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. 【2】 1枚の破れた旗 2011年8月。 私は1枚の旗を入手しました。 ブログ書庫「南雲中将、最期の中将旗」として書き表わした旗です。 この中将旗の所有者は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州の方でした。 サイパンで回収したとの説明書きはあるものの、裏付ける資料は添付されておらず、単なる稀少な大きい旗として購入しました。 この旗は数ケ月後に、サイパンで戦死された「南雲中将の旗」の可能性を示す映像がある事がわかります。 そして2011年8月下旬。 もう1枚の旗が、66年間の沈黙を破って姿を現しました。 中将旗と同じ大きさ、軍六巾の少将旗です。 この少将旗の所有者は、アメリカ合衆国フロリダ州の方でした。 その共通点は太平洋戦争から66年が経過し、当時日本軍と戦った米兵が亡くなり、その遺族が遺品整理の為に手放したものです。 ※海軍の旗の大きさは6種類(軍一巾半、軍二巾、軍三巾、軍四巾、軍六巾、軍八巾)あります。 将旗の場合は、最大が軍六巾までで、縦横比は3:2です。 一巾は昔の反物の巾で66.6cm(二尺二寸)となります。 従って、軍六巾の大きさは、幅 399.6cm X 266.4cmとなります。 通常、軍六巾の様な大きく稀少な旗が相次いでオークションに出品される事は、極めて稀だと思います。 おそらく、中将旗がオークションに出品され、意外な高値で落札された事を見極めての少将旗の出品だったと思います。 私が初めてこの少将旗の写真を見た印象は、「なんとボロボロな旗なんだろう」と言ったものでした。 旗は、縦に連なった大きな穴が開いています、さらに赤色の部分が白色に転写されていました。 年金生活者の私は、あわよくば転売して小銭を稼ごうとの不純な動機でオークションを見ていましたので、この様なコンディションの悪い旗を入手する考えは無く、英語で書かれた説明文を確認さえしませんでした。 数日後、オークション結果を確認すると何人かの入札はあるものの、出品者の最低落札価格が高く設定されており、オークションは成立せずに流れていました。 この時点で初めてオークションの説明文に目を通しました。 その事が、私がこの少将旗に関わる最初であり、以降私はこの少将旗にのめり込んでいく事になります。 Original Imperial Japanese Naval Rear Admirals Flag Recovered from the Headquarters Cave of Rear Admiral Minoru Ota, Commander, Japanese Naval Base Force during the Battle of Okinawa. Comes with a write up of where and how it was recovered by PFC Charles Bazoian, 6th Marine Divison, from Meadville, PA. Recovered in the same room where RADM Ota committed suicide. Measures 8' x 13'. It is Hand Sewn Construction. Shows Tears/Rips and Stains from being folded and wet when it was recovered during WWII. オークションの説明文の内容は概ね以下の通りです。 1.この日本海軍の将旗は 太平洋戦争沖縄戦の大田實司令官の海軍司令部壕から回収された。 2.回収したのは、第六海兵隊の一等兵 Charles Bazoian(C・バゾイアン)である。 3.大田實少将が自決した部屋から回収された。 4.回収経緯を説明する書類が添付されている。 5.寸法は、おおよそ8フィートX13フィート、手縫いで作られている。 6.破れや染み(シミ)は回収された時、濡れた状態で折り畳まれていた事を示している。 私はこの時点で沖縄戦に関し余りにも無知で、「大田實少将」に関する知識は全くありませんでした。 そして、改めて沖縄戦における大田實少将について調べた結果、 「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ後高配ヲ賜ワランコトヲ」 との有名な電報を打った人物である事を、初めて知りました。 説明文の内容から、この旗は海軍の軍六巾の少将旗である事がわかります。 【海軍の旗に関する考え方について】 海軍の旗は、陸軍の旗とは全く事なった考え方で扱われます。 陸軍は1枚しかない連隊旗を守り抜き、最期の時は奉焼して敵に奪われることを防ぎます。 海軍の艦船の場合は、停泊中も航海中も常時掲げますから、破れる為、定期的交換が必要となります。 艦船には必ず複数の旗が積まれ、「備品」「消耗品」として扱われます。 それぞれの艦船に、どの程度の枚数が用意されていたかは資料がありません。 但し、軍六巾の様な大きな旗は高価であり、特別な時に掲揚する旗ですから積まれていた枚数は限られていたと思います。 艦船とは異なり、根拠地隊の様な「陸戦隊」の場合は、軍六巾の様な大きな旗を掲げる事は極めて少ないと考えられますので、 せいぜい1〜2枚程度が用意されていたと思われます。 旗には、大きさを表す書込みがある事かありますが、艦名等の由来を表す書込みは無いのが普通です。 将旗は「単に指揮官たる将官の所在を表すためのもの」ですから、特定の艦名や個人の司令官名を付けて呼ぶ事は正しくありません。 但し、特定の将官の身近にあった事が明確である将旗を、その将官の名前を付けて呼ぶ事があります。 この場合は、徹底的且つ緻密な検証が必要になります。 このブログ内で「大田實司令官の旗」と表現しているのは「大田實少将の身近にあった旗」「大田實司令官所縁の旗」の意味である事をご承知置き下さい。 ・
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