老兵の繰り言

「特攻隊」の生き残りが後世に語り継ぐ鎮魂の記録です。続いて、自衛隊草創期のうら話などを紹介致します。

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               春木一飛曹。


甲飛12期会 http://www.warbirds.jp/senri/12-3/  
        7-119、「ワレ今ヨリ突入ス」

「白菊特攻隊」の殿を務めて散華された、春木一飛曹の出撃の模様は次のとおりである。
沖縄はすでに玉砕し、「いまさら特攻とは」という気分が基地内に高まっていた。だから、
前日に出撃した三機は全機引き返している。

六月二十五日、「菊水第三白菊隊」は前日の三機を含めて、 五機の出撃を予定していた。
一九〇〇から一九三〇までに三機が発進した。ところが、この日も全機が引き返してきた。
春木一飛曹の操縦する機は潤滑油漏れのため止むを得ず引き返したのである。彼は整備
兵を督励して修理を急がせた。

「もう出なくてもよい!  このつぎの機会を待て!」。 そう言って制止する隊長を振り切る
ようにして、単機で離陸した春木一飛曹機は、何のためらいもなく沖縄の空へと飛び去って
行った。

春木一飛曹は予科練時代は私と同じ二十二分隊で、 隣の六班に所属していた。 正義感が
強く責任感も旺盛で、その行動は常に積極的であった。 分隊対抗や班対抗の競技などが
行われる場合の纏め役の中心で、 存在感のある人物であった。 その彼が「白菊特攻隊」
最後の突入者としてその名を残したのも、偶然とは思われないものがある。

昭和二十年六月二十五日、「菊水第三白菊隊」所属の、春木茂一飛曹は単機鹿屋基地を
発進、 沖縄周辺の敵艦船群に対して 「体当たり攻撃」を敢行した。 そして、この出撃を
最後にして、「白菊」による沖縄方面への「特攻作戦」は中止された。

六月二十六日〇〇一八、春木機から「ワレ今ヨリ突入ス、ユタ ユタ ユタ」との電信が発信さ
れた。これは、「輸送船ニ体当タリスル」を意味する略語である。 この決別の電信を打った
のは、彼のペアの偵察員である甲飛十三期出身の岩下武二飛曹であった。


☆菊水部隊 第三白菊隊 搭乗割

操縦 一飛曹 春木  茂 (愛知・甲飛12期)
偵察 二飛曹 岩下  武 (神奈川・甲飛13期)

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