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〜 鹿児島地裁判決(2/2) 土地家屋調査士業務禁止処分取消請求事件〜
第4 判断
1 争点(1)について
(1)本件行為が司法書士の業務に属することは明らかである。また、原告は本件行為を登記手続きの代理業務として行ったものであること、4年の間に72回にも及ぶこと、原告がこれによって報酬も受け取っていることからすると、原告が反復継続の意思を有して本件行為をしたことは明らかであって、社会生活上当然の相互扶助的協力とは到底言えない。
そして、原告は司法書士の資格を有していないので、原告が本件行為を行うことは、資格を有しない者が司法書士の業務を行うことを禁止した司法書士法73条1項に違反することとなる。
(2)これに対して、原告は、1ヶ月に3ないし4回であれば、司法書士法73条1項本文に違反しないと主張するが、同条項本文に違反するか否かは単に回数のみで決するべきものではなく、回数に加えその他の事情も考慮して、行為者が反復継続の意思を持って登記申請代理をしていると認められる事情の有無で決するものであるから、原告の主張は採用できない。
(3)ア さらに、原告は、行政書士法1条の2第1項、1条の3第1号は、司法書士法73条1項但し書き所定の除外事由に当たるので、本件行為は司法書士法73条1項但し書き所定の除外事由にあたると主張する。
イ しかし、行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とすること(行政書士法1条の2第1項)、他人の依頼を受け報酬を得て、前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続きについて代理する事務を業とすること(同法1条の3第1号)ができるとされているが、当該業務に属するものであるとしても、他の法律により制限されているものについては業務を行うことはできないとされている。(行政書士法1条の2第2項及び1条の3本文但し書き。)
司法書士法は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、供託及び訴訟等に関する手続きの適正かつ円滑な実施に資し、もって国民の権利の保護に寄与することを目的として制定されたものであり(同法1条)、右目的達成のため、司法書士法73条1項本文により、司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者が司法書士の業務を行うことを原則的に禁止しているのであるから、これが、行政書士法
1条の2第2項及び1条の3本文但し書きの「他の法律」に該当すること及び同条項が司法書士法73条1項但し書きの「他の法律」に該当しないことは明らかである。そうすると、原告は行政書士の資格において本件行為をすることは許されないというべきである(行政書士法1条の2第2項及び1条の3但し書き)。
その上、行政書士が代理人として登記申請手続きをすることは行政書士の正当な業務に付随する行為にあたらない。
また、原告が主張する事情等については、むしろ立法において検討されるべき事項も含まれており、原告の法解釈は原告独自の見解であり採用できない。
ウ 以上によれば、本件行為は、司法書士法73条1項但し書き所定の除外自由に該当しないので、原告の主張は採用できない。
2 争点(2)について
(1)ア 本件聴聞会は、原則非公開である(行政手続法20条6項)。そして、土地家屋調査士からの請求があれば公開によって行わなければならないされているものの(土地家屋調査士法44条5項)、原告によって同条項の基づく事前の請求があったと認めるに足りる証拠は見当たらない。
以上からすれば、本件聴聞会を非公開とすることについて、手続き上の瑕疵は見当たらない。
イ そして、本件会員が本件聴聞会に出席したことは当事者間に争いがなく、本件会員が本件処分について利害関係を有することは明らかであるから、本件会員の出席は行政手続法17条1項に基づく主宰者の職権に基づくものであったと推認できるので、この点においても、本件聴聞会に手続上の瑕疵は見当たらない。
ウ 以上からすると、本件聴聞会において、手続き上の瑕疵はないというべきである。
なお、これに関連して、原告は、行政手続の趣旨及び近年の動向から本件聴聞会の問題点をるる主張するが、結局のところ、原告の法解釈は原告の独自の主張に過ぎず、この点においても立法において検討されるべきものという他ない。
(2)ア 原告は、司法書士法73条1項に違反する処分基準が不明確であるのに本件処分がなされたことから、行政手続法12条1項に違反する旨主張する。
イ 確かに本件処分にかかる処分基準が公にされていたと認めるに足りる証拠は見当たらない。
しかし、あらゆる場合を想定して処分基準として具体的な基準を予め画一的に定めるのは困難であり、場合によれば基準を設けることにより脱法的な行為が助長される場合もあり得るので、必ずしも処分基準を明確にする必要はなく、同条項が「努めなければならない」と規定されるとおり、処分基準の定めを努力義務とする訓示規定であると解される。
