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20のときに
心休まる彼と結婚を考えていた私は
とんでもない男性に
はまってしまった、いつものごとく。
彼はひとつ上の洋服屋店員で
私はその横の雑貨屋で働いていた。
一目見たときから
正直衝動があった。
うう・・あれほしい・・・・。
でも彼はいつもギャル服屋のありえないぐらい細い手足の女の子達と談笑していて
10代のおめめぱっちりの彼女がいて
でもひょんなことからバンドがきっかけで
呑むことになった。
私達を引き合わせた男は
最初から嫌な予感がしてたという
最初の夜。
彼は
「かおりちゃんが、夢に出てきたんだ」
と酔って私に言った。
私達は夢でキスをしたと。(笑えるなーこのくだり)
まあ、そりゃ、私も好みのタイプだし。
私は正直な馬鹿女なので
彼氏に気になる人が出来たと、もう彼のことしか考えられないと
そう告げて
別れた。
彼は仕事中もよく照れた私をからかった。
「お前、意識しすぎだろ」
耳元でそういわれたら、私は赤面するしか手立てはなく
全面降伏。今考えれば彼も私に欲情しお互いにへんなの出していたんだけど
そんなのわかんない、当時の私はもう熱病のように彼しか見えなかった。
彼がやりたくなるというGUCCIの香水ラッシュ。
毎日その香りに自分でも酔ってしまうほど。
沢山彼のことを曲にした。
情熱だった、なんかエネルギーだった。
でも、彼女に飽き足らず彼は
私の縄張りにまで
自分が手をつけた女の子を連れてくるようになった。
その女の子は彼の親友の恋する相手。
女の勘だ、彼は隠したが、見え見えだった。
彼の親友も2人を怪しみ私に相談するようになっていた。
「俺、自分の親友疑ってしまってる自分最低だ」と自責の念を打ち明けられたが
正直あんたの親友はご期待通りあのコ喰ってるよとは言えなかった。
自分が惚れた男だったが
腹が立って仕方なかった。
偶然彼女と私と彼は3人で車で一緒になる機会があった。
私はたまっていたうっぷんを晴らすべく
彼女を先に下ろしてもらっていい?私話あるんだよね。
そう言った次の瞬間
彼女が泣きだした。
「嫌です、かおりさん、ごめんなさい、嫌です」
ため息と怒り。
彼は案の定私に怒った。
「おまえちょっと車から降りて話すぞ」
彼の言い分は今まで生きてきた中でも
最も無理がある男性的な言い分。
俺も困ってるんだ、あいつはもう病気みたいに俺しか見えないと、好きだと言うんだ、でも俺は親友の惚れた女に手は付けられない、お前といるときの俺が一番素なんだ、お前といると安心するんだ、何でお前それわからないんだ、お前は特別なんだ。
仕方なく私先に帰りました。
心は何回も彼に折れていた。
でも、すきだった。まだ信じていた。
それからすぐ後に彼と喧嘩になったとき
彼は腹を立てて私に怒鳴った。
「お前は俺の何なんだ!彼女顔するな!!」
限界は近づいていた。
彼は私に愛されて
なんだか急激に自信が増して
もうありえないフェロモンを
そのビル全体に撒き散らした。
呼ばれた飲み会に
私にはわかった。番号がふってあった。
1、まだ興味があるが同僚程度
2、好意を伝えてまだ関係はなし
3、関係を持った直後。ラブラブ。
4、関係を持ってもう行き詰まり、女がかなり不満
10人近くの女性が火花を散らしあう飲み会。
わたしはバンドという共通点もあり
なんかよくわからないがかまわれることもあまり無い分
他とは違う立ち位置にいた、だからすごく冷静に見れた。
傷ついていたのは車で泣かせた女の子。
彼女ももう彼の中で旬は過ぎていた、地獄にいるみたいな顔をしていた。
私は大分強くなっていた。
彼女が言った。
「かおりさん、なんでしょう、この飲み会。私もうわからないんです」
彼女から話を全部聞いたのはその夜。
彼は親友にも私にも彼女との関係を隠し
純情(わたしよりはかなり)な彼女には彼氏を作るなとまで言っているらしかった。
優しく聞いてあげた。
その夜落ち込んだその彼女を家まで送って
私は親友の胸で号泣した、許せなかった。
でもプライドが、邪魔をした、泣けなかった、恋敵の前では。
「私が許せないのは彼の親友に対する思いやりの無さだよ!」
とかっこつけた私は心の中は私への嘘に対する怒りでぼろぼろだったのに。
年下の女の子には弱音は吐けなかった。
彼も私も結婚して
お互いバツいちになり
彼は再婚。
この前再会したとき彼は
「お前のことが好きだった、お前が俺の前から姿を消したとき、いなくなったってすごく感じた、あの時好きだったのはお前だけだ」
「・・・・・・・・」
いやぁ、私も懲りないほうだとは思うけど
彼のマジックにはもうかかれない。
彼は裸の王様のような明るさで
今独立して
社長となり
昔惚れてもらった相手と夢見たいぐらい
年取っていた。
私まだまだ現役なんです。
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