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いつものようにワンコの散歩で山を歩く。
たまたま迷い込んだ山でシニアカーを発見しました。
あら、人がいる。ワンコ繋がなくちゃ怖がられるな。とワンどもを呼び寄せようとするとそこの荒れ果てた台地に一人の老人を見つけました。
その老人は80歳は超えているでしょうか。格段犬を怖がるでもなく私たちを訝しがるでもなく声を掛けてこられました。
「やあどこから来たんな。」
足場の悪い斜面に立ち、ワラビやカヤの生い茂るその台地に老人は可愛い苗木を植えていました。
見渡すと彼が植えた苗木は100本以上はありそうです。
そしてフキも。
気の遠くなるほどの長い長い時間をかけてたったひとりでたくさんの木を植える老人。そして彼は言いました。
「この木やフキ達が大きく育つまで私は生きてないでしょう。でもここを訪れる人達がそれを見て楽しんでくれたらいい。サクランボやその他の果樹たちは鳥が先に食べてしまって人間の口には入らないだろうけど鳥がそれを楽しんでくれるならそれでいい。君たちもこの木が大きくなったら好きな時に来て好きなだけ取っていったらいい。」
この不毛の大地。ほとんどの人が一目見ただけで開発を諦めてしまうほどの荒れ果てた大地。もし開発するならば多くの重機を入れて大改造を考えてしまうだろう。
でも彼はたった一人の力でコツコツと木を植えている。 そしてそれは自分のためではなくて後世のため。人間だけのためではなくて多くの生き物のため。
今はワラビや雑草が生い茂るこの台地。いつか彼の植えた木が大きく育ち、たくさんの鳥たちが集うだろう。
一週間後再び訪れると、しんなりしていたフキが見事に根付いて堂々と立ち上がっていた。
私たちは自分の利益ばかりを追求して生き方を狭くしてしまっているのではないだろうか。どれほど資産があろうともこの老人ほどの心の豊かさをどれだけの人が持っているのだろう。
おじいさん、時々ここに来させてください。あなたの豊かさをほんのかけらでも分けていただきたいから。
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2013年04月18日
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