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若神子山・大反山(その2)


 10:42、<国見の広場>を離れる。

 やや急な木段を少しばかり下ると、奥武蔵で何処でも見られる杉木立の中に平らな道が続く。

 
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 10:49、若神子峠。
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 秩父鉄道のイベントのコースマークが貼られている。

 西、秩父鉄道「武州中川駅」方面から<憩いの広場>を経て来る道、東、浦山ダム方面への道が合流する。

 「秩父山歩」では<憩いの広場>を経て来るコースが紹介されている。

 此処から若神子山には登山地図にも国土地理院の地形図にも径が記されていない。

 <若みこ山>への導標が立木に掛けられている。
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 暫くは杉木立の中の踏跡以上に確りした径を行く。

 いよいよ「道なき尾根」に出合う、10:52。
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 左、杉林に入り込む径が見られる。
 「秩父山歩」に「・・・まき径を少し行くと、右上に赤い鳥居が見え隠れしてくる。」とあったのを想い出す。
 此処で捲き径を行くと判断し左に杉林の中を行く。

 人工の石垣が眼に付く。
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 コンクリート製の溜め舛の跡。
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 ガイドブックで紹介されている(旧)若神子集落の廃屋の跡だろう。

 此処で初めて地図を取り出す。
 間が抜けていた。
 地図には径が記されていないのであった。

 辿って来た径は若神子山への捲き径ではなく、さくら湖湖畔に降りる廃道だろう。

 引き返し、改めて「道なき尾根」に挑む。
 この間、ロスタイム約10分。

 登るにつれ、壊れかけた小屋が見えて来る。
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 中に赤い祠が佇む。

 この祠はガイドブックに紹介されていない。

 その先、踏跡が分かり難い。

 前方に赤い鳥居が眼に付く。

 幅広い溝を越え鳥居を目当てに石がゴロゴロとした斜面を登る。

 ガイドブックに「真新しい鳥居」と記されている鳥居だろう、建てたばかりのように見える。
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 若神子神社は本来此の場所に在ったと云う。
 
 先程眼にした廃村に住んだ人々の遠い遠い祖先が祀ったのであろうか!?

 神武天皇とどの様な縁で繋がるのであろうか?

 思うに、<若神子>=<磐余彦>とは<ワカタケル>に同根で、特定の個人を指す固有名詞ではなく、後世の<小太郎>に通じる普通名詞的な性格のものではなかろうか?

 磐余彦命を祀る神社として関東では栃木県の藤岡町に鎮座する大前神社が知られている。

 磐余彦命が神武天皇に結びつけられたのは「古事記」が編纂された以後のことで、本来は山の民が崇める<地主神>だったのではあるまいか!?

 そんな詮索に頭を悩ませている暇はない。
 目下は、若神子山登頂を果たすことに全力を尽くすべき。

 神社の背後、少しばかり踏跡らしきが乱れる。
 その先は、踏跡も消えるばかり。

 巨石が遮る。
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 中央やや左に確りしたスタンス・ホールドが得られるルートがとれそうに見える。
 だが、ガイドブックは「・・・尾根を行けばもろく危険な岩稜になる・・・」と記す。
 コースは右に張り出す幅広い棚になるようだ。

 棚を回り込む。
 人工が加えられたように感じられる、20〜30cm大の石ころが散乱する一寸した広場。

 左側、岩稜には手懸かり足懸かりが得られそうにない。

 広場を突っ切ると岩稜の立木に色褪せたテープが巻かれている。
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 左に直上。
 「立木や根っこに掴まりながらの苦闘」の始まり。
 だが、伊豆ヶ岳の東壁より易しい。

   (  こちらをご覧ください;


 ロープが張られている。
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 こんな所にロープは要らない。
 興を削がれること甚だしい。
 むしろ、跨ぐにしろ潜るにしろ余計な難儀を強いられ有り難迷惑だ。
 地元の遭難対策関係者が張ったものではなかろう。
 初心者を連れたグループが張ったに違いない。
 残置されて月日を経ているようだ。
 用が済んだら撤収して貰いたい。

 初心者が大挙訪れるハイキングコースの危険箇所にロープを張るのはやむを得なかろう。
 だが、伊豆ヶ岳の東壁にもロープが残置されていたが、初心者が近づかないルートにロープを残置するのは如何なものか?!

 チャレンジに来る登山者はそれなりの覚悟を決めている上級者であろう。
 逆に、覚悟が出来ていなければチャレンジに来るべきではない。

 地質学者が喜びそうな岩石標本?
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 ロープが途絶えても油断ならない急斜面が続く。
 この辺りの状況についてガイドブックの記述は雑で不親切だ!

