原典聖書研究

ギリシャ語に興味ある方は「ギリシャ語」の書庫、 聖書関連記事は「無題」の書庫をご覧ください。

全体表示

[ リスト ]

てにをは(名詞の変化は助詞) 

 ギリシャ語には二通りの学び方があることをご紹介してきました。大変簡単なこのブロクのやり方ともう一つは従来の学び方で、無理に難解にしてギリシャ語を学ぶ方法です。

 興味深い事は、わざわざ難しくしている「難解なギリシャ語の学習方は英語圏にルーツを持っている」と言うことなのです。

  今週に学んでいる「名詞の格変化」がその最たる物です。これにはわざわざ「主格」、「属格」、「与格」、「対格」それに「呼格」でそれぞれの「単数」、「複数」「双数」があります。なんて仰々しい名称なんでしょう。

  これ、簡単にすれば、日本語ではあたりまえの「てにをは」で助詞という物があるではありませんか。

  だったら初めから単数→そのまま 「は」複数→助詞との間に「ら」を入れて次のようにしてしまえば良いわけです。

単数
主格→ οs →はorが   
属格→ ου →の
与格→ ω  →に
対格→ ον →を
呼格→ ε  →よ

複数 
主格→ οι  →らはorらが   
属格→ ων  →らの
与格→ οιs  →らに
対格→ ουs  →らを
呼格→ οι  →らよ

  としたら何もわざわざ変な格変化などと言う呼称は不要です。日本人にはギリシャ語は英語より遥かに簡単に覚えられるのでは無いでしょうか。

  どういうわけか英語にはこの助詞「=格変化が無い」のでこの格変化の無い英語圏の人々が理解しゃすい様に仰々しい「格変化」なる学び方をしている丈なのです。そしてその英語の話す人の為の学習方法をそのまま日本語に訳出しているから本来は簡単なギリシャ語が重訳されて余計に複雑で大変難しくなってしまっているのです。

  問題はこれだけではありません。英語経由のギリシャ語の学習方には随分と問題があるのです。

  以下に私がその事に気付いた33年前のことをお話してみたいと思います。

  私は恩師が訳されたギリシャ語の世界的大家の著による教科書で学びました。「メイチエンの新約聖書初級文法書」です。いまはもう絶版なのが残念です。この本でギリシャ語を習得している最中に一つの「おかしな事」に気がつきました。

  それは、この文法書に記されている練習問題をしていた時の事でした。

 この書にはギリシャ語からの和訳と日本語からのギリシャ語訳の練習問題がふんだんに用意されているのです。そして、親切な事に日本語からのギリシャ語訳にはそれに平行して元の英文の練習問題も併記されていたのです。

  私は、「日本語」の方から「ギリシャ語訳」をした方が簡単だと思い込んでいました。しかし、この練習問題に限ってギリシャ語を日本語にし、日本語をギリシャ語にするのは随分と大変でした。

  一番問題なのは、全て語順が逆にしなければなりませんでした。日本語は大抵「述語=動詞」は一番最後です。そして名詞を修飾する形容詞は名詞の前に来ます。今思えば、このメイチエンの練習問題は殆どが英語の五文型のどれかに当てはまる物ばかりでした。ですからそのままの語順では日本語にはならないので英語日本語変換の語順の変換をしながらギリシャ語訳と日本語訳の練習問題をしていたのです。随分と時間がりました。

 ある日、時間がないので、英文の方からギリシャ語にしてみたのです。驚きました。英語を逐語的にギリシャ語に変換すれば全ての練習問題がギリシャ語に成るではありませんか。

  そして、ギリシャ語からの訳の練習問題も、そのまま逐語的に英語にすれば立派な翻訳文(英文)になるではありませんか。考えて見てください。どちら道、私が使っている辞書は英語のものなのです。だったらギリシャ語の単語を英語のギリシャ語辞書で引いて、そのまま何も考えずに記せば簡単に英訳出来てしまいます。逆に英語ならそれを辞書でそのままギリシャ語にすればギリシャ語の作文は出来てしまいます。

  初めから英語でやれば日本語にする手間が省けます。必要な時間が半分どころか、それ以下に簡単に宿題の練習問題が出来てしまいます。もちろん神学校のギリシャ語の教授は留学経験者ですから宿題も、また実際の試験の答案も全て英文でもOKです。

  しかし、そこでじっくりと考えてみたのです。「私は神学校の教授に成るわけではない。日本人の信徒に日本語で聖書を教えるのだ。だとしたらここで楽な方を選ぶと、ギリシャ語を理解した事にならない。二倍の時間がかかるが日本語で直接ギリシャ語を学ぼう。」

