老兵の繰り言

「特攻隊」の生き残りが後世に語り継ぐ鎮魂の記録です。続いて、自衛隊草創期のうら話などを紹介致します。

18特攻戦死者事績

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             徹底抗戦を叫ぶ檄文。

特攻隊戦死者事績 http://www.warbirds.jp/senri/ 
   
        18-103、特攻隊員の名誉のために

 終戦に際しては、命令を無視して徹底抗戦を叫ぶ「厚木事件」を筆頭にしていろいろな
混乱がありました。大井空でもガンルーム士官の一部が、軍刀で野良犬を切ったり、附近
の立ち木に切りつけたりして暴れていました。

 われわれ搭乗員は、あり合わせの酒や缶詰などを持ち寄っての酒盛りでした。 しかし、
酔っ払って暴れるような雰囲気ではありませんでした。今まで胸に痞えていた物が取れて
ホッとした気分でした。死に直面した重苦しい生活から解放されたのです。先に逝かれた
方々には申し訳ないと思いながらも、 「助かった!」 「もう死なずにすむんだ!」これが
本音でした。

 生還は認められず、如何にして有効な「体当たり攻撃」をするかのみを考えていた特攻
隊員と違って、生還が前提であり自分の判断で戦闘に参加したり離脱することができる、
邀撃戦闘機の連中には、別の意識があったと思います。徹底抗戦を叫ぶ檄文が、302空
の銀河によって各基地に撒かれました。しかし、特攻待機から解放されて安堵していた、
われわれ特攻隊員は、「何を今更!」との思いが強く、賛同する者は居ませんでした。

 戦後の混乱は宇佐基地でも同様だったと思います。終戦の報に悲憤慷慨した一部の士官
がその夜、行きつけの中津市の料亭に押しかけて酒を飲み、興奮の余り軍刀を抜いて床柱
や鴨居に切りつけたとしても当然の成り行きです。その痕跡は今も残っているそうです。

 先年その料亭の刀痕がテレビで放映されました。ところがその刀痕の由来を「特攻隊の
下士官が、出撃の前夜につけたもの」と解説していました。私は特攻隊員の名誉にかけて、
この話を否定します。

 理由1.軍刀の所持について。
 映画などで、軍刀を片手に飛行機に乗りこむシーンを見かけます。地文航法を行う陸軍
は別として、推測航法で洋上を飛行する海軍の搭乗員は、軍刀を機内に持ちこむことはあ
りません。理由は羅針儀が狂っては正確な航法ができないからです。また、海軍の士官は
正装の場合は軍刀ではなく、短剣を釣リました。陸戦隊要員である兵科の士官は、編成に
際してのみ軍刀を装着します。しかし、下士官兵は軍刀を持ちません。例え下士官で軍刀
を持った者が居たとしても、「外出員整列」の所持品検査で、持ち出しは禁止されます。

 理由2.料亭の立入りについて。
 海軍では士官と下士官兵の遊興の場は画然と区別されていました。料亭は士官の専用で
下士官兵は立入ることはできません。下士官兵は「海仁会」の集会所か軍指定の食堂など
で飲食しますが、士官と違って酒の提供はありませんでした。但し、戦給品で配給された
酒類を隠して持出すことはありました。

 理由3.軍の規律について。
 宇佐空で編成した特攻隊が出撃したのは、4月6日から5月4日の間です。 その当時、
まだ軍の規律は厳重に保たれていました。外出して民間の器物を損壊すれば巡邏に検束
されます。また憲兵隊の職務も機能していました。体罰によって軍規を叩き込まれていた
下士官兵が、酒の上とは云っても軍刀で床柱や鴨居に切り付けるなどとは論外です。また、
軍刀は刃こぼれして使えなくなります。

 終戦の混乱時には軍規は乱れ、憲兵隊の威厳は失墜し、その上警察もまだ軍には遠慮
がありました。だから、この時期にはいろいろと理不尽な暴挙が行われたのです。また軍刀
にしても、どうせ占領軍に接収されるのだから、刃こぼれなど問題ではなかったのです。

 以上述べたように、料亭の床柱や鴨居の刀痕は、決して特攻隊員の付けたものではあり
ません。恐らく終戦の混乱時に興奮した一部の士官から付けられた刀痕を、宣伝のために
特攻隊員の名を利用したものと思います。

