老兵の繰り言

「特攻隊」の生き残りが後世に語り継ぐ鎮魂の記録です。続いて、自衛隊草創期のうら話などを紹介致します。

5航空自衛隊

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5-129、暴力事件が続発

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            発見された登山ナイフ。


自衛隊うら話    
          5-129、暴力事件が続発 


さて仕事を始めてみると想像以上に大変でした。しかも聞くと見るとでは大違いです。次々に
難問が噴出してくるのです。こんなはずではなかったと気付いた時にはもう後の祭りでした。
いじめと暴力事件が続発して、早々に音を上げる始末です。一つを治めると次の事件が起き
るという具合で際限がありません。

ところが、調べてみると加害者は同じ区隊に限られていました。 事件を起こした連中にしても、
特に凶悪な人物とも思えません。内容を調べてみると、どうも唆されている様子です。自分が
やらなければ、反対に自分が誰かにやられるという脅迫観念から、他の隊員をいじめたり暴力
を振るったりしている様子です。

陰に隠れていた問題の中心人物も判明しました。彼は高校卒業者で人並み以上の知能指数を
持っていました。そのうえ、彼の父親は教育者です。父親は息子の性格を見抜いて、その将来
を憂慮し、大学に進学させず自衛隊に入れたのかも知れません。指導方法さえ間違えなければ、
立派な指導者になれる素質を持った隊員でした。

二人の取巻きがいることも判明しました。彼らは口で唆すだけで、自分では決して手を出さない。
だから、最初は事件には無関係と思われていたのです。区隊長や区隊付の並々ならぬ努力で、
全容がほぼ解明されました。 区隊長池田2尉が所持品を検査したところ、 革ケースに入れた
大きな登山ナイフが発見されました。これが他の隊員に無言の圧力となっていたのです。

隊員指導の困難さは想像以上です。空曹学生は別として、新隊員を受持つ区隊長や区隊付は、
朝起きてから夜寝るまで、付き切りで面倒をみています。いくら任務といっても並の人間にでき
ることではありません。 昔の軍隊のように、殴って矯正することが許されるならばと思うことも
再々でした。 しかし、制裁などすれば今の隊員は皆逃げ出して、 自衛隊は成り立たなくなる
でしょう。 隊員指導の重要性とその困難さを身をもって体験しました。

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              大隊長を引き受けたものの。


自衛隊うら話    
          5-128、校長中村空将補の決意 

中村校長は《特攻くずれ》を自称する私に、 体当たり精神で学生教育に取り組んでくれと言う
のか、死んだつもりで泥をかぶって欲しいと言うのか何れかのようです。それにしても、こんな
型破りな人事を考えること自体、学校長が藁にもすがる気持になっているのに違いありません。

現第1大隊長の多良2佐に相談に行きました。 彼は元海軍第13期飛行予備学生の出身で、
私と同じ時期、903空で飛行士をされていた方です。いろいろと話を聞きましたが肝心なこと
は打ち明けてくれません。しかし、彼が少々音を上げている様子を見ると、大変な仕事である
ことは想像できます。

同じことの繰り返しで、教育部の授業はマンネリ化していました。それに比較すれば、確かに
やり甲斐のある仕事です。4〜500名の隊員を指揮監督するのも、よい経験になるでしょう。
また1等空尉に昇任してすでに6年以上も経過していました。上級の職務につくことで次期昇
任が有利になるかも知れません。あれやこれやと自分に都合のよいことばかりを考え、引き
受けることにしました。

また、私と同時に第2大隊長も交替しました。新進気鋭、防衛大学校7期出身の伊藤1尉です。
彼も本来教育特技ではありません、教育部の教官からの配置替えでした。この人事を見ても、
校長中村空将補の並々ならぬ決意を窺うことができました。

大きな机に応接セットまで揃った大隊長室に納まりました。前任大隊長の多良2佐からの引き
継ぎを受けました。次に区隊長及び区隊付を集合させ、型どおりの挨拶を行いました。急に偉
くなった気持ちになるから不思議です。今回の人事では、2等空佐の後任に素人の1等空尉が
就任したのですから、所属の区隊長や区隊付それに学生が驚いたのも無理はありません。