  そうして、私はこの方針を貫いたのです。 

  そうして、初級文法を終え、実際のギリシャ語の講読に入ったのです。しかし、不思議な事が起きました。メイチエンの教科書に出ていたギリシャ語と実際の聖書のテキストとはなにか随分と様子がちがうのです。

 そう、英語と同じ筈のギリシャ語の語順はどういうわけかメイチエンのギリシャ語の教科書に使われている物だけでした。実際の聖書のギリシャ語のテキストではどちらかと言うと日本語の語順の方に近いように思えます。不思議でした。そして、メイチエンの教科書の練習問題よりも遥に簡単に聖書のギリシャ語のテキストは読めました。しかし、不思議な事に英語でギリシャ語の学びを貫いた人は実際の聖書のテキストに入ると、どういうわけか進まない様なのです。

 確かにメイチエンのテキストに使われていた練習問題もほとんどはギリシャ語テキストからの抜粋でしたが、実に不思議です。

 あれほどギリシャ語は英文とそっくりで語順もそのままだったのは一体何だったのでしょうか? 教科書も練習問題では単語だけを英語からギリシャ語に転換すればよかったのは一体なんだったのでしょうか? 

  私にはよく分かりませんが、もしかしたら、メイチエンは初めから練習問題に使ったギリシャ語の抜粋に、英語の語順と同じ文型の物ばかりを、抽出してギリシャ語の入門書を作っていたのでは無いのでしょうか。
 
  だから彼のギリシャ語入門書は英語を介する人々には大変分かりやすく、大変評判で沢山売れて、多くの北米などの英語文化圏で評価が高かったのかも知れません。 

  私は、その教科書を使いながら、あえて恩師が日本語に語順を換えて訳出してくれた、日本語で時間を掛けてギリシャ語を学んだ為に、実際に聖書原典を読む段になって、かえって大変有利であったのかもしれません。

  あれから33年が立ちましたが、もしあの時楽な道「=英語でギリシャ語を学ぶ」を取っていたら、今頃は随分と苦労が耐えない結果を招いてギリシャ語の聖書を読むのが大変になってしまっていたと思わされます。

  という事で、ギリシャの国は英国よりもかなり日本に近い国で、当然その言葉のギリシャ語は英語よりも日本語に遥に近い言語だという大切な事のご紹介でした。

この記事に

閉じる コメント(4)

顔アイコン

戻ってまいりました、εν χριστωです。
今週からヨハネ福音書原典を読む予定でしたが
道具がそろっていませんので、
今週はブログのギリシア語講座の進行に合わせて、おさらいを続けようと思います。

現在持っている道具は、織田昭著 新約聖書ギリシア語小事典のみです。
アナリティカルは注文しましたが、まだ届いてない状況です。
あ、それからギリシア語のコンコルダンスも必要だったでしょうか?
お勧めのコンコルダンスがあれば紹介してください。 削除

2007/12/18(火) 午後 3:18 [ εν χριστω ] 返信する

顔アイコン

お帰りなさい。コンコルダンスあれば良いでしょうが最初は特に必要はないかと思います。
ギリシャ語ギリシャ語のコンコルダンス
http://www.amazon.co.jp/gp/product/product-description/0310410304/ref=dp_proddesc_0?ie=UTF8&n=52033011&s=english-books

http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/0567083470/ref=sr_1_olp_3?ie=UTF8&s=gateway&qid=1197985958&sr=8-3

ギリシャ語英語の物、(引くのはギリシャ語だが聖書の引用は英文の物。)

http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/1579101364/ref=sr_1_olp_14?ie=UTF8&s=gateway&qid=1197985433&sr=8-14

どちら道日本語の聖書で語句の登場箇所を見直す事になるので何方でも同じかと思います。

2007/12/18(火) 午後 10:56 [ 油食林間 ] 返信する

顔アイコン

ご紹介ありがとうございます。
最初は特に必要はないということですね。
では、必要となってくる段階で
紹介していただいたコンコルダンスを購入することにします。 削除

2007/12/19(水) 午後 5:38 [ εν χριστω ] 返信する

顔アイコン

先日はちょっと噛み付いてみましたが(爆)やはりここのギリシャ語学習法は素晴らしい。コロンブスの卵です。
勝手にコピー・ペーストで編集し印刷して自分用のテキストを作らせていただきます。あくまで自分用なのでご諒解下さい。(深謝。)

2011/9/30(金) 午前 10:46 [ yrc*77*001*0*1 ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事