☆今日の一句☆
みほとけのうしろの秋を耕しぬ 
[AOZORANOHATENI] 

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             靖国神社。

特攻戦死者事績 http://www.warbirds.jp/senri/ 
   
        18-102、後世に残そう特攻隊の事績

戦争中は畏敬の念で崇められた「特攻隊」も戦後は単なる犬死にとしか評価されず、
「特攻隊」の生き残りとして悔しい思いをしてきました。そこで「特攻隊」の真実の姿を
後世に伝えるために体験記を出版しました。また、ホームページやブログを開設して
彼らの慰霊顕彰に余生を送っています。

近年の靖国神社の話題と云えば、A級戦犯の話ばかりで、特攻隊の事績が報道され
ることなどありません。寂しい限りです。

 國やぶれみだれる御代となりしとも 
        いつか香らん靖國の花

これは特攻戦死した息子を偲ぶ ご母堂の詠歌です。

☆特攻隊員 辞世☆  
特攻のいざ出陣や朝もやに 母の写真胸におさむる  
[AOZORANOHATENI] 

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             宇垣特攻 出陣式。

特攻隊戦死者 http://www.warbirds.jp/senri/ 
   
        18-101、701航空隊 最後の特攻

宇垣特攻編成表

操縦員      偵察員         参考
中津留達雄大尉(海兵70期)遠藤秋章飛曹長(乙飛 9期)宇垣長官同乗
伊東幸彦中尉  (海兵73期)大木正夫上飛曹(乙飛17期)
山川代夫上飛曹(丙    飛)北見武雄中尉 (海兵73期)
池田武徳中尉  (学生13期)山田勇夫上飛曹(甲飛11期)
渡辺操上飛曹  (甲飛11期)内海進中尉  (学生13期)
後藤高男上飛曹(丙    飛)磯村堅少尉  (生徒 1期)
松永茂男二飛曹(特乙 1期)中島英雄一飛曹(乙飛18期)
藤崎孝良一飛曹(丙    飛)吉田利一一飛曹(乙飛18期)
前田又男一飛曹(丙    飛)川野良介中尉 (学生13期)不時着
川野和一一飛曹(乙飛18期)日高保一飛曹 (乙飛18期)不時着
二村治和一飛曹(甲飛12期)栗原浩一二飛曹(甲飛13期)不時着

宇垣長官「決別の辞」。

 過去半歳ニ亘リ麾下各隊将士ノ奮戦ニ拘ワラズ、驕敵ヲ撃砕、  
 皇國護持ノ大任ヲ果タスコト能ハザリシハ、本職不敏ノ致ス所ナリ。
 本職ハ皇國ノ無窮ト天航空部隊特攻精神ノ昂揚ヲ確信シ、
 部下隊員ノ櫻花ト散リシ沖縄ニ進攻、
 皇國武人ノ本領ヲ発揮シ、驕敵米艦ニ突入轟沈ス。
 指揮下各部隊ハ本職ノ意ヲ体シ、凡ユル困難ヲ克服シ、
 精強ナル皇軍ノ再建ニ死力ヲ竭シ、皇國ヲ萬世無窮タラシメヨ。
  大元帥陛下萬歳。       彗星機上にて   一九二四

☆参考事項 
http://www.warbirds.jp/senri/23ura/39/index.html

☆今日の一言☆  
去る者日々に疎し 

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             溝口和彦1飛曹 遺影。

特攻隊戦死者 http://www.warbirds.jp/senri/ 
   
        18-100、752航空隊 御盾隊の奮戦

昭和20年8月13日
神風特別攻撃隊 第四御盾隊 百里原基地発 犬吠埼東方機動部隊攻撃
聯合艦隊告示194号

(彗星) 
操縦 中  尉 小城 亞細亞 (東京・予備学13期) 
偵察 上飛曹 森   保   (京都・乙飛17期)

操縦 中  尉 平野  亨   (埼玉・海兵73期) 
偵察 2飛曹  加藤 康夫  (神奈川・甲飛13期)

操縦 中  尉 三橋 栄治  (神奈川・予備学13期) 
偵察 1飛曹  今井  勲   (千葉・甲飛12期)

