原典聖書研究

ギリシャ語はギリシャ語の書庫や聖書関連記事は「無題」の書庫です。

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ギリシャ語の話し

ギリシャ語の話し

  ギリシャ語でも聖書を読みはじめてあれこれ三十数年が過ぎました。無我夢中で取り組んだメイチエンのギリシャ語初級文法書、そして進んだ原典講読、さらに原典釈義や本文批評を終えて教会で説教をする様になりました。

  牧師に成り立ての頃は、一週間に一節ずつ取り上げてそこに登場する全単語をコンコルダンスを引いて全聖書中の用例を精査し、その一節から丈で礼拝で説教していました。こんな事を15年程続けました。 徐々にペースをあげやがて段落毎になり、そして章毎になり新約聖書の全巻の説教を終えてしまいました。

  私の人生の目標の一つは「聖書全巻からの説教完遂」ですから、最近は旧約聖書ばかりになり毎週5章程をギリシャ語の70人訳とそれに並行したヘブル語の原典を読んで説教に臨む様にしています。

  こんな風に古代の言葉を読み続けていて、最近特に感じるのは最初に学んだ「初級文法とは一体何だったのだろうか?」と言う素朴な疑問です。

  確かに私が学んだ「メイチエンのギリシャ語初級文法」は英語を話す人々が理解したギリシャ語の文法では有りますが、私達のような「日本語を話す人に取って全く無用な物では無かったのか」という思いが強くなってきているのです。

  幾度かご紹介しましたがギリシャ語には品詞という概念はありません。その点はむしろ日本語にそっくりです。また時制も英語とはかなり異なった概念でギリシャ語に時制は無いと言った方が順当でしょう。

  ギリシャ語に登場する最も一般的な過去形であるアオリスト=不定過去形はその語の通り、過去にも、現在にも、また未来の行為に対しても用いられるから不定過去形と言うわけなのです。

この点も日本語に大変良く似ているのでは無いでしょうか。「私が作る」あるいは「私が作った」という表現は、現在にも、未来にも使え、また、時には過去の行為も含みます。日本語には基本的に英語で言う「時制」などという概念はないからです。そして、これは全く同様にギリシャ語にも当てはまるのです。

そして、日本語には文型などという物はありません。そしてギリシャ語も全く同様なのです。勿論、定型句というものがありますがこれは決して文型ではありません。

以上の事からお分かりの様に、ギリシャ語には品詞も時制も文型も無いと言う事なのです。特に聖書を記す為に用いられているコイーネギリシャ語は会話専用ですから尚更です。こんな古代の会話専用の言葉であるコイネーギリシャ語を現在の英語の記述文法に当てはめて理解したり教育するのは了見違いで全くの徒労です。

  にも関わらず、多くの神学校や大学ではギリシャ語を英語圏の人々が理解し易く分析した英文法に当てはめて解説しています。ギリシャ語を英語の品詞に当てはめて分類して辞書に収録する事は間違いなのでは無いでしょうか。全く語順や文型の無いギリシャ語を構文(文型)に分類して分析研究するのが最近の流行りです。一体それに何の意味が在るのでしょうか? その上に、ギリシャ語の特質である行為の種別を表すテンスを英語の時制に無理矢理当てはめて厖大な活用変化に全勢力を費やして学習し、それでギリシャ語を理解する方法は初心者には混乱をもたらす丈で、愚かしい徒労だと言う事なのです。

そして、これは同じ会話専用であった古代のヘブル語の学習方法や学びにも同様に当てはまります。

  まあ日本語を品詞に分類し、日本語の語形や構文を分析し、そして、日本語を時制の概念で活用変化を纏めてこれを、小さな子供に小学校などで国語の時間に教えたら一体どんな日本人が育つか考えて見るとよいでしょう。

  確実に多くの子供達は日本語嫌いになり、いちいち文法を考えている真面目な子供程、日本語を全く話せなくなることでしょう。その事を思うと、現在世界で普遍的になされている英語を介したギリシャ語教育の愚かしさの程度が誰にでも認識できるのでは無いでしょうか。

だから、初めからこんな無駄な学習方法は唾棄して幼子の様に、あるがままのギリシャ語を耳から聞き、目で見て、口に出し、手で書き出して、親しむなら誰でも、無学なペテロやヨハネ達が自由に操れた簡単なギリシャ語を一番効率的に習得できると言う事なのです。

と言う事で、今日は「世界一簡単な言葉ギリシャ語が何故世界一難しい言語と誤解されているか」という構造的原因のご紹介でした。

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閉じる コメント(7)

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本当に基本からしっかりと理解なさった方のお言葉は重みがありますね。
恐らく仰られる通りだと思います。
是非一番簡単なギリシャ語の習得方法をご伝授願います。

2008/1/21(月) 午前 2:45 ☆シュミット☆ 返信する

たいへん勉強になりました。
たしかにそうですね。
イエス・キリストもコイーネギリシャ語で
しゃべり、口述で布教したのですから。ε~~3♪〜

2008/1/21(月) 午前 8:58 maz*cin*ou*e*es 返信する

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シュミット様 コメントを有り難うございます。所でもっぱらの私の関心はギリシャ語では無くシュミントカセグレン(セレストロンC8)の光軸補正ナノです。そちらのご伝授をまず頂ければ熱烈感謝なのですが? その後にであればいくらでもギリシャ語の方はおまかせください。星座の背景に在る「ギリシャ神話の学習のお役立ち」程度にはなれるかとおもいます。

2008/1/21(月) 午前 11:13 [ 油食林間 ] 返信する

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優良中年様コメント感謝です。コイネーギリシャ語簡単だから広まったのだと思います。その意味で日本語はあまり国際語には向かないのでしょうね。イエスのコイネーについては前にかいておいたのがあります、です! ! http://blogs.yahoo.co.jp/semidalion/27921664.html

2008/1/21(月) 午後 0:43 [ 油食林間 ] 返信する

実際、イエス・キリストの生きた時代は
ユダヤ人はアラム語をしゃべっていたと
は聞きましたがコイネーギリシャ語とは
ほとんど同じ言語になるのでしょうか。

2008/1/21(月) 午後 5:28 maz*cin*ou*e*es 返信する

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難しいご質問ですね!地中海世界支配する国が幾度も入れ変わります。BC700年頃ころからまずアラム語(シリヤ語=メドペルシャ)が支配し次いでアレキサンダー大王によってコイネーギリシャ語が支配し、そして800年頃からまたアラム語(シリヤ語=東西カリフ)が支配民族の言葉として入れ代わります。その間の一語だけの例を上げますと、ヘブル語の(手で持つ)竪琴=手琴のキノールがアラム語のキトリームになりギリシャ語ではキタラとなりまたこれがシリヤ語を経てヨーロッパのギターとなったと言われています。かなりややこしいのです。

2008/1/21(月) 午後 10:49 [ 油食林間 ] 返信する

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上に続く・ですからかなり違う言葉ですが似ている部分もありと言う事です。ヘブル語とアラム語は良く似ています。ギリシャ語とアラム語は違う言語ですが70人訳のギリシャ語と旧約聖書のヘブル語やアラム語の部分と比べると語順はほぼ同じ順番です。なんとも言えません。

2008/1/21(月) 午後 11:03 [ 油食林間 ] 返信する

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