原典聖書研究

ギリシャ語はギリシャ語の書庫や聖書関連記事は「無題」の書庫です。

全体表示

[ リスト ]

破壊的聖書批評学の目的

 先日、このブロクにいわゆるJEDP文書資料説を信奉しておられるかたのコメントがありました。結構この問題の本質を神学や聖書学の神髄と誤解している方がありますので、此処にそれらの破壊的批評学の真の目的を簡単にご紹介しておきます。

 この破壊的聖書批評学は「聖書を歴史的に検証する。」と言うのが宣伝文句となっています。その「歴史的に検証する」と言う事を彼等自身に当てはめてみると事の本質が理解できるかと思うのです。

  まずこの「JEDP文書資料説」を歴史的に検証してみましょう。

 これらは18から19世紀に生きた牧師になり損ねたヘーゲルに端緒を発するドイツ観念論の聖書学への適用です。これらが自然科学に当てはめられたものが進化論、更に社会学に当てはめられたものがマルスクレーニンによる社会主義思想です。お分かりの様にこれらはいずれも行き詰まってしまいました。 進化論は現在はキヤタストロフイック「=激変論=地球外天体と地球との遭遇による激変」による生態系の変化の評価に直面し、過去の斎一論(隕石や彗星衝突の証拠が地上に無い)と言う学説が1990年代に始まったチクシュルーブクレーターを初めとする超巨大衝突痕跡の発見により、根底から見直しを迫られています。

 社会学も共産主義は最も進んだ物々交換に始まる人間社会の究極の理想どころか最悪の経済システムとして破綻してしまいました。そしてこの思想で唯一幅を効かしているのがヴェルハウゼンに始まったJEDP文書資料説に見られる宗教学的進化論(素朴なアニミズムが進化し、中央聖所が出現し、最終的にヒエラルキーの発達した祭司階級が出現するように進化する。」という観念的信仰理解なのです。

  以上のご説明によって、これらの破壊的聖書批評学に対して、反論する事自体がお粗末であることがお分かり頂けたかとおもいます。 

 さて、今日皆様にこの問題を取り上げて見たのは、それらの表象的な破壊的聖書批評学の批判をするためではありません。

最初に申しましたように、「破壊的聖書批評学の真の目的」をご紹介すると言うことなのです。

それは、この批評学が始まった当初の時代背景を歴史的に考証すること..皮肉なことにこの方法が破壊的聖書批評学の方法論なのですが、これを「破壊的聖書批評学自身に当てはめてみる。」とことは単純明解になると言うことなのです。

事の始まりは一人の人間でした。ユリウス・ヴェルハウゼンなんて言うお名前は大抵の方はご存じ無いかとおもいますが、要するにこの破壊的聖書批評学の教祖様と言うことで良いかと思います。

 お名前から分かるように20世紀初頭にドイツの名門ゲッチンゲン大学で教鞭を取った旧約聖書学者です。

さて、大学の教授は一体何で生計を建てているかはご存じでしょうか。大学のお給金、そして講演料、更に出版する本の印税です。そしてこの当時のドイツは第一次世界大戦前で中東全域を支配していた同盟国のオスマントルコと大変良い関係に有りました。しかし勃発した第一次世界大戦で連合国に敗北してしまいました。

それまでドイツの大学は友好関係にあったオスマントルコ帝国の広大な領土にある中近東に学術調査隊を派遣して、様々な文献や、遺跡を発掘しそれらを祖国に持ち帰り、或るものはオークションで現金に換え、また或るものは国威高揚のために博物館に納入されていました。そして意味不明の文書やオストラカはドイツの諸大学..ほとんどは国教であるルター派の神学大学に持ち込まれ、そこで解読され、翻訳出版し大学の教授を初め学的権威によって優秀な学生を世界から集め隆盛を究めていました。しかし、中東の支配権を振興英国に奪われドイツの大学は貴重な収入源となっていた中東の考古学的文物を入手出来なくなってしまったのです。

  これはドイツの大学やその経営者達にとって死活問題でありました。そして教授達も本を出版して設けることが出来なくなり、大学から支給される僅かなお給金以外に収入は無くなり生活が苦しくなってしまったのです。

