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雷撃照準器。
昔日を偲んで http://www.warbirds.jp/senri/
15-39、雷撃の照準について
照準器を使わない雷撃要領についてのお話を紹介致します。
雷撃は爆撃に比較して照準が難しいのです。 原因は平均42ノットの魚雷の速度
にあります。敵艦との距離1,000メートルで発射した魚雷は、敵艦が直進した場合、
その予測位置に達するのに46秒を要します。その間に敵艦は回避が可能なのです。
だから、 極力接近して発射する必要があります。 ところが、あまり接近しすぎると、
魚雷が調定深度で安定走行する前に艦底を通過する結果となります。これらの点を
考慮して、 当時は800〜1,000メートルでの発射を基準にして訓練が実施されま
した。
泊地攻撃は別として、航行中の敵艦を雷撃する場合、 敵艦の速度を測定して魚雷
の到着時の敵艦の位置を想定して照準することになります。雷撃照準器はこれらの
諸元の組み合わせで発射角度を設定するようになっています。
ところが、敵艦の速力が速いか、発射距離が短いほど照準角度は大きくなるのです。
その結果、操縦員が照準器を覗くために、目の位置を大きく右か左に寄せて操縦す
ることになります。 これでは安定した操縦はできません。 横滑りしながら発射した
魚雷は直進しません。 だから照準器は角度の設定はできても、直接照準の役には
立ちません。
敵艦の速度の判定は雷撃の重要な要素です。これはウエーキの形状で判断します。
艦攻搭乗員は地上教育で、徹底的に訓練を受けます。また、実艦を標的にした雷撃
訓練も実施します。ウエーキの形状で速度を推測するのは、写真などで説明を受け
ます。しかし、実物を体験する以上の訓練はありません。
次に照準です。雷撃照準器は発射角度によっては使い勝手がよくありません。魚雷
が1,000メートルを走行するのに約46秒を必要とします。敵艦が30ノットの場合は、
46秒で約690メートル進みます。 20ノット場合だと約460メートルです。 だから、
30ノットの場合は約690メートル前方を狙って魚雷を発射しなければなりません。
また、800メートルまで接近して発射した場合には、約37秒で到達します。 すると、
30ノットの場合は約550メートル、20ノットだと約370メートル前進します。 しかし、
1,000メートルだ、800メートルだと云っても、天山の場合は1秒間に120メートルも
飛行します。発射は一瞬の判断です。
当時使い勝手の悪い照準器を使わない、目測での雷撃が行われていました。問題
は照準器を使わず何処を狙うかです。30ノットの場合は690メートル前方を狙えば
よいのですが、問題はその目測です。
我々が教えられたのは、敵艦の速度が30ノットの場合は、戦艦や航空母艦の全長
を200メートルと見て、その約3倍前方を狙えと教えられました。25ノットの場合は
約2倍半前方、20ノットだと約2倍前方です。
これはあくまで基準です。戦闘航海中の敵艦の速力は25ノットから35ノットと巾が
あります。 それに戦艦や航空母艦にしても、 全てが200メートルとは限りません。
また射点からの距離が、1,000メートルと800メートルでは敵艦の前進距離も変わ
ります。 これらの諸元を瞬時に勘案して修正し、 敵艦の移動する位置を予測して、
その仮定の目標に向けて魚雷を発射するのです。
魚雷発射後の雷撃機は敵艦の前方を突き切ることになります。映画などで敵艦の
上を通過するシーンがありますが、停泊艦攻撃以外に艦上を飛ぶことはありません。
敵艦の約500〜600メートル前方を、 海面スレスレに突き切ることになるのです。
魚雷を発射したあと、そのままの方向へ1,000メートルを飛行するのに、天山では
8秒97艦攻では12秒です。
当時1ノットを秒速に換算する便法として、1ノット≒0.5メートルで計算していました。
30ノット≒15メートル。20ノット≒10メートル。 多少の誤差はありますが、即時に
答がだせるので重宝していました。(1浬1,852メートル)
☆今日の一言☆
他人の飯には骨がある
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動くものをとっさの判断で狙うのは大変だろうと思われます。
命をかけての場であるから、なおさらの事ですね。
2008/11/19(水) 午前 6:37
照準器は使い勝手が悪いので飾り物でした。
2008/11/19(水) 午前 6:53
おじいさんからよく酸素魚雷の特性について聞かされていましたがチンプンカンプンで…そのおじいさんは最後には駆潜艇に乗ってやはり飛行機の攻撃を受けて父島の湾内で沈没した…と聞いています。単純に攻撃するのって大変ですね…う〜む。 ランダムから来ました。またときどき立ち寄りますね。
2008/11/19(水) 午前 10:49
ご来訪ありがとうございます。
航空魚雷には酸素魚雷は使っていませんでした。
魚雷のエンジンはガソリンと圧搾空気で運転します。
圧搾空気の代わりに酸素を使用すると効率はよくなる
はずです。
2008/11/19(水) 午後 1:17
映画でも読み物でも「雷撃後甲板すれすれを銃撃しながらとびさる」って良くありますが、実際は前方を通過するのですか。。97艦上攻撃機が海上すれすれをサウスタゴダに雷撃している写真を良く見ますが、真横に見えますがあれも前方を通過してるんでしょうか~
2008/11/19(水) 午後 9:38
停泊艦は別ですが、魚雷発射後わざわざ敵艦に向かって
方向を変える必要はありません。銃撃は旋回銃ですから
前方を飛びながらでもできます。
2008/11/20(木) 午前 6:08
お邪魔します(^O^) 雷撃照準…そう言われれば 敵艦に合わせたら魚雷は後方にいきますよね…て事は 照準器にレクチルが切ってあり 何目盛りかリードして狙うのでしょうか? あのカールグスタフや 89ミリロケット発射筒の照準器のように(@_@)
2010/12/27(月) 午後 9:31 [ ひろし ]
「蒼空の果てに」に雷撃の理論と訓練を記載しています。
ご一読ください、
http://www.warbirds.jp/senri/23ura/32/32.html
2010/12/27(月) 午後 10:03