原典聖書研究

ギリシャ語に興味ある方は「ギリシャ語」の書庫、 聖書関連記事は「無題」の書庫をご覧ください。

全体表示

[ リスト ]

規則動詞

規則動詞

  能書きばかりお話ししていないで今日は良く使われているギリシャ語の動詞をご紹介してみましょう。

  その前にすこし、ギリシャ語の効率的な学び方をお話ししてみます。

  本当かどうか知りませんがギリシャ語原典の新約聖書はたったの13万7490語しかないそうです。そこに登場する単語は僅か5436個でしかもそのうち3246個は一回限り登場するのだというのです。固有名詞を除いた単語は1067個ということです。さらにそのうちの513語は25回以下しか使われておらず残りの544個が使用頻度の多い語ということです。

  何のお話をしているのがお分かりでしょうか。「ギリシャ語聖書を習得するのにやみくもに単語を覚えるのは懸命ではない。」ということなのです。覚える単語と辞書を引く単語に分けて習得すると大変効率的にギリシャ語に親しめるということなのです。 

  特にその中でも使用頻度の多い35の単語は聖書中に500回以上登場します。その中でも特に前置詞は千回から3千回近く使用されそれぞれが30〜50の合成語を構成しています。

 さて、余計なお話ばかりしていないで動詞の変化を覚えるお手伝いをしなければ成りません。使用頻度の多い動詞です。

  今日、ご紹介する動詞を記憶すれば何と実際に聖書を読む時に4098回の辞書引きが倹約できます。

  此のギリシャ語講座で今週ご紹介したのは規則変化をする動詞の活用でした。「λυωルオー=私は解く」の変化お覚えて頂きましたが、もうしっかり記憶出来ましたでしょうか。もちろん覚えなくともアナリテイカルを使えば原典は読めます。

  しかし、λυωと言う規則変化の動詞は新約聖書中に43回しか登場しませんが、これと殆どよく似た変化をする動詞が沢山あります。その中で目ぼしいものを以下に記しました。出来ればこれを覚えておくと辞書を引く回数が随分と節約できます。

 ★λυω と同じ規則変化をする動詞で良く使われるもの。(4098回)
  
登場回数
 ↓ ↓ 
1343回  λεγω   レゴオー   私はいう 
 709回  εχω    エコオー   私が持つ
 576回  ποιεω   ポイエオー  私が作る
 437回  ακουω   アクウオー  私が聞く
 295回  λαλεω   ラレオー   私が喋る
 209回  θελω   セロオー    私が願う
 248回  πιστευω  ピステウオー 私が信頼する

  ★注・πιστευωは目的語に常に与格(次の課で学ぶ→〜にという形の語)のみを取る。

  ★このπιστευωは一般に信仰すると訳出されているがそれは、誤訳で「〜に信頼を置く」と言う意味の言葉であるから。新約聖書に登場する248回中の239カ所が誤訳となっている。

  この語の名詞形πιστιςとが使われている244カ所とπιστοςの66カ所の総計549カ所の殆どが「信仰」となっており誤訳。

参考・信仰と信頼  http://blogs.yahoo.co.jp/semidalion/688353.html

 さて今日は最後に覚えたギリシャ語の動詞が幾倍にも活用する秘訣をご紹介したいと思います。

 それは聖書の中に71回登場するαγωアゴオ という動詞です。これは後に9課で学ぶ前置詞と結合して以下の様な意味を持ちます。それらの合成動詞を合わせるとこの語は形281回も使われているのです。参考の為にこの動詞と合成する前置詞+動詞の主要な物を以下に記しておきます。

  71回   αγω   私が導く 71回はこの語の単独語の回数です。

しかし、合成語としてこの語は281回搭乗しています。それを具体的に紹介してみましょう。

 αγωが281回用いられている合成語は以下の様になります。

前置詞の終わりが母音時、もし後ろに母音で始まる動詞が来た場合、前置詞の母音は必ず脱落する。( )内の母音は常に脱落する。
搭乗回数 前接前置詞 元の語 本来の意味 (日本語的な訳語の例)  
  81回  υπ(ο)+αγω 私が下に導く (引き下がる、去る)
  62回  συν  +αγω 私が共に導く(集める)
  24回  αν(α)+αγω 私が上に導く (連れて行く)
  13回  εκ(ξ)+αγω 私が外に導く (連れ出す)
  10回  πρ(α)+αγω 私が前に導く (誘導する)
  10回  εισ  +αγω 私が中へ導く (引き入れる)
   4回  προσ +αγω 私が方に導く (引き出す) 
   3回  επ(ι)+αγω 私が上に導く (招く)
   2回  δι(α)+αγω 私が通し導く(日を過ごす)

  私と 導くの間に記した意味が「前置詞」の意味なのです。こんなふうにギリシャ語は他の語と結合して多様な意味を持たせることが多いのです。そしてこの原則を知っていると、覚えた言葉=語彙が数十倍に活用できる様になり、少し慣れると殆どの単語は辞書を見なくとも意味が理解できる様になるのです。このやり方で、自分で自由に単語を接合させるとそれで十分に通じるギリシャ語になるというのがコイネーギリシャ語のおもしろいところです。

  と言う事で今日は、出来るだけ暗記を少なくしながら、反対に出来るだけ多くのギリシャ語の辞書を引かずに読む方法のご紹介でした。

この記事に

閉じる コメント(4)

顔アイコン

公認和訳聖書には誤訳が多いと以前からいろんなサイトで耳にしておりました。

なんと、信頼するという単語を、
信仰すると訳しているとは……。 削除

2007/12/12(水) 午前 6:55 [ εν χριστω ] 返信する

顔アイコン

コメントを有り難うございました。じつはこの邦訳の誤訳は本当は決して誤訳ではありません。以下のリンクを詳細に読んで頂くと分かる事ですが、邦訳聖書の版権の実質は日本の団体ではなく北米の財団が取得しているのです。その元の訳が意図的に改竄されている為翻訳はそうせざるを得ないのです。
http://www.seisho.or.jp/seisho/ssk/ssksimei.html http://www.seisho.or.jp/ssk/sskshourai.html
そこからの指示があって基準となる英訳から逸脱した翻訳は禁止されているからです。このリンクに記されている教団は実は私の属する教団で、あまり詳しくお話するわけに行かないのが残念な所です。

2007/12/12(水) 午後 0:05 [ 油食林間 ] 返信する

顔アイコン

此の記事お分かりでしょうか。ややこしいですね。分かる事は以下です。
●第一に新改訳は「実質NASVを翻訳したロックマン財団」(以後ロ財団)が資金を提供し、NASVに準拠して訳された。
●ロ財団は新改訳は原典訳ではなくNASVの重訳と認識した。
● 訳出された新改訳にはロ財団と出版社と翻訳者間に版権に関する見解の相違があり収益を巡って裁判になった。★に続く。

2007/12/13(木) 午前 8:13 [ 油食林間 ] 返信する

顔アイコン

★新改訳の収益は翻訳の完成から約40年分をロ財団に支払う事によって裁判は和解した。★ と言う事です。
●ここには書かれていませんが、2002年に新改訳の全面的な改訳の話が有ったが、どういうわけかそれは実施出来なかった。
●この裁判から、聖書翻訳の実態に関して分かる事が沢山ありますがこれ以上は書きません。

2007/12/13(木) 午前 8:14 [ 油食林間 ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事