 どうしたら、「考古学的調査無しに本を書きそれが売れるか?」というのが当時のドイツの聖書学者たちの根本命題でした。 

それを解決したのがスーバースターのヴェルハンゼン教授だったのです。彼は手元にある聖書のテキストを適当なキーワードであるJEDPと言う単語で勝手に聖書を分解して新奇な学説を吹聴しました。そして、戦勝国である連合軍側の敵英国の大学であるオックスフオードやケンブリッジを初めとする諸大学の教授たちが入手するパレスチナの考古学てき発見を、無力化し、自分たちの権威を維持し、なお金儲けが出来る方便を発明したのです。

それがこの、破壊的聖書批評学の発端です。だから実際には時代考証、あるいは考古学的と言う見せかけとは裏腹に、一切の考古学的な発掘や検証を経ずしてこの学説は構築され、まさしく観念的な人間の思い込みや想像に基づいて聖書をセンセーショナルに分解し、既成の神学者が批判に対抗する為に上手に本を買わせて儲けるという神学版錬金術の暴挙だったのです。

  さて、この問題がドイツ一国丈の問題であればさほど影響は広がらなかったのですが。中東を支配していた英国も徐々に中近東の支配権を喪失し、皮肉にもドイツが経験した轍が巡ってきたのです。

  多大な犠牲によって連合国が入手した中東の支配権は瞬く間に、中東諸国に民族主義が台頭します。その結果いくら、謀略を駆使しても、中東からじわじわと締め出されて行きました。最終的には、第二次世界大戦によって英米はドイツ同様にすっかり中東の権益を喪失してしまったのです。その回復の為になされているのが現代のイラクやアフガンへの再侵略と言うことです。

 その様な時代の流れの中で、第一次世界大戦の戦勝国の英米の諸大学は折角ドイツの諸大学から奪い取った豊富な考古学的資料の入手権を瞬く間に失う悲哀を嘗める結果となったのです。

豊富な考古学資料をネタに、ドイツの観念論を否定していた保守的な事で知られた英米の神学者たちも、たちまちドイツの神学者と同じ問題=考古学的な資料が入手出来ないので本が書けず収入が無くなると言う死活問題を抱えるに至ったのです。

  しかし、彼らにはありがたいことにドイツの学者たちが作りあげた破壊的聖書批評学がありました。これさえ導入すれば、考古学的資料が無くとも次から次へと斬新な新説が作れ、その新説が破壊的で既成概念を打ち壊す可能性が高ければ高いほど、それだけ書いた本が良く売れるという希望がありました。そして第一次大戦後、中東の権益の喪失にしたがって瞬く間に英国、そして米国の諸大学はこの観念論的聖書批評学の採用に踏み切って行ったのです。

  あの20世紀初頭におきたプリンストン大学の自由主義神学の嵐の背景には背に腹は代えられない経済事情があったのです。今まで英米の伝統的保守派の人々には残念ながら多くの若い神学者達に生活を支えるだけの出版物を維持する事は出来ませんでした。その結果ハーバード、プリストン、エール、と言った保守派の牙城であった名門大学の神学部の実権は瞬く間に自由主義と呼ばれる観念的聖書学派に席巻されてしまいました そしてそれに遅れて日本の東京神学大学や青山、同志社と言った多くのアジアのミッション立の神学部を持つ諸大学にこの流れは波及して行ったのです。

だからこの学派は豊かな生活の原資となる本を売る為に新奇な学説を次から次へと創出し、収入源の枯渇を回避しているにすぎないのです。冒険家が冒険をやめると生活できなくなるので危険を承知で新たな冒険に挑むのと次元は全く同じ事なのです。
 
  もうここまで書けば、事の真相はお分かりでしょう。破壊的聖書批評学は初めから、聖書研究や真理探求が目的ではないのです。新奇な学説を吹聴して、地道な実地調査を省いて、手軽に新学説を構築し、「自分の本を売らんかな」という学者たちの錬金術の秘策と言うことなのです。

そして、彼らの商売の片棒を担いでいるのが保守的な神学大学の学者達です。彼らの急進的でセンセーショナルな攻撃によって自分達が記した退屈な保守的な神学書も売れ行きが伸びるといううま味を知ってしまったからなのです。

  まあ言うならば、批評学派も現代版の北王国アハブ王の時代にバアルに仕えた400人の預言者達と言うことができるでしょう。一部を除いて、彼らの殆どは信念など毛頭無く、自分の収入と出世の為になら、いとも簡単に主義主張を変える強欲なご都合主義者にすぎないのです。 ゛

