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搭乗員は、飛行服の上にライフジャケットを着け更に落下傘バンドを装着します。
陣中談議・うら話
3-27、飛行服と落下傘バンドについて
飛行服には夏用と襟に毛皮の付いた冬用がありましたが、当時は何れか一着が貸与されて
いました。これらは上下繋ぎでしたが、新しくズボンと上着が別々な物もありました。寒暖の
差は下着で調節します。通常は事業服の上に着用し、その上にライフジャケットを着けます。
そして、飛行機に搭乗する場合には落下傘バンドを装着します。
飛行服と飛行帽や飛行靴それにライフジャケットは個人に貸与されますが、落下傘バンドは
部隊装備品で、原則として落下傘の数だけしかありません。だから搭乗の際には、そのつど
交替で着用することになります。
この落下傘バンドは操縦席用と偵察・電信席用があり、形状が異なっています。それは、
落下傘の形状が違うからです。その区別はあまり知られていなくて、間違った記述や描写が
見受けられます。戦中に撮影された有名な「ハワイ・マレー沖海戦」の映画でも混同したとこ
ろがありました。
右肩に落下傘とバンドを繋ぐ鋼索が見えるのが、偵察員・電信員用の落下傘バンドです。
それを後ろから左肩に回して前に回し、バンドの左下にある袋に先端の接続金具を入れます。
この鋼索の有無で、映像や写真から操縦員と偵察員・電信員何れの配置か見分けることが
できます。
偵察員や電信員は、偏流測定・爆撃照準・航法・電信・旋回機銃その他、いろいろ位置を代え
ながら作業を行ないます。立ったり座ったり狭い機内を動き回る訳です。そのため、操縦員
のように腰に落下傘を装着したままでは作業の邪魔になります。だから、機上作業に便利な
ように落下傘は常時装着せずに、非常の場合にのみ接続するのです。
普段は落下傘バンドの袋に接続金具を入れておき、脱出の際に座席に置いた落下傘に接続
します。そして、落下傘を抱えて飛び出します。そのとき落下傘の開傘索(自動曳索)はあら
かじめ座席に繋いでいるので、抱えて飛び出せば開くようになっています。自動曳索が切れ
ていたりして、開かないときは落下傘についているレバーを引くことで手動でも開くことがで
きます。これを手動索と呼んでいました。
操縦員の場合、操縦席に座ると先ず、フットバーの調節を行います。次に座席に置いてある
落下傘の、両側にあるベルトとバンドの接続金具を繋ぎます。次に、座席バンドを締めて腰
を安定させます。落下傘は座席に連結した自動曳索で開く仕掛けです。緊急のときは風防
を開けて飛び出すだけです。勿論操縦員用の落下傘にも手動索はあります。
落下傘は飛行作業が終わると、飛行機から降ろして格納庫内の収納場所に保管します。
落下傘は定期的に開いて乾燥させ、再び折りたたみます。この作業は搭乗員の担当でした。
この際、所定のカードに整備年月日と作業担当者の氏名を記入して、責任の所在を明確に
していました。
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