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南雲中将、最期の中将旗(2) 海軍の将旗について ほとんどの方が日本海軍の「将旗」に関する知識は少ないと思いますので、ここで簡単に説明させて頂きます。 尚、引用文献は最下段に示します。 1.将旗掲揚の目的 「将旗」は、艦隊司令官や、陸上では連合特別陸戦隊や特別根拠地隊の指揮官だけが、掲げる旗です。 艦船においてはマストの最上段に掲げることにより、司令官が乗艦している事を、周りの艦隊に示しました。 あくまでも司令官が在艦している事を示す旗ですから、たとえば短艇で司令官が船を離れる時は、短艇に 乗り移ったと同時にマストの将旗が降ろされ、短艇のポールに小型の将旗が掲げられる事になります。 ※写真は真珠湾攻撃時の航空母艦赤城の艦橋付近です。 マストの最上段右舷に掲げられた軍艦旗は「戦闘旗」と言われるもので、戦闘中のみに掲げられる旗です。 戦闘旗の向こうに上部が少しだけ見えている、ひと周り小さな旗が「将旗」です。 この時は南雲司令官が在艦していましたので、「中将旗」が掲げられています。
軍艦旗(戦闘旗)の下に、もう一枚掲げられている軍艦旗は艦旗です。
それぞれの旗の大きさは、戦闘旗が軍六幅、中将旗が軍四幅、艦旗が軍四幅と思われます。2.将旗の種類 軍艦旗が16条の旭日旗であるのに対し、将旗は8条の旗です。 ※上段「軍艦旗」、下段左から「大将旗」「中将旗」「少将旗」 昭和17年11月時点で、この将旗を掲げる事が出来た司令官は、 大将1名、中将12名、少将53名となります。 例え中将や少将であっても、艦隊司令官や戦隊司令官、もしくは根拠地隊の司令官等、「司令官」でなければ将旗を掲げる事は出来ません。 3.旗の大きさ 軍艦旗の大きさは6種類(軍一幅半、軍二幅、軍三幅、軍四幅、軍六幅、軍八幅)あります。 将旗の場合、最大は軍六幅までです。 縦横比は3:2です。 一巾は昔の反物の巾で66.6cm(二尺二寸)となります。 従って、軍四幅以上の旗の大きさは、 1.軍四幅 266cm X 178cm 2.軍六幅 400cm X 266cm
3.軍八幅 533cm X 355cm (軍艦旗のみ)
今回、私の保有している南雲中将由来の中将旗は、軍六幅の大きさです。将旗として最も大きいサイズです。 テレビ番組の「なんでも鑑定団」に出品され、後に大和ミュージアムに寄贈された戦艦長門の 大軍艦旗は、別格な大きさの「軍八幅」となります。 4.将旗の作り 軍艦旗や将旗の作り方は2種類あります。 「染め抜き旗」と「縫い合わせ旗」です。 左側の「染め抜き旗」は 、以前所有していた「軍四幅」の中将旗です。 横長の布を4枚つなぎ合わせ、赤色を染めたものです。 右側の「縫い合わせ旗」は短艇等に使用する「軍二幅」の中将旗です。 小さくても紅白の16枚の布を手縫いで縫いあげてあります。 この様に旗は大小に関わらず、「染め抜き旗」と「縫い合わせ旗」があり、より手間を掛けた「縫い合わせ旗」は、 普段用ではなく、儀礼、祝祭、観艦式の公式の時に使用されたものと思われます。 四幅の大きさまでは「染め抜き旗」「縫い合わせ旗」の両方ありますが、少なくとも私は軍六幅以上の大きさで、 「染め抜き旗」を見た事がありません。 今回私の保有している南雲中将由来の中将旗は、最大の大きさである、軍六幅の「縫い合わせ旗」です。 5.「軍艦旗」と「将旗」との組み合わせ 文献で確認できませんが、司令官が乗艦した場合は「軍艦旗」と「将旗」を同時に掲げる事になります。 この場合、「将旗」は「軍艦旗」の大きさより1サイズ小さな旗を掲揚しています。 冒頭にある真珠湾攻撃時の航空母艦「赤城」の写真でも、六幅と思われる大きさの「軍艦旗」に対し、 一回り小さい四幅と思われる「中将旗」となっています。 重巡洋艦「愛宕」に掲げられた「少将旗」の写真です。 マスト最上段の「少将旗」の下に、艦旗としての一回り大きな「軍艦旗」が掲げられています。 大きさの組み合わせは、軍艦旗「軍六幅」と将旗「軍四幅」と考えられます。 「海軍旗章令」には、旗の大きさに関する規定は無いと聞いていますが、軍艦旗(艦旗)より将旗の方がサイズが 大きいというのも常識的に変ですから、運用上「将旗」は軍艦旗の1サイズ小さい旗を掲揚したのではないか と、私は推測します。 冒頭写真の航空母艦赤城の「戦闘旗」「将旗」「艦旗」についても、「軍四幅の将旗」には「軍六幅の艦旗」 ですが、戦闘状態を示す「戦闘旗」が六幅である為、それを優先して艦旗は1サイズ下げて、軍四幅を 掲揚しているのではないかと推測します。 現場を知らないずぶの素人の大胆過ぎる発想かもしれませんが、私には暗黙のルールがあるとしか思えないのです。 この考え方を私の所有している南雲中将由来の軍六幅の「中将旗」に当てはめますと、この旗に見合う「軍艦旗」 は、軍八幅の「大軍艦旗」という事になります。 軍八幅の「軍艦旗」は、戦艦長門や戦艦大和クラスの特別な旗であると思いますから、軍六幅の「中将旗」も、 用途が限られた特別な旗であると推定出来ます。 おそらく、艦船で軍六幅の「中将旗」を使用する場合は、組み合わせる旗は軍八幅の「軍艦旗」であり、 儀礼、祝祭、観艦式の公式な場だったと考えられます。 サイパン島で回収された南雲中将由来の軍六幅の「中将旗」は、どの様な使われ方をされたか分かりませんが、 陸上の司令部にとっても、めったに掲げる事のない、別格な旗だったのではないかと推定出来ます。 ※「 5.「軍艦旗」と「将旗」との組み合わせ 」項目は、あくまで私見であり、裏付けとなる文書等はありません。 引用文献 1.「海軍アドミラル軍政物語」 雨倉孝之著 2.「桜と錨のきままなブログ」 戦闘旗について 桜と錨 3.wikipedia 軍艦旗他 ・
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