  その証拠に、この学派の書物はいずれもページ数のわりに価格が高く設定されています。中身ではなく見かけが立派です。そしてその本を書いている人たちも肩書が立派です。しかし、肝心の本の中身はお粗末ナノです。

 こんな、似非学者の言うことを真に受けて、肩書や地位に見る目を幻惑させられ、その主義主張に翻弄され高価な著書を買わされるのは愚の骨頂です。

  誰もこんなお粗末な本を買わなければ忽ち、彼らは生活に困窮し、大学の教授の本来の職務に戻ることでしょう。真剣に地道な考古学的発見にショベルを握り炎天下に肉体労働に従事し汗を流し、古文書の解読に勤しむ事でしょう。

こんないい加減な見え見えの商業主義の神学書を買う人間がいなくなりさえすれば、間違った方向に進んでいる神学等の学問も、本道である歴史的な考証をへた健全な学門への回帰が進むこと間違いなしです。そして心ある者達が心を合わせて、そう祈り続けたいものです。

この記事に

閉じる コメント(20)

顔アイコン

彼らはイエス様に繋がる者としての自覚を忘れ、神様の賜物が何で有ったのかを忘れています。
もし、今イエス様が来られたなら、私はあなた方を知らないと言われるでしょうね。正しい学問はとても大切ですが、もっと大切なことがあることを、思い出してほしいです。

2008/2/20(水) 午前 3:49 Yhoshuah 返信する

顔アイコン

これは面白い、滅茶苦茶面白い。僕はあなたがヴェルハウゼン学説を知らないで発言していると思ってました。まことに失礼しました。しかし知っているのならあなたのしていることは確信犯ということで悪質な言動ということになりますよ。

2008/2/20(水) 午前 8:06 ure*ruh**oshi 返信する

顔アイコン

ところでお聞きしたいことがあります。聖書学の話ではなく聖書とイエスとの関係です。
イエスは律法学者に聖書の教えの中で何が一番大切かと問われたとき「心をつくし・・」と答えました。
聖書には豚肉を食うなとはっきりかかれていますが、彼は無視です。
食べ物が人を汚すのではなく・・
イエス自身が恣意的な聖書解釈をしています。
ラビ・ヒレルも聖書妄信をしていません。
マタイ福音書の中で「あなたがたが聞いてきたことは・・・、しかし私は言う・・・・」
失礼ながらあなたに欠けているのは「聖書は・・・・という、しかし私は・・・・」がないのですよ。つまり自分の頭で考えていないのです。
孔子の言葉の中に「学びて思わざるは暗し、思いて学ばざるは危し」という言葉がありますが、

2008/2/20(水) 午前 8:17 ure*ruh**oshi 返信する

顔アイコン

あなたの説を裏付ける聖書学者がいますか?
逆に聖書がどうであろうが真理はこうだというオリジナルはありますか。
聖書学にはいわゆる通説っていうのがあるでしょう。通説をふまえて発言しているのですかね。

2008/2/20(水) 午前 8:22 ure*ruh**oshi 返信する

顔アイコン

悪意を持って人を陥れようとするのは、やめましょう!!

2008/2/20(水) 午後 4:10 ジュリア 返信する

顔アイコン

↑これは、semidalionさんのブログ記事を攻撃する人への言葉で〜す!

2008/2/20(水) 午後 4:34 ジュリア 返信する

そうですね。いつの時代も宗教の大家は
お金が儲かって何ぼの宗教ですから。
イエス・キリストや釈尊の言ったことを
ほんとに理解しているのは宗教家じゃなく
この世界の本質を見抜いている唯物論者だと
思います。でもそういう方々は神の存在を
認めていますけどね。ε^^3♪〜

2008/2/20(水) 午後 10:43 maz*cin*ou*e*es 返信する

顔アイコン

流石は優良中年様ですね! 私もそう思います。そうそう先程帰宅し今ラブちゃんの夜の散歩を終えた所でこれから今日の投稿です。皆様沢山のコメント感謝します。12時を過ぎてからお返事させて頂きますね!!

