原典聖書研究

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中性名詞の変化

中性名詞の変化 

ギリシャ語の名詞には男性、女性、中性がある事を見てきました。今日は中性名詞の変化をご紹介します。

中性名詞の変化はは下記の通りです。参考のために男性変化と女性変化も記します。

男性名詞      女性名詞         ★中性名詞
(第二変化)    (第一変化)      (第二変化)
単数 意味     (最後η)  (最後α)
主格(は)οs(オス)   η (エー)    α (アー)   ον (オン)
属格(の)ου(ウウ)   ηs(エース )   αs(アス)  ου (ウウ)
与格(に)ω (オー)   η (エー)    α (アー)   ω (オー) 
対格(を)ον(オン)   ην(エーン )   αν(アン)   ον (オン)
呼格(よ)ε (エ )   η (エー)    α (アー)   ον (オン)

複数
主格(が)οι (オイ)   αι(アイ)    同左     α (ア)  
属格(の)ων (オーン ) ων (オーン)   〃     ων (オーン) 
与格(へ)οιs(オイス ) αιs(アイス)   〃       οιs(オイス) 
対格(を)ουs(ウウス ) αs (アス)   〃      α (ア) 
呼格(よ)οι (オイ)   αι (アイ)    〃      α (ア)  

 ★中性名詞で良く使われるものには δωρον(賜物)がありの変化は次の通りです。

格変化のうち呼格はコイネーグリークでは頻度が少ないので省略します。

(賜物は新約聖書に134回)
数格  ギリシャ語 発 音   意味    記 号 
単数
主格  δωρον ドオロン  賜物が   nom  s
属格  δωρου ドオルウ  賜物の   gen  s
与格  δωρω  ドオロオー 賜物に   dat  s
対格  δωρον ドオロン  賜物を   acc  s
複数
主格  δωρα  ドオラア  賜物が   nom  pl
属格  δωρων ドオロオーン賜物の   gen  pl
与格  δωροιsドオロイス 賜物に   dat  pl
対格  δωρα  ドオラア  賜物を   acc pl

 ★中性名詞で同じように変化するのは以下の通りです。

それぞれの名詞の変化の全てを毎日1回以上書き出すと自然に覚えられます。
さらに声にだして言うと良いかと思います。

意味   ギリシャ語      発  音    新約聖書使用回数 
業    εργον      エルゴン     176回 
子供   τεκνον     テクノン      99回 
顔    προσωπον    プロソーポン    78回 
福音   ευαγγελιον   エウアンゲリオン  77回
神殿   ιερον      ヒエロン      71回  
安息日  σαββατον    サァバァトン    68回
服    ιματιον    ヒマテイオン    61回 

  ★次の長いギリシャ語文を日本語に翻訳してみましょう。

Пαυροs γραφει ευαγγελιον γραφη.


ανθρωποι γινωσκουσιν θεον.θεοs 


λυει αμαρτιαν.γινωσκουσιν δωρα,


λεγουσιν λογουs αληθειων. 



 ★上記の回答例 上の行からギリシヤ語、品詞、意味、文法 訳                   

 

Пαυροs γραφει ευαγγελιον γραφη.
固有名詞   規則動詞   中性名詞       女性名詞 
パウロ    書く     福音         書物    
主格単数   三人称単数  対格単数       与格単数   
パウロは   彼は書いた  福音を        書物に .

ανθρωποι   γινωσκουσιν θεον. 
男性名詞       規則動詞        男性名詞 
 人          知る          神       
主格複数       三人称複数       対格単数   
 人々は        彼らは知る       神を   

θεοs   λυει   αμαρτιαν.  γινωσκουσιν δωρα ,
男性名詞 規則動詞  女性名詞    規則動詞  中性名詞
 神    解く    罪       知る     賜物 
主格単数 三人称単数 対格単数   三人称複数  対格複数  
 神は   彼は解く  罪を   彼らは知る    賜物を 

λεγουσιν λογουs αληθειων.              
規則動詞     男性名詞   女性名詞      
言う       言葉     真理   
三人称複数    対格複数   属格複数 
彼らは言う    言葉を    真理の

翻訳例                                 パウロは福音を聖書に記したので人類は神を知った。
神が罪を赦されたので人々は神の賜物を知り、真理の言葉を語った。

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翻訳はほんまに難しいです!
意味が通じるように、つなげられないです。原文を読んで脳裏に絵が浮かんだのは、パウロが聖書に福音を記すところだけでした。トホホ。

2008/5/6(火) 午前 0:07 [ hiromi2008 ] 返信する

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ほんまにそうでんなあ! 「その原因は辞書にあり!」と言うのが私の結論です。聖書原典を読み始めて20年程は辞書を信用せず...と言っても辞書の意味では文脈が通じ無いので.....仕方なくコンコルダンスで同語の全聖書中の用例を列挙分析し中心語彙を編集し直しました。その結果判明したことは「辞書の語彙の順序と聖書の用例の頻度にかなりのずれがある。」と言うことです。だからいくら辞書を調べて訳語を羅列しても文脈における関連が視覚的に認識しにくいと言うのが私の見解です。勿論「殆どの方と見解の相違が発生する」と言う問題が新たに生じる結果を惹起しているかと思います。以下参照!
http://bible.co.jp/bible/nt/word.htm

2008/5/6(火) 午前 9:07 [ 油食林間 ] 返信する

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私家版のコンコルダンス、しかと拝見いたしました。すごいです。μαρτυρέωを(目撃証言としての)証しと訳すと意味がよくわかりますね!

