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1960年代半ばにインドネシアで行われた大量虐殺の加害者たちを描いたドキュメンタリー映画。
その被害者は50万とも100万とも200万とも云われている。
1965年の軍事クーデター後、周到に用意された権力者たちの思惑にそって、共産主義者を抹殺すべく、多くの民間人自身が隣人たちを殺していった。
被害者は共産主義者だけでなく、様々な人々に及んだという。
そして加害者たちは罰せられるどころか、国の英雄として扱われている。
逆に被害者たちの家族はただ沈黙をしている。
なぜなら、今でも加害者たちは隣に住み、あるいは政治的な力を持っていたり、暴力をふるっている集団だから。
監督は被害者たちの映画は国の妨害によって描くことができず、やむなく加害者たちを取材していくなかで、彼らの虐殺の再演を描いていくこととなる。
喜々としてその再演をしていく男たち。
まるで映画スター気取りで過去の再演をしていく。
ときに加害者を演じ、そして被害者を演じ。
やがて殺戮者の反応に変化が生まれていく。アクト・オブ・キリングによって。
この映画をきっかけに、現代史から抹殺されている事実がようやく少し明らかになろうとしている。
背景にあるのは東西冷戦のはざまの中で、反共で結託した欧米と日本。
私たちの国も間接的にその殺戮に参加していたとも云える。
悪への無関心という罪を私たちも間違いなく負っている。
悪はあまりにも凡庸に私たちの身近に存在する。
いまを生きるひとが観るべき映画です。
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ご無沙汰しています。
仰る通りです、こういう悪は大なり小なり身近に転がっています、でも、それが当然となるような社会にしてはならないと思うのですが、心もとない時代になってきました。
2016/12/2(金) 午前 0:23
じゃむとまるこさん
ご無沙汰しております。国家という名の暴力装置の存在も怖いですが、私たちの周りにある無関心や無力感で増殖する暴力の芽がもっと怖いものかもしれません。「白いリボン」のように。
2016/12/11(日) 午後 8:30