2008/2/20(水) 午後 11:17 [ 油食林間 ] 返信する

顔アイコン

翻訳(聖書理解)というものが学説によってこれほどまでに異なってしまうとは・・・。とほほ。です。
そして独り(自分の頭と心)で聖書を読むということは異端になること必至の勇気のいる作業です。また、とほほ。です。

2008/2/20(水) 午後 11:18 [ - ] 返信する

顔アイコン

tenjinkoshi様 そんな事があったのですか。本当に本の出版がお金目的でなく神様の栄光の為になれれたら素晴らしいかと思います。でも東京の著名なOR牧師は他人の著作物を勝手に出版する事で有名です。本当に本に関しての情けないお話を良く耳にするのが残念です。励ましをありがとうございました。

2008/2/21(木) 午前 0:47 [ 油食林間 ] 返信する

顔アイコン

ヒロシ様も沢山のコメントを有り難うございました。確信犯と言うことですが悪いことをしているつもりは無いんですよ!! 笑い! 証拠ですがお手持ちの聖書批評学の巻末の参考文献リストをご覧になり、それらを取り寄せて、発行年代順に並べまた同時に版数を見られると、著者がいくら印税収入を得たかが分かります。日本の聖書関連文献はせいぜい1刷2000千部止まりですがヨーロッパは数万部単位で出版されます。著者に2〜3割が入りますから莫大な収入が合ったことが分かります。これらの本が印税目当てに出版されたと言う動かぬ立派な証拠だと思いますが!! 日本にもT大学を出てキリスト教系大学で造反して有名になり過激な本を出して儲けているTKなんて言う似非学者もその典型かと思います。

2008/2/21(木) 午前 0:57 [ 油食林間 ] 返信する

顔アイコン

JURIA様、応援有り難うございます。お風邪お大事にして下さいね!

2008/2/21(木) 午前 1:00 [ 油食林間 ] 返信する

顔アイコン

wasatchさま今晩は! 一人で聖書を読むのも大切ですが皆で一緒に読むと聖書が示す教えの多様性に驚きます。孤食が健康に悪影響する様に聖書の孤読も信仰生活に悪影響すると私は思います。誰かと一緒に聖書研究するのも大切ですよ!!

2008/2/21(木) 午前 1:08 [ 油食林間 ] 返信する

顔アイコン

Wikiから来ました。
JEDP文書資料説・四資料仮説・資料説といろいろ言われ方がありますが、それはもはや役に立たないものになっていることが、日本聖書協会が発行している聖書セミナーNo.13「創造と洪水」を読むとわかります。これは主流派と呼ばれるリベラル派が企画しているセミナーです。

2009/9/4(金) 午前 10:25 [ マッハ ] 返信する

顔アイコン

古いテーマをむし返してしまったらご容赦ください。当方UCCJ系教会の信者です。最近毎週創世記を聖書研究会で学習してます。マッハさんご教示のセミナー13番ではどんなことを言ってますか?購入すればよいのですが、中々... 著作権とかに触れるので難しいでしょうか。お手数お掛けします。

2010/12/9(木) 午前 10:41 [ gmi**23 ] 返信する

顔アイコン

こちらに書いていたのですね。気がつきませんでした。
今少し忙しいので、後で内容を簡単に紹介します。

2010/12/14(火) 午後 0:05 [ マッハ ] 返信する

顔アイコン

マッハ様、お返事ありがとうございます。実は、12/14午後に教文館で創造と洪水購入しました! 主日の聖書研究会がドンドン進む為、テーマが創世記の内にメンバーに説明しようと思いまして急ぎました。でも、お時間あればご教示下さると非常に助かります。テキスト中の「表」P11など の意味が良く分かりません。お願いいたします。

2010/12/15(水) 午後 1:04 [ gmi**23 ] 返信する

顔アイコン

自分の記事として簡単に書きました。
油食林間さま、お邪魔しました^^

2010/12/15(水) 午後 5:32 [ マッハ ] 返信する

顔アイコン

マッハ様のブログ内でご説明を頂きまして大変感謝しております。油食林間様のブログからつながりましたので、御礼申し上げます。

2010/12/16(木) 午前 10:35 [ gmi**23 ] 返信する

顔アイコン

http://www.j-world.com/usr/sakura/bible/index.htmlここを論駁願います。

2017/9/21(木) 午後 4:26 [ mit*mon*3 ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事