原典聖書研究

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ボランテイアは財布

ボランテイアは財布

 今日は中性名詞を一週間かかって覚える最後の日になりました。明日は、男性名詞、女性名詞、中性名詞を合わせた活用の形容詞の変化です。

 さて、今日は中性名詞の珍しい言葉をご紹介させて頂きます。それは、

βαλαντιον(バランテイオン)と言う言葉です。これは袋ものとかポーチと言う意味ですが、コイネーグリークでは「財布」として使われる言葉です。 新約聖書ではルカの福音書に4回使われています。 

(10章4節、12章33節、22章35、36節)

  10章では12弟子が伝道旅行に持参が禁じられた財布です。 12章では天に造る財布を指し、22章では10章の事の引用です。 

  この言葉の意味はおそらく投げ込むと言う言葉=βαλλωから派生した中性名詞だと思われます。

 そして、この言葉が英語のボランテイア=Volunteer=志願者や寄付を表す言葉になっています。

 綴りが随分と違いますが ギリシャ語の βは普通Vに転化し、α=O に転化する場合が多いのです。この語の、成り立ちは定かでありませんが、おそらくギリシャ語→ラテン語→フランス語やドイツ語→を複雑に経由して英語になったものと思われます。

  あの巨大なOEDを見てみると、宗教改革直後からフランスやドイツ語で使われはじめた言葉で少し遅れて1581年に最も古い英語での用例が記されています。
  おそらく十字軍の略奪でヨーロッパにもたらされたギリシャ語の原典を学びはじめたヨーロッパのフマニスト達が、聖書原典に使われている翻訳しにくいβαλαντιον(サイフ)に適当な言葉が自分達の国の言葉に見つけられず、原典の言葉の発音をそのまま自分達の国の言葉に音写して使いはじめ、いくつかの国で同時多発的に使いはじめたものなのでしょう。

そして、この自分でサイフを持って任意でなされる善意の行為が日本で最初に使われたのは1964年の新潟地震でした。新潟県が翌年に編纂出版した「新潟地震の記録」に頻繁に「任意奉仕者」として登場します。 そして、あの神戸の震災以来すっかり、ボランテイアとして日本語に定着してしまいました。

という事で今日は英語のボランテイアの語源はフランス語を経由してギリシャ語でサイフと言う言葉に行き着き、そのギリシャ語の意味は、「自費=自分のサイフから費用を賄い任意で自主的に行う働きの意」であるという事のご紹介でした。

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[Middle English, from Latin voluntārius, from voluntās, choice, from velle, vol-, to wish; see wel-1 in Indo-European roots.]
私ももう少し、調べてみます。

2008/6/20(金) 午前 6:06 [ exw*08 ] 返信する

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βούλομαι, βουλήσομαι = to want. Compare Latin volo, English "voluntary."

2008/7/7(月) 午前 5:14 [ ときわよこちょう ] 返信する

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