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各地に残るタイムカプセルの “行き当たりバッチリ” 訪問記

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歩き遍路〜2つの道

 
四国といえば 八十八カ所 の巡礼。
私もいつか歩きたいと思っています。
 
この頃は観光バスやタクシーで足早に巡る人が多いようですが、もったいないな、とご本人方も思っておいででしょう。
ほんとうはお大師さんと二人だけで、四国の風や匂い、なにより地元の人々の人情にも触れながら歩いていただきたいものです。
 
土成町には 3か寺 がありますので、順にご紹介しようと思います。
ただその前にひとつヘンな話。
 
歩き遍路さんを戸惑わせるんじゃないかという標識がそこここに立っているのです。
 
イメージ 1
 
ところどころで見かける、「四国のみち」 と書かれたコンクリート製の道路標識。
お遍路さんたちのために建てられた、親切なものだと思えます。
電柱に張られている赤いシールはちょっと風情に欠けるし、その右の、江戸時代あたりのものはすでに点字状態で、拓本をとらないと読めませんので。
 
ところがすぐに、別の道案内に気づきます。
木製で、同じく 「四国のみち」 とあります。
 
イメージ 2
 
よく見ると小さく 「環境省」 と刻まれています。
さっきのコンクリートのものは 「建設省」 と。
 
変だな、と思って調べると、この2種類の標識は2つの省(建設省=現・国土交通省)がそれぞれ独自に選んだ異なるルート に沿って立ててあるものなんだとか。
 
“四国のみち” で検索してみると国土交通省関係で・・・

四国のみちは、歴史・文化指向の国土交通省ルート (約1300 km) と、自然指向の環境省ルート (約1,600 km)。 があるのだそうです。
国土交通省ルートは :
 ①歩くことを基本としながら、サイクリング等 も行える 「みち」。
 ②四国の美しい 自然、特異な 景勝地、四国霊場88ヵ寺 を広く巡りながら、四国を一周する 「みち」。
 ③失われていくへんろ道を できるだけ 保存し活用する。
として定められているもので、上記理由により 「四国88ヵ寺の巡礼ルート」 としては 大きく迂回し、遠回りとなる場合 もあります。

いっぽうの環境省ルートは、「四季を通じて手軽に楽しく、安全に 歩くことができる 自然遊歩道」 として定められています。

??
四国全体に、“巡礼ルート”に敬意を表しつつ、別々に定めていただいた道なんだそうです。
 
イメージ 3
環境省ルートは “四国自然歩道” という別名があるように、景色のいいところや森林浴ができる道を選んでいるようです。
確かに、迷い込んだ薄暗い山道が 「四国のみち」 だったりして驚くことがあります。
“安全に歩くことができる” と言われますが、ガードレールのある歩道があるわけではなく、山道では落石やマムシと遭遇するかもしれないので、少なくとも“比較的安全に〜”、いや、むしろ “危険回避は自己責任で〜”  とでもされたほうが責任問題にならなくていいのでは。
 
そもそも 「四国霊場や、各地に点在する身近な自然や歴史に親しみながら、歩いて四国を一周することができます」 とありますが、霊場のお遍路さん以外に四国を歩いて一周する人っているのでしょうか?
 
きっと知恵を絞った環境省では
一つの県の 「四国のみち (四国自然歩道)」 全コースを踏破した方には認定証を交付しています。
●認定を希望する方は、各コースに定められた撮影ポイント(マーク)で、申請者自身を入れた写真を撮影してください。 
●全コースの写真が揃いましたら、住所、氏名、年齢及びそれぞれの写真にコースの感想と撮影年月日を明記のうえ、各県の担当課へ提出してください。 
●審査のうえ、県内コースの踏破認定証を交付します。
●四県の全コースを踏破した方は、四県分の認定証をいずれかの県に提出してください。
●審査のうえ、四国全コースの踏破認定証を交付します。
だそうです。
年に何人くらい認定されているのか、いつか“担当課”に尋ねてみたいような、怖いような・・・。
 
どうもイマイチなおせっかいを、縦割り行政のために2つの省が税金を使って重ねているという景色に見えて、いつも気分が少し萎えてしまいます。
あとは (たぶん出遅れた) 文部科学省が “伝統的遍路道” に 「四国のみち」 表示を、と言い出さないことを祈るばかりです。
ほんとうはそれ一種だけでいいとも思うのだけれど…。
四国遍路をユネスコ世界文化遺産に、という噂される議論の前に、この調整が必要では。
 

今日もまたうちの寺の前をお遍路さんが通り過ぎてゆきます。
どうか道標に惑わされず、道中ご無事で。
 
イメージ 4
 
ちなみに写真のかなた、雲の上に頭を出しているのが地元で“おこーつぁん”と呼ばれる 高越山 (こうつさん;標高1,133m)。
wikipedia より:
山頂からは、一ノ森(1,879m)、剣山(1,995m)、三嶺(1,898m) が一望でき、天気が良ければ瀬戸内や淡路島等も望める。
また山頂には、役小角が7世紀に建立したと伝えられ、空海が修業に訪れたとされる 高越寺 がある。
女人禁制が解かれた今も、8月18日の十八山会式だけは女人禁制で紫燈大護摩が開かれる。 
山内には、中の郷という庵の前に 「万代の池」 という池があり、「のぞき岩」 の行場などがある。
高越山一帯は土柱高越県立自然公園に指定されている。
 
とだけありますが、イザナミノミコトの御陵であるという説は(仲間内では)有名です。
のらねこ先輩のブログに詳しいので、ぜひそちらをご覧ください。
2009年3月17日の記事です:
 
山上の様子はすえドン先輩のブログにたっぷりと。2009年5月13日、鳥肌ものです:
 
おそろしいほどの情報量と内容の深さに、どうぞ驚いてください。

やがて阿波古事記研究会が “いちばん正しい” 「四国のみち」 を発表することになるかもしれませんね。
う〜ん・・・。
 
 

閉じる コメント(2)

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初めまして、香川在住のおっさんです。以前より『二つの四国のみち』に違和感を覚えていましたが、私だけじゃなかったのですね。安心(?)しました。
分かり易い解説と共感を覚える内容に、嬉しくなってコメントさせて頂きました。それにしても、お役所もややこしい事しなくてもいいでしょうに、ねえ(溜息)。 削除

2016/4/29(金) 午前 9:38 [ ジェームス吉田 ] 返信する

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ご同感いただき、ありがとうございます。
縦割り行政って困ったものですね。

さっき読み直してみて、外国人のお遍路さんが増えていることでさらに 観光庁 が英語や中国語の道標を立て始めないか、心配になりました。
それだと国土交通省の外局である観光庁が、親分とは違うコースを決めることになるでしょう。

せめて時間の問題でできるはずのスマホ用「巡礼アプリ」を開発されるときは、どうか各担当者が「四国八十八ヶ所霊場会」さんを含めた話し合いをしてくださるよう祈っています。

2016/5/1(日) 午前 1:01 [ 在神居士 ] 返信する

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