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私は岬の先端に立って
別にもういいって思って
見たかった景色だし
風は気持ちがいい
この場所はたまに私を谷の闇へと誘ってきたりするけど
何よりこの岬は
美しいんだ
そうしたらふといつも見ないような遠くにぼんやりと
大陸が見えた
ぼんやりとしかみえないそれは
なんだかきらきらしていて
進んでも谷底に落ちるしかない場所の私からしかみえないそれは
また
美しかった
谷底にしか見えなかった下の景色のなかに
小さな青いボートが現れて
私はゆっくりとその岬から降りる勇気を持ったんだ
私は知っている
ボートに乗ったら大陸よりも
美しい小さな命が沢山見える美しい海に近づけることを
なぜか知っている
命の記憶がそれを覚えている
私が生まれた時
私はそれを見たから
目指す大陸には降り立っても
想像する景色はないかもしれない
待っていると思ったあのひとも居ないかもしれない
でもそんなことは
わたしはもう
どうでもよくなっていた
最近オセンチにまぶたのシャッターを無性にきりたくなるのは
旅の終わりのようだねと誰かが言った
そうか私は旅をしていたんだ
大陸に想いを馳せるよりも
岬に立った自分を思う方がもっと寂しい
あの美しい岬を
私は肩を並べてその哀しい景色をあなたと見ていると思っていた
でもあなたはその私の立っていた岬そのものだったんだ
どの瞬間も生きている
だから忘れたくないと思った
記憶をこんなにもいとおしく そしてはかなく感じたことはない
あの時握った手もしがみついた肩も
今目の前にあるものと変わらないと思っていいですか
それは形を変えて現れただけ
わたしのなかのあなたは
ずっとここに留めてもいいですか
死ぬときに思い出してくれるかと私は何度も尋ねた
あきれたようにあなたはわらったんだ
当たり前だろうって
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