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南雲中将、最期の中将旗(7)   おわりに ---残された中将旗---



では、この中将旗はどの様な経緯で米軍兵士の手に渡ったのでしょうか。
関係者がほとんど亡くなってしまい、なおかつ戦後66年が経過した現在では推測する事は困難です。

これまでの解析結果から、この中将旗が米軍兵士により発見された経緯をまとめてみたいと思います。
あくまでも、私見による推理です。

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                   ※アメリカで保有されていた当時の中将旗

私は、この中将旗は、最初の司令部である「ガラパン公民学校及びその武徳殿」で米軍兵士に回収された
ものだと思います。
中将旗のロープは新品のままですから、おそらく4月下旬に南雲長官がサイパンに赴任して以来、二カ月間、一度もこの中将旗は掲揚される機会はなかったと思います。

最初に南雲長官が太平洋艦隊司令部を置いたガラパン地区は、守備部隊地区区分で海軍地区とされ、
海軍が守備を担当しており、南雲中将の所在を示す四幅程度の中将旗が掲げられていたと思います。
しかし、6月15日の米軍上陸開始によって合同司令部を「タッポーチョー南側台地の洞窟」へ移動する
にあたり、陸軍との合同司令部である狭い洞窟周辺で軍六幅の大きな旗を掲げる機会は無くなりました。
もちろん陸軍への配慮があったのもしれません。

南雲中将あるところには、中将旗を掲げなくてはいけませんから、移動にあたって軍四幅以下の小さな旗を
持参したのだと思います。
その結果、掲げる事のない軍六幅の巨大な旗は不要と判断されたのでしょう。
ガラパン公民学校の司令部に放置されたのだと思います。
海軍には、旗は消耗品という考え方があるからです。

旗が回収されたのは7月3日前後の事だと思います。
南雲中将が戦死されたのは7月6日夜で、サイパン島北部ではまだ激しい戦闘が続いていましたが、
7月3日時点でガラパン周辺は米軍によって制圧され、米軍兵士によるお土産品を確保する映像も残されて
います。

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私はこの旗の存在と、南雲長官の最期の様子を、どうしても結びつけて考えてしまいます。
いくら消耗品で不要とは言え、軍六幅の大きな中将旗をなぜそのまま放置したのか。

私は南雲長官は、意図的にこの旗を残したのではないかと思います。

南雲長官はこのガラパン公民学校から移動する時に、いよいよ自分の最期の時と悟り、
中将という重い鎧を脱いだ象徴として中将旗を残したのではないでしょうか。

以降、南雲長官は作戦に関しては一言も発せず、終始無言でした。

真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦・・・。
南雲長官は多くの若い兵士の死を見てきました。
最期は中将としてではなく、一兵卒として皆と共に死にたい、そんな思いがあったと思います。
旗を残す事によって中将の立場から決別したのでしょう。

その意味からして、南雲長官の最期は洞窟内での自決では無かった気がします。
階級章を外して、襟章をむしった軍装のまま、戦闘帽も黒線のない兵用をかぶって、
兵士達と共に、一兵卒としてバンザイ突撃をし、最期を迎えたと思えるのです。

皆と共にありたい・・、この旗は南雲長官が私たちに残したメッセージなのかもしれません。



「南雲中将、最期の中将旗」、最後までお読み頂きありがとうございました。


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