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               神風特別攻撃隊。


自衛隊うら話    
          5-127、神風特別攻撃隊員の精神基盤について
  
当ブログは文字数に制限がありますので、下記の頁へお移りください。
http://www.warbirds.jp/senri/3-3.html 
 

5-126、大隊長拝命

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              1等空尉の出る幕ではありません 。


自衛隊うら話    
          5-126、大隊長拝命  

航空自衛隊の術科学校では、入校した学生は学生隊に所属して教育を受けます。内務指導をは
じめ、一般共通教育や教練体育など、術科教育以外の教育訓練はすべて学生隊の担当で実施し
ます。教育部の教官はそれぞれ特技科目の授業を受け持つだけです。それに比較して、学生隊
の区隊長や区隊付の仕事は大変です。特に、航空教育隊を卒業して引き続き術科学校に入校し
てきた新隊員を受け持つとなおさらです。

その頃は 「いざなぎ景気」と呼ばれる好景気が続いていました。 民間の雇用状況が良くなると、
必然的に自衛官の応募者は減少します。したがって素質の悪い連中が混じってくるのです。

成田の新国際空港用地を強制収用する問題で、警察機動隊と学生の衝突が連日のように報道さ
れ、世情は騒然としていました。 各地の大学紛争は終息の方向に向かっていましたが、高校や
中学では校内暴力やいじめの続発で荒れていた時代です。 それがそっくり自衛隊に持ち込まれ
ていました。

ある日、学校長中村空将補に呼ばれました。話の要旨は、学生隊第1大隊長として学生の面倒を
見てほしいとの要請です。 第1大隊長は、本来教育幕僚(2佐または3佐)の配置です。 いくら
何でも、会計特技の1等空尉の出る幕ではありません。   

ところが中村校長は、私が昭和44年度の幹部研究論文として提出していた、戦争体験上の教訓
「神風特別攻撃隊員の精神基盤について」を読んで、《特攻くずれ》を自称している、私の経歴や
考え方に興味を示している様子です。

5-125、「相互学習」

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            「相互学習」と称して。


自衛隊うら話    
          5-125、「相互学習」 
       
術科学校の教官は楽な商売です。毎日授業があるわけではありません。受持科目の教程(教科書)
と試験問題を準備すれば、後は次の学生に対して同じことの繰り返しですみます。 しかし、私は
幹部学生に対する学習要領を改革しました。

従来の学習要領は教官が一所懸命勉強して教壇に立って喋ります。学生は理解できなければ質問
します。 教官は学生が理解するまでさらに説明を繰り返します。 このように、教官が学生のため
一所懸命勉強しているのに、学生は机に座って居眠りをしていても、期間が過ぎれば卒業できます。
これは矛盾しています。本来勉強するのは学生であって教官ではありません。ところが、いつの間に
かこれが逆になっていたのです。

さっそく「給与法」の授業から新しい方法を採用しました。防衛庁職員給与法を条文ごとに区分して、
学生にそれぞれ受持ちの項目を割り当てます。 学生に法律の条文や政令及び施行規則など、
関係法令の解釈を事前に自学研鑚させて、交替で教壇に立たせて講義させるのです。

「相互学習」と称して学生相互に自学研鑚させる方法です。 教壇に立って講義するのが学生なら、
質疑応答するのも学生相互間です。学生も教壇に立って皆に講義するには準備が必要です。教官
室に受持ち部分の法解釈などについて質問に来ます。

「ここは、どう解釈したらよろしいですか?」
などと質問してきても回答しません。自分で一応の解釈をくだし、結果の正否を確認する場合とか、
解釈が二つに別れるがどちらが正しいかなど、自分自身で研究を行い一応の結論を出した上での
質問だけに回答しました。初めから正しい解釈を教えたのでは勉強にならないからです。これで
教官商売はさらに楽になりました。

空曹や空士は幹部の命令や指示にしたがって作業を実施すればよいのです。しかし、幹部は自分
の責任で法律の解釈を行い、部下に指示して実行させる立場にあります。法律や政令が改正され
た場合、的確な解釈ができなければ幹部として失格です。

そのためには、しっかりとした基礎を作っておかなければ、後で苦労します。 一度自分で研究して、
結論を出しておけば、その基本的な法解釈の要領は決して忘れるものではありません。勝手な理屈
をつけて、それ以降この学習要領で押し通しました。  


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