操縦 1飛曹  武内 良之  (栃木・乙飛18期)
偵察 1飛曹  生津 賢裕  (福岡・甲飛12期)


昭和20年8月15日
神風特別攻撃隊 第四御盾隊 百里原基地発 金華山沖機動部隊攻撃
聯合艦隊告示194号

(彗星) 
操縦 中  尉 谷山 春男  (兵庫・予備学13期) 
偵察 1飛曹  田島 平三  (群馬・甲飛12期)

操縦 1飛曹  田上 初治  (兵庫・丙飛11期)
偵察 1飛曹  田中  喬   (福岡・甲飛12期)

操縦 1飛曹  藤本  嶺   (山口・甲飛12期)
偵察 2飛曹  新井 唯夫  (静岡・甲飛13期)

操縦 上飛曹 岩谷 樺王  (青森・甲飛11期)
偵察 1飛曹  溝口 和彦  (佐賀・甲飛12期)

操縦 1飛曹  永田 與四雄 (長崎・丙飛15期)
偵察 1飛曹  矢上  保   (鹿児島・甲飛12期)

操縦 上飛曹 川合 壽一  (岐阜・丙飛10期)
偵察 中  尉  水上 潤一  (石川・海兵73期)

操縦 上飛曹 山本 好人  (佐賀・丙飛11期)
偵察 中  尉 勝原 通利  (福岡・予備学13期)

操縦 1飛曹  弘光 正治  (高知・甲飛12期)
偵察 2飛曹  泉川  白   (香川・甲飛13期)

☆特攻隊員 辞世☆  
国のため捨石たらん吾なれば 後世に築けよ平和の世界 
[AOZORANOHATENI] 

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             艦上攻撃機「流星」。

特攻隊戦死者 http://www.warbirds.jp/senri/ 
   
        18-99、752航空隊 御盾隊の奮戦

昭和20年8月9日
神風特別攻撃隊 第七御盾隊 第二次流星隊 木更津基地発 金華山沖機動部隊攻撃
聯合艦隊告示195号

(流星) 
操縦 中  尉 茨木 松夫  (鹿児島・海兵73期)
偵察 上飛曹 田中 喜芳  (香川・乙飛15期)

操縦 上飛曹 島田 栄助  (東京・丙飛10期)
偵察 中  尉 笹沼 正雄  (宮崎・予備学13期)

操縦 上飛曹 曾我部 譲  (愛知・丙飛16期)
偵察 1飛曹  野邊 貞助  (宮崎・乙飛18期)

操縦 中  尉 林  憲正   (愛媛・予備学13期)
偵察 上飛曹 横塚 新一  (東京・甲飛9期)

操縦 1飛曹  高須 孝四郎  (愛知・丙飛15期)
偵察 1飛曹  小松 文男   (秋田・甲飛12期)

操縦 1飛曹  拵  和夫   (鹿児島・丙飛16期)
偵察 1飛曹  吉野 賢示   (静岡・甲飛12期)


昭和20年8月13日
神風特別攻撃隊 第七御盾隊 第三次流星隊 木更津基地発 犬吠埼沖機動部隊攻撃
聯合艦隊告示195号

(流星) 
操縦 1飛曹  酒向 公二  (岐阜・丙飛11期)
偵察 中  尉 元  八郎   (石川・海兵73期)

操縦 中  尉 上大迫 克巳 (鹿児島・予備学13期)
偵察 上飛曹 西森 良臣  (高知・乙飛16期)

操縦 上飛曹 弘寺 富士人 (廣島・丙飛7期)
偵察 中  尉 砂川 啓英  (沖縄・予備学13期)

操縦 1飛曹  田中 憲一  (福岡・甲飛12期)
偵察 少  尉 山中  誠   (茨城・予備生1期)


昭和20年8月15日
神風特別攻撃隊 第七御盾隊 第四次流星隊 木更津基地発 勝浦南東機動部隊攻撃
聯合艦隊告示195号

(流星) 
操縦 1飛曹  縄田 准二  (福岡・丙飛14期)
偵察 1飛曹  中内  理   (高知・乙飛18期)

☆特攻隊員 辞世☆  
あと三時間のわが命なり 只一人歌を作りて心を静む 
[AOZORANOHATENI] 

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