 急斜面を登り切る。
 11:30,細長い平地を数メートル立木に粗末な山頂標識を見る。
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 地形図には山名も標高も記されていない。
 ガイドブックでは735mとされている。
 「秩父山歩」が642としているのは間違いだろう!
 杉林の中、展望は得られない。
 目標達成の充実感が湧いてくる。
 だが次の目標が控えている。

 そそくさと山頂を去る。

 2010年版「埼玉県の山」では此処から引き返すように案内されている。

 地形図には径が記されていないが、この先、細い尾根伝いに杉林の中、踏跡よりマシな平坦な径が伸びる。
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 少し下って大反山に向かって登り直し。
 人の気配が全くない静謐そのものの世界、深い杉林が続く。

 急斜面に出合う。左に捲き径が通じている。

 登山地図には若神子山と大反山の中間辺りに鳥居の記号が記され大反山に破線の径が記されている。

 1993年版の「埼玉県の山」では、若神子山として実際には大反山へ、武州中川駅方面からこの場所に登ってくるコースが紹介されている。
 また、ここから大反山を捲く径も破線で記されている。
 それには、この鳥居の記号の辺りを「小詞前広場」と記している。

 テープに導かれて足を運んでいたのに祠を見落とした。
 テープは山作業用もあるようで紛らわしい。

 尾根が広がり樹林が心持ち疎らになる。
 一面に朴の葉が敷き詰められている。
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 山の端を僅かに離れた陽が真っ正面から顔を射る。
 半眼に閉じて登高を続ける内に踏跡を見失う。
 慌てることはない。10cmでも5cmでも高く高くと目指していれば頂上に達する事に間違いない。

 11:55、傾斜が緩み、広い円頂に出る。
 <境界見出標>のマーク。
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 その立木の許に三角点が据えられている。
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 他に何もないが大反山の山頂(853.7)だ。

 今回の行程は南に更に進み少し登り直した送電鉄塔下まで。
 東に伸びる尾根に向かいたくなるが、磁石を確かめ南に進路変更。
 径はハッキリしている。
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 12:03、登山地図に<クタシノクビレ>と記された鞍部。
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 「小詞前広場」からの捲き径は此処に至る。
 送電鉄塔の巡視路になっているのだろう、人工の跡が残るハッキリした道になる。

 12:11、鉄塔下着。草地が広がる。
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 鉄塔巡視路はさらに杉林の中に続く。
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 矢岳への登山路は鉄塔の上に登り続けるのだろう。上方の立木にテープが見える。
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 大反山を振り返る。
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 北方に西上州の山々、榛名山、赤城山、日光連山などが展望される、とあるが大反山が邪魔だ。
 それらの眺めは此処まで来なくても浦山ダムの堤体の上からでも堪能出来る。
 
 東方、さくら湖の彼方は大持山か?
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 山の形が見慣れたものと異なるが、裏側から眺める故か?

 朝が遅かったツケを払わなければならない。
 景色を眺めるより腹拵えを急ぐ。

 インスタントのうどんを拵える湯をメタで沸かすのに手間取る。
 大した重量ではないからガスコンロを携えるべきだった。
 
 慌ただしい昼食休憩。


− 続く −

閉じる コメント(4)

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こんばんは、

道なき道(山)を行かれるとは、一味違いますね。
若神子山は、過去に事情のある山という事でしょうか。
参考になります。

2010/12/22(水) 午前 2:34 [ chichibu_hikingman ]

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初めまして
私も本を読み、興味を持ちましたが
道なき道のようなので躊躇してました
参考になりました

2010/12/22(水) 午前 5:50 くろゆり

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chichibu hikingman さま おはよう御座います。
ご訪問・コメント有り難う御座います。
若神子山は、過去に事情があったかどうか、資料に接しておりません。ロープの張られた急斜面の下のテラスに人工の跡を感じましたが、過去(戦時中など)一般人立入禁止になっていたのでしょうか?
廃屋の跡とか色々事情がありそうですね!
地元の古老からお話を聴いてみたいです。

2010/12/22(水) 午前 7:30 sen_nin

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くろゆり さま おはよう御座います。
ご訪問・コメント有り難う御座います。
参考になりましたようで有難く思います。
国道140から見上げると登りたくなる山ですね!
しだれ桜の頃、花見のついでに足を伸ばすのも一興かと・・・

2010/12/22(水) 午前 7:35 sen_nin


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