老兵の繰り言

「特攻隊」の生き残りが後世に語り継ぐ鎮魂の記録です。続いて、自衛隊草創期のうら話などを紹介致します。

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14-43、特攻基地串良

イメージ 1

            穂坂信也君 遺影。


特攻隊時代 http://www.warbirds.jp/senri/ 
   
        14-43、特攻基地串良

串良基地は沖縄作戦の際に、艦上攻撃機の出撃基地として使用されました。 特攻
出撃や夜間雷撃と数多くの艦上攻撃機がここから発進し、沖縄周辺の敵艦船攻撃に
向かったのです。串良基地から発進して戦死した同期生は次の10柱です。

昭和20年4月6日
菊水天山隊 田中 和夫(石 川・17歳)131空攻撃256飛行隊
同       望月九州男(大 分・17歳)131空攻撃254飛行隊
八幡護皇隊 松木 昭義(愛 媛・18歳)宇佐航空隊

昭和20年4月12日
八幡護皇隊 堤   昭(福 岡・18歳)宇佐航空隊

昭和20年4月16日
八幡護皇隊 小河 義光(福 岡・17歳)宇佐航空隊

昭和20年4月28日
第一正気隊 弥永 光男(福 岡・18歳)百里原航空隊
八幡神忠隊 犬童憲太郎(鹿児島・18歳)宇佐航空隊

昭和20年5月11日
菊水雷桜隊 小野 静雄(佐 賀・17歳)953空攻撃251飛行隊
同       山岡 智明(高 知・18歳) 同

昭和20年7月22日
雷風雷撃隊 穂坂 信也(福 岡・18歳)931航空隊

穂坂信也1飛曹は福岡県嘉穂郡の出身です。鹿児島空の予科練から谷田部空の中練、
そして、百里原空の艦上攻撃機実用機教程まで、筆者と同じ道を進みました。飛練卒業
後は131空の攻撃254飛行隊に所属、天山艦攻による練成訓練を終了して串良基地
へ進出しました。そして、沖縄周辺の敵艦船群に対して夜間雷撃を繰り返していました。

その間、「特攻隊」として串良基地から出撃した、 百里原空時代の教官や教員それに
同期生を、断腸の思いで見送ったのです。沖縄作戦の終了にともない、攻撃254飛行
隊は香取基地へ移動しました。だが彼は、串良基地所在の931空に転属となり、引き
続き沖縄周辺の敵艦船に対する夜間雷撃に出撃していました。

昭和20年7月21日、その日の出撃は4機でした。 この出撃を同期生の宮本1飛曹が
見送っていました。操縦員穂坂信也1飛曹、偵察員湯川保郎中尉、電信員浅野義夫1飛
曹これは、攻撃254飛行隊が串良基地へ進出して以来の固有のペアでした。

22:30、彼らは最後に離陸しました。離陸の際《パンパンパン……》と排気管から異常
な音を発していました。 エンジンの調子がおかしい様子でした。先に離陸した3機が
左に旋回したのに、 彼だけは右旋回をはじめたので、引き返してくるものと思っていま
した。

ところが、彼の機はそのまま低く垂れ込めた暗雲の中へ爆音を残しながら、志布志湾の
方向へ姿を消し去ったのです。 そして翌朝、彼の飛行機だけは帰投時刻を過ぎてもつい
に帰還しませんでした。 彼もまた、教官や教員それに数多くの同期生の後を追うように
して、沖縄の海に消え去ったのです。

福岡県護国神社で例年行われている慰霊祭に、穂坂君の母親が彼のお姉さんを介添え
に参加されました。その時の話に、「偉い人はあの時期、 戦争が終わることはわかっていた
はず、無理に命令を出さなくてもよかったのに……」と、慨嘆されました。

命令を下す者。命令を受けて何のためらいもなく、危険を承知で攻撃に向かう者。 人それ
ぞれの運命というべきでしょう。最愛の息子を亡くされた母親の嘆きは、日時の経過で薄れ
るものではありません。何とお慰めすればよいのか、その言葉はみつかりませんでした。

☆亡き戦友の辞世☆
うつし世のみじかきえにし母と子が 今宵一夜を語りあかしぬ
 

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