「原因は辞書にあり!」私は初学者の分際ですが、実は同じことを考えることがあります。特に語彙の順序は???です!だったら最初に持ってこないでほしいわ〜〜〜と思いながら、結局自分で推量しなければならなかったりして、そのときは自分の日本語力・語彙のなさを思い知らされるのですが。

2008/5/6(火) 午後 6:34 [ hiromi2008 ] 返信する

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私も初学者です。それでもこの程度の事は文脈を見れば自明の事かと存じます。大量の不適切の中で一番問題なのはキリスト教の基本用語の誤訳です。πιστευωは信仰するではなく与格を取ることからわかるように「〜に信頼する」であるべきです。 またαληθειαは真理ではなく真実が正しい意味です。使用頻度の多い重要語句に的外れな訳語を提供されては聖書翻訳がまともに成るはずが無いと言うことは自明です。これが世界の最高の学問的権威の実態かと思います。

2008/5/6(火) 午後 9:58 [ 油食林間 ] 返信する

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なるほど・・。聖書用の辞書を私は持っていないのですが、そういうことなのですね。

2008/5/7(水) 午前 0:53 [ hiromi2008 ] 返信する

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私は普段一般向けのL&Sを使っていますが、そこにも御丁寧にもわざわざ間違った用法を特記してあります。上記πιστευωの項目(Intermediate,p.641,)を見ていただくと第一語彙にはtrust, となっているのですがその次が問題です。put faith,belive on or in God,NTとしています。そして新約聖書用の辞書として最も権威あるBauer'sのG-E Lexicon of the NTの同項目もやはりbeliveをπιστευωの訳語をことさらに指定しています。もし誰かが、それ以外の訳語を適用しようとするとこれらの権威を否定するか、あるいは間違いと分かっていてもそれに服従するかの二者択一を迫られます。労多くして評価される見込のない前者を選択するのは大変な上、徒労に終わること自明です。どうしてこんなことになってしまったのでしょうね?

2008/5/7(水) 午前 9:54 [ 油食林間 ] 返信する

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昨夜、ちょうどπιστεύωを改めて辞書で引いていたところです!
Intermediateではなくて重たい枕みたいなのです。それによると、trust, put faith in, rely on a person, thing, or statementとあります。これは良いとして。その手前の記述に、plpf.πεπιστεύκειν ACT.AP 14.23とあるのです。これは、acts of the apostles ad locumの略=使徒たちの行為、ということになりますよね!この書き方だと、この場合は信仰した(過去完了形)と訳したくなりますね

2008/5/8(木) 午前 0:45 [ hiromi2008 ] 返信する

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あの枕みたいなのもお持ちでしたか。わたしの(1953)とは版が違うでしょうが記述は同じでした。あの聖書箇所ACT.AP 14.23を会話風に訳すると「選挙した、彼らの教会毎に長老らを。祈った、断食して。彼らは向かって置いた、彼らを主に。 この方(主)に 彼らが信頼していた。」で良いかと思います。続く引用の訳語にも「belive」と指定しているのも問題ですね。1408の冒頭にも Act.Ap.9.24:abs.;belive,

2008/5/8(木) 午前 6:42 [ 油食林間 ] 返信する

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Πράξεις των Αποστόλωνを持っていないのですが、辞書の文脈だけ見て信仰という言葉と結び付けてしまいました。その箇所をせめて日本語で読んで確かめないとダメですね。反省しております。
私の枕は1966だと思います。また辞書の使い方もよくわかっていないのです。

2008/5/8(木) 午後 11:15 [ hiromi2008 ] 返信する

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「Πράξεις των Αποστόλων」は新約聖書の使徒の働き(英略語=act又はAct of Ap)です。原典はウエブに幾種類かアップされています。 一番いいのはhttp://www-users.cs.york.ac.uk/~fisher/gnt/chapters.html
のActの所の14章23節に在ります。コピペが出来ませんがスクリーンのハードコピーで画像処理すると画像として利用可能です。また、http://www-user.uni-bremen.de/~wie/GNT/books.htmlのサイトは気息符などがありませんがワードにならコピペ可能です。

2008/5/9(金) 午前 5:56 [ 油食林間 ] 返信する

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ご教授ありがとうございます。基本形や活用が出てくるのがうれしいです。

2008/5/9(金) 午後 7:18 [ hiromi2008 ] 返信する

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本当に便利な時代になりましたね。でも〜 こんなのに頼っているといつまでたっても〜 実力が???
余計なものを教えちゃったかな? 笑い!! でも親しめばいつかすらすら読める事違いなしです。

2008/5/9(金) 午後 7:47 [ 油食林間 ] 返信する

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名詞を辞書で引くしかたについて、アドバイスいただきたいのですが、
例えば複数与格の形から、辞書でその単語を見つけるとき、どうするのが最もいいでしょうか?
きのう en ouresi という言葉について、ouresin を引こうとしたら、どうしても見つけられませんでした。
何かの複数与格でしょうが、
文法書の変化表で複数与格が esi になってるものを探して、そこから辞書を調べたのですが、うまく見つけられませんでした。

これからもこういうことが起こると思うと、不安でいられません。
どうかアドバイスください。

2009/1/27(火) 午後 0:40 [ ダクセルくん ] 返信する

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dakuserukun様 それもしかして原形は oura じゃ無いですか「小便(する)」ですね!! 一体なに読んでおられるんですか?

多くの場合「餓鬼ども」程度の意味ですよ!!
なれるしか無いと思いますよ!!

2009/1/27(火) 午後 2:04 [ 油食林間 ] 返信する

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ouresi は小便でしたか!
辞書の例文を読んでみたのです。
いつもは読まないのですが。(読む気になれるほど単語力がないから。ただ例文の中の与格とか格形だけ気をつけて見て印をつけています。)
辞書の例文というのは、主として簡単な単語を使ってるものですか?

2009/1/27(火) 午後 7:41 [ ダクセルくん ] 返信する

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