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竹橋の東京国立近代美術館で開催されている「アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌」
を観に行ってきました。
図らずも当日は午後2時から田中長徳氏の講演「チョートク ブレッソンを語る」がありましたので、こちらも拝聴してきました。13時半に美術館に到着したのですが、すでに150席ある講演の座席がほぼ満席ということで、写真展より先に講演会場に向かいました。
ブレッソンは数多くの「決定的瞬間」の傑作を残しましたが、それはブレッソンが写真を始めたころに出現したライカによる撮影技法によるところが大きいのですが、ブレッソンが使ったであろうハードウエア(カメラ、レンズ、ファインダー)の同型の実物とスライドを用いたウィットにとんだ解説で大変楽しめました。
また、会場に集合した聴衆持参のライカ密度も大変に高く、一般認識としてもブレッソンとライカは一体であるなあと感心しました。
私も以前はブラックペイントのM3に黒テープを張った35ミリファインダーを乗せてブレッソン仕様のライカコスプレを楽しんだことがあります。
ちなみに、これに35ミリの眼鏡付ズミルックスを付けると沢田教一仕様にもなります。
今回、ブレッソンの資料をあらためて見ると、M3に逆像ビドムを乗せてライカを構えるブレッソンの写真があり、急に逆像ビドムがほしくなっています。
写真展としては、パリのブレッソン財団に行っても見ることの出来ないであろう貴重なビンテージプリントの展示や、写真集などで有名な、「ジャミラになったジャコメッティ」、「鳩の首を絞めるマティス」や「覗きをするマリオ・ブラザース」(注:正式なタイトルではありません、そのように見える作品のこと)のオリジナルも堪能しました。
以前からのブレッソンに対する疑問としては、
1.ピエール・ガスマンという優秀な暗室技師にプリントを任せていたのは、本人がプリントが下手だからというのは本当か
2.スナップ写真でありながら完璧な構図であるのは、やらせではないのか
3.写真には50ミリレンズとは思えない画角のレンズがあるが何をつかっていたのか
などでした。
1.については今回本人のオリジナルプリントの展示がありましたので確認しましたがなかなか良いプリントでした。同じ作品のモダンプリントと比べると軟調な仕上げになっている様ですが、資料によるとブレッソン本人は中間調のトーンに重点を置いていたようです。また日本に来日したときには600本も撮影したということですし世界中を回っていたようなので、分業せざるをえなかったということではないかと思いました。
2.についは、晩年のブレッソンが自身の作品について語るビデオを会場で放映していましたが、「自分の人生は多くの偶然に助けられた」と語っていました。数々の歴史的な事件や、決定的な瞬間に立ち会えるのも才能ということなのかもしれません。
3.については田中長徳氏が作品の解説の中で語っていたことですが、時代考証的には3.5cmのエルマーであろうとのこと。また、逆に50ミリの見えるものでも、90ミリをつかって遠近感出しているものもあるとの事でした。
こういう良い作品を見てしまうと、プリミティブな構成のノンコートのレンズの使いこなしで十分であるなぁと、機材に走ってしまう自分にはよい警鐘になりました。
空前絶後の作品群の写真展ですので、会期中にもう一度行きたいと思っています。
http://www.momat.go.jp/Honkan/Henri_Cartier-Bresson/index.html
写真1:美術館の入り口
写真2:講演の様子
写真3:講演の様子、入場制限が出るほどの盛況でした
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はじめまして。オープニングに行ってきました。
被写体は本当に普通の町でその辺を歩いている市民だったりするのですが、なんてステキで特別な一瞬なんでしょう。
又今回調べて、彼がジャン・ルノワールという監督さんの助手をしていたことも知りました。
2007/7/10(火) 午後 3:45
Cartoucheさま
コメント、TBありがとうございました。
これだけのブレッソンの写真展を見に行けるのは生涯でもなかなか無いと思いますし、その中でもブレッソン本人のプリントが見れたのは収穫でした。
また、よろしくお願いします!
2007/7/11(水) 午後 7:21 [ セナ・ロッソ ]
ブログ見落としてました。
どうもありがとうございます。
このホールは安価に借りられるので、偽ライカ同盟とか路地裏学会で。なにかやりませう。
2007/9/21(金) 午後 10:11 [ aln*a ]