予習が追いつかず、結局挫折して、せっかく身につけた初級文法が忘却の彼方に行ってしまっているのが実態の様です。
   
  ギリシャ語が必須の神学校でも内実はほぼ同様です。確かに初級文法とギリシャ語の原典講読は必須科目です。しかし現実には多くの神学校では初級文法は頻繁に試験を実施しています。クラスに出て教科書の練習問題をノートに取れば、あとは単元毎の試験の範囲分だけを丸暗記すれば何とか及第点がとれるようにしているのです。そうでなく広い範囲全体から出題する終了試験を実施すると一夜漬けの暗記では間にあわず、その結果必須科目の落第者が続出するからなのです。

  初級が終わり、第二学年の原典講読に入ると毎週にはかなりの予習が要求されます。たいていの神学生は苦学していますからアルバイトやその上に教会奉仕があり時間がとれません。そこで彼らは同級生とトトカルチョまがいの共同作業組合を作ります。次のクラスまでに予習しなければならない分は10〜20節ですから(2時間にクラスで進める分量はこれぐらい)一人が一週間に1節か2節を調べ、それを十数人に振りわけ、クラスの前日に胴元が回収して全員分を並べてコピーして翌朝のクラス迄に配布する手筈にしていました。もちろん中には真面目やバイト故、これに加わらず(or加えてもらえず)黙々とクラスに取り組む方もありました。しかし、かえって苦労され追試に追い込まれておられたのが心に残っています。

  一人コピー代10円を徴収すれはクラスの予習と試験対策は万全というわけです。私は毎週20節の予習に数時間を費やしていました。あれから30年立った今は10分も有れば十分ですが当時は大変厳しいものであったのが懐かしく思い出されます。

  そして講読の期末試験はその学期に講読した箇所全体が一応試験範囲ではあります。しかし、大抵の神学校の教師は試験範囲を1〜2章の4〜50節に狭めて、しかもその範囲を事前に学生に知らせてくれます。この程度の分量であれば予習した物に目を通せば誰でも及第点は確実でした。

  そしてこの手抜きギリシャ語教育と神学生側の同業組合は先輩から後輩へと連綿と継承されていました。だから多くの神学校の卒業生たちはいつまで経っても驚くほどギリシャ語が読めないという結末を自ら招いていたのです。そして現在ではより便利なギリシャ語ツールやパソコン辞書が廉価となりそれらに頼ってしまいクリックで予習して記憶の訓練を避けているのです。だから、最近の多くの神学校の卒義生はますますギリシャ語の力がつかない結果が生じているのです。 

 さて今日は長くなりましたのでこの続きのギリシャ語の王道(横道?)続編は明日にお話する事にします。

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閉じる コメント(3)

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挫折者が多いのは、ぼくが思うに、
学校教育によって与えられる「暗記しなければならない」という強迫観念があるからでしょう。
そんな短期間に暗記をがんばらなくても、一生つづけていく内に自然と覚えるはずですが。

2009/1/23(金) 午後 0:54 [ ダクセルくん ] 返信する

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ぼくは学校は、本の内容を教えたり暗記させたりするよりも、
勉強のしかた(例えば文法書の苦しまなくてすむ読み方とか、辞書を苦しまずに引くしかたとか)を教えるべきだと思います。
そうすればあとは瀬戸が自分で本を読んで勉強するでしょう。
生徒は勉強のしかたがわからず、苦しいやり方しかわからない(というより、苦しいやり方を教えられる)から、挫折するのです。

2009/1/23(金) 午後 1:13 [ ダクセルくん ] 返信する

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dakuserukun様 全く同感です。しかし、最初るギリシャ語と不幸な出会いを経験し、嫌いになり、トラウマとなったギリシャ語やヘブル語を牧師達の大半は生涯完全に遠ざかり全く思い出さずにいるというのが悲しい現実です。
結論から言うと神学校や語学学校へ行かないで地道に20ねん30年かけて一人で語学の学びを継続した方が健全で結果が良いですよ!! 仰る通りです。

2009/1/23(金) 午後 6:56 [ 油食林間 ] 返信する

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