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BSで三十年振りに再見しました「パリ、テキサス」。
美しい構図と色彩の数々。それすらも哀しく見えてくる男と女の物語。
美しくも物悲しい音楽が登場人物たちの悲鳴にも聞こえる。
わたしたちが愛し方を学ぶためにはどうすればいいのだろうか。
そんな疑問を持ちながら男と向き合う人たちの物語が進む。
男が失踪して4年後に連絡を受けた兄弟。
男の幼い子供をわが子として育てているその妻。
そして突然現れた父に戸惑う少年。
すべての関係性を投げ捨てて出奔した男が、もう一度新たな関係性をつくろうとしていく。
そして少年と二人で同じく失踪した母であり、妻であった女を探す旅に出る。
しかし、男と女の失った時間を埋める術など何処にもない。
お互いにマジックミラー越しに消え入るような存在を感じるだけで、受話器越しの会話にはお互いを責める言葉もないかわりに、さらなる喪失につながりかねない歩み寄りの勇気も損なわれている。
未熟な愛といえばそれまでだが、人間が学び損なった愛を学ぶ困難さに言葉をなくす。
沈黙の中で男が見た世界に何があったのだろうか。
まるでテキサス州のパリのように、にせものの愛があっただけなのか。
だとしたら映画のラスト、赤と緑と青の背景の中で、新たな関係性を紡ごうとした男の中にあったものをなんと呼べば良いのだろうか。
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