科学革命

遂に「意識―生命―物質の統一理論」の骨格が完成しました。

和の理論

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ユートピア建設理論としての和の理論【1】和の理論の世界史的意義
(1)はじめに
 本稿から5回シリーズで「ユートピア建設理論としての和の理論」という題で記事を書きたい。それは
【1】和の理論の世界史的意義
【2】理性による自由の追求
【3】愛による絆の追求
【4】共同意志による現実問題への取り組み
【5】和の理論の観点からの人類精神史の概観
の予定である。
 
(2)和の理論のアウトライン
 和の理論は意識の運動を三段階に分ける。それは(1)理性による自由の追求→(2)愛による絆の追求→(3)共同意志による現実問題への取り組みである。
 自由とは生理的欲求の衝動にも支配されず、共同体の意志にも支配されず、従来の思考範疇にも支配されない独自な私の追求であり、時代的に独自な最新の思考を発見して満足するのがその究極である。
 第二段階は、独自な自己への執着を断ち、他人を受容して絆を結ぶ愛の追求の段階である。それには自由の追求で否認した、従来の思考の範疇、共同体の慣習、生理的欲求を高度な視点から受容しなければならない。そうしないと他人を受容できない。
 第三段階は、受容して絆を結んだ愛の対象と、現実に立脚して共同意志で協力して現実社会を生きていく段階である。
 
(3)この三段階が何故「和の理論」であるか
 私の「和の精神」の本質の認識は、知情意のバランスを取る精神が和の精神であるということである。人間はともすれば「理性(知)」に偏ったり、「愛(感情)」に偏ったり、「現実立脚(共同意志)」に偏ったりするが、それにバランスよく配合しているのが、日本人の性質なのである。私の提唱する和の理論は、これらの偏りを避けて、「理性・愛・共同意志の全体を見渡しましょう。」という理論である。
 例えば西洋は論理が突出しているので、感情や現実を無視して論理だけを押し通そうとする傾向がある。それは西洋の理性の偏重である。それに対して。日本人は論理を押し通さず感情や現実を考慮して妥協する。論理偏重の見方からすれば、日本人は論理的思考力が劣っているとみなされるが、実は日本人の方が知情意のバランスが取れていて、高度に合理的なのである。
 この日本人の長所を抽出し論理化したのが「和の理論」なのである。
 
(4)哲学・キリスト教・仏教・近代科学
 和の理論から見ると、哲学は理性のみが突出したユートピア理論を構築してきたと言える。その代表がヘーゲルである。愛が欠如しているうえに、現実に立脚して問題を解決することもできない。精神的自由を追求して、あの世に飛んでしまっている。
 キリスト教は愛のみが突出したユートピア理論である。理性も放棄するし、現実にも立脚しない。
 意志を問題としたのは、仏教と科学である。仏教は現実に立脚した意志を否定して、執着を断つという方法を取って、それで精神的問題を解決しようとした。仏教の達成したのは「生理的衝動からの自由」程度ではないかとも感じる。さらに批評を下すには仏教の研究が必要である。
科学は理性を自分自身に向けるのではなく、感覚の対象に向けて法則を発見し、物理的現実に基づいて、物質をコントロールして現実を変革した。その結果、生理的衝動を満足する自由を確保したが、理性による自己の自由の追求と愛による絆の追求はおろそかにされている。つまり、科学の達成したのは、現実問題の解決だけである。
 
(5)和の精神の世界史的意義
 このように、自由を追求し、絆を追求し、現実に立脚した生き方を追求するのは、素朴に考えれば当たり前のような気がするが、その三つを両立した思想というのは、世界史的にもまだ登場していないのである。それは日本発の世界精神足りえると私は自負している。
 
(6)ユートピアはトップダウンで建設するのではない
 「ある人が完全な自由を追求し、真理を発見し、ユートピアの理念を提唱し、人類全体がそれに従えばユートピアが建設できる。」というのが、素朴なユートピアのビジョンである。しかし、それにたいして、「こんなの独善・独断じゃない?」と多くの人は素朴に感じるものである。そしてそれが真実なのである。
 真理を発見したものは真理を放棄して、他者と愛の絆を結ばなければならない。その後に共同関係を結び共同体としての価値観を構築しなければならないのである。それでこそ、共有できる満足感を獲得できるのである。一方的に発見した真理を押し付けるのは、明らかに独断・独善である。
 このトップダウンの発想はユダヤーキリスト教に負っている。
 それはある絶対的真理があり、ある人がそれを発見できたならば、それは万人の従うべき真理であるという発想である。キリスト教もそうだし、イスラム教もそうであろう。共産主義も宗教ではないがその系譜である。それは独断・独善ゆえに多くの殺戮・虐殺そして真理の主導権争いのための異端排除による内ゲバを産み出してきた。トップダウンのユートピア建設は不可能であるし、それはポストモダンの哲学者が「知が権力化し抑圧を産む」と非難している通りなのである。
 
(7)ユートピア建設理論としての和の理論展開とその後の課題
 このように、理性・愛・共同意志をバランスよく配合するとユートピアを建設できるというのが、和の理論のビジョンである。今後の記事で、この理論を展開したい。
 そしてその後は、それを政治・経済に応用して、「和の民主主義」と「和の経済理論」というものを構想してみたい。

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