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●写真は、橋本夢道が昭和16年12月8日に作った
獄中句「大戦起るこの日のために獄をたまわる」 ◆◆☆★☆★☆★☆(^_-)v◆◆ 「こんばんは、毛利小平太です。 −霊談忠臣蔵−」 ◆◆★☆★☆★☆★☆★☆◆◆ 2016/12/08号 ◆「大戦起るこの日のために獄をたまわる」
昭和16年12月8日の橋本夢道の獄中句」◆ 1941年(昭和16年)、12月8日未明、日本軍は突然、米国ハワイ真珠湾の米国海軍基地を襲撃しました。太平洋戦争が始まったのです。大本営は、満州事変以来続いていた、一連の戦争に初めて「大東亜戦争」という名前を付けました。この日、巣鴨の東京拘置所の独房に収監されていた、月島の自由律俳人橋本夢道は、自分が治安維持法違反で逮捕され、いまこの獄にいる理由が「この日のため」だったことに気が付きます。
戦争は、ある日突然始まります。その時になって止めようとしても間に合いません。満州事変が始まったのは、1931年(昭和6年)です。そのころ、多くの作家、詩人、俳人たちが戦争に反対する作品を発表していましたが、反戦的な芸術家は次々、治安維持法違反で逮捕されてしまいました。1933年(昭和8年)には作家小林多喜二が築地署の特高に逮捕され、拷問死しました。反戦的な川柳を作っていた鶴彬が1937年(昭和12年)に逮捕され、翌年獄中で病死しています。
橋本夢道の場合は、1941年(昭和16年)2月に逮捕されました。いわゆる昭和俳句弾圧事件で、反戦的な俳句を作っていた40人もの俳人が逮捕されました。このような言論弾圧があって、世間にだれ一人として戦争に反対する人がいなくなったところで、12月8日のハワイ真珠湾なのです。「ついにアメリカと戦争だ。日本はカミカゼの力で必ず勝つ」と、なにも知らない子供たちは勝利を信じて戦争ごっこをして遊んでいました。
大人たちは、アメリカと戦争をして勝てるはずがない、と分かっていても、それを口には出せなかったのです。ことし、2月に上梓したわたしの小説、「こんばんは、毛利小平太です。−霊談忠臣蔵−」に登場する、千住宿の町医師池田玄鶴先生は「戦争は絶対にしてはならない。人を殺すことで解決する問題はなにもない」といいます。
●「こんばんは、毛利小平太です。−霊談忠臣蔵−」の表紙
人が人を殺す、それはどんな理由があろうと許されない。吉良邸に討ち入ろうとしている赤穂浪士に対しても、亡き殿さまの仇を討つという一見正しいことにように思えるけれど、吉良邸にいる吉良上野介義央の家臣たちまで殺すことは許されない。何の怨みもない人たちを殺すことは、仇討ちでなく、戦争であり、絶対に許されることではない。正義の戦争、聖戦はあり得ないというのです。
結果的に、毛利小平太は討ち入りに参加しないことを決心します。討ち入り4日前に大石内蔵助に脱盟を申し入れます。討ち入りなら、脱盟すればそれですむことですが、戦争の場合は、反対したら国賊となってしまいます。徴兵制度が実施されたら、逃げることはできません。さらに、空襲で一般市民までが犠牲になりました。
国民投票で、戦争を開始しますが賛成ですか、と問われて「賛成」という人はほとんどいないでしょう。だれもが「戦争は嫌だ」「二度と戦争はしないでほしい」というのです。しかし、現実には、自衛隊が南スーダンで「駆けつけ警護」をすることになる「安全保障関連法案」は与党の圧倒的な多数で可決されました。そして、いま国会では、現行の平和憲法を改定しようとして、憲法審査会が開かれています。「戦争をしない、戦力は持たない」と誓った現行憲法のどこが気に入らないのでしょうか。「戦争ができる」憲法にしたいのでしょうか。
300年間戦争をしなかった江戸時代から、明治になって、少しずつ、少しずつ、ゆっくりとゆっくりと戦争のできる国に変化し、そして1941年12月8日を迎えました。きょう、75年目の12月8日を迎え、わたしたちの国は、本当にこれでいいのでしょうか。黙っていたら、もう一度、同じ日を迎えることになるのでは、と心配しています。「3・11」には、原発に頼らない国にしようと誓ったのに、もう平気な顔で再稼働を許しています。さらに、「般若心経」を唱えながらカジノもいいじゃないか、と言い出す始末です。
◎ おやつはパンにオリーブ、七十五年目の十二月八日(駿星)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ …………………………………………………………………… ◆「こんばんは、毛利小平太です。−霊談忠臣蔵−」 殿岡駿星著・46判上製・360頁。 忠臣蔵、最後の脱盟者毛利小平太の言い分とは? 小平太「討ち入りせず」に真の武士道を見た。 ◇全国書店で発売中 定価 2000円(税別) 「勝どき書房」の直売申し込みはメールで syunsei777@yahoo.co.jp 郵便振替 00120-9- 538001 資)勝どき書房 …………………………………………………………………… 『橋本夢道物語 妻よおまえはなぜこんなに可愛いんだろうね』
殿岡駿星著・46判上製・424頁、口絵8頁、定価1900円・税別 激動の昭和を反骨の精神で生き抜いた自由律俳人橋本夢道の生涯 ◇全国の書店で発売・「月島・相田書店」に常備(0335312311) ……………………………………………………………………………… |
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