ウ 以上によれば、本件処分にかかる処分基準を公にされていなかったとしても本件処分に手続き上の瑕疵は認められない。
3 したがって、原告が司法書士法73条1項本文に違反したことは明らかであるから、原告は土地家屋調査士法2条に違反することになり、土地家屋調査士法42条3号に該当する。
そして、本件処分において、なんら手続き上の瑕疵は見当たらない。
以上によれば、本件処分に違法事由はない。
4 結論
よって、本件請求には理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。
鹿児島地方裁判所民事第1部
裁判長裁判官 高 野 裕
裁判官 玉 本 恵 美 子
裁判官 一 藤 哲 志
(別紙1)
不動産の権利に関する登記
1 平成13年4月6日受付第2252号 所有権移転(贈与)
2 平成14年3月22日受付第2635号 所有権移転(売買)
3 同年4月18日受付第2957号 所有権登記名義人表示変更
4 同日受付第2959号 所有権移転(相続)
5 同日受付第2960号 所有権移転(売買)
6 同日受付第2961号 所有権移転(相続)
7 同日受付第2962号 所有権移転(売買)
8 同年5月2日受付第3198号 所有権移転(売買)
9 同月17日受付第3547号 所有権移転(売買)
10 同年6月13日受付第4332号 所有権移転(時効取得)
11 同月14日受付第4344号 所有権移転(時効取得)
12 同年9月25日受付第6444号 所有権保存
13 同日受付第6445号 共有者全員持分全部移転(時効取得)
14 同月26日受付第6493号 所有権移転(相続)
15 同年10月1日受付第6717号 所有権移転(売買)
16 同年11月25日受付第9092号 所有権移転(時効取得)
17 同年12月6日受付第9439号 所有権移転(売買)
18 同月10日受付第9498号 所有権移転(相続)
19 同日受付第9499号 松本ハルエ持分全部移転(相続)
20 同日受付第9500号 鎌田君子を除く共有者全員持分全部移転(時効取得)
21 同月16日受付第9653号 共有者全員持分全部移転(時効取得)
22 同日受付第9654号 共有者全員持分全部移転(時効取得)
23 同月24日受付第9773号 所有権移転(相続)
24 同日受付第9774号 所有権移転(相続)
25 平成15年1月8日受付第48号 所有権移転(売買)
26 同月29日受付第851号 所有権移転(売買)
27 同日受付第852号 所有権移転(贈与)
28 同年2月17日受付第1287号 所有権保存
29 同日受付第1288号 所有権移転(真正な登記名義の回復)
30 同年5月9日受付第3302号 所有権移転(相続)
31 同月12日受付第3320号 所有権登記名義人表示変更、更正
32 同月14日受付第3361号 所有権移転(相続)
33 同月29日受付第3674号 抵当権抹消
34 同月30日受付第3680号 所有権移転(時効取得)
35 同年6月2日受付第3711号 所有権移転(売買)
36 同月10日受付第3880号 所有権移転(売買)
37 同月19日受付第4031号 所有権登記名義人表示変更
38 同月25日受付第4128号 所有権移転(売買)
39 同年7月8日受付第4422号 所有権登記名義人表示変更
40 同月11日受付第4587号 所有権保存
41 同月15日受付第4679号 所有権登記名義人表示変更
42 同日受付第4680号 抵当権抹消
43 同月25日受付第5035号 所有権移転(贈与)
44 同年8月1日受付第5105号 所有権移転(相続)
45 同月8日受付第5327号 所有権移転(贈与)
46 同月22日受付第5649号 所有権移転(贈与)
47 同月29日受付第5834号 所有権移転(贈与)
48 同日受付第5835号 所有権移転(売買)
49 同年9月5日受付第5955号 所有権移転(相続)
50 同月24日受付第6545号 所有権登記名義人表示変更
51 同年10月3日受付第7033号 所有権移転(売買)
52 同月28日受付第7537号 所有権登記名義人表示変更
53 同年11月6日受付第7706号 所有権移転(時効取得)
54 同月27日受付第8082号 所有権移転(贈与)
55 平成16年2月26日受付第1389号 所有権移転(相続)
56 同日受付第1390号 所有権登記名義人表示変更
57 同日受付第1391号 所有権移転(真正な登記名義の回復)
58 同年3月3日受付第1532号 所有権移転(売買)
59 同日受付第1533号 所有権移転(相続)
60 同日受付第1534号 共有者全員持分全部移転(時効取得)
61 同月22日受付第1879号 所有権移転(売買)
62 同年4月27日受付第2811号 所有権移転(贈与)
63 同年5月10日受付第3083号 所有権移転(相続)
64 同年6月7日受付第4307号 所有権登記名義人表示変更
65 同日受付第4308号 所有権移転(売買)
66 同月8日受付第4366号 所有権移転(相続)
67 同年7月8日受付第5322号 所有権登記名義人表示変更
68 同年8月26日受付第6372号 抵当権抹消
(別紙2)
商業・法人に関する登記
1 平成14年7月31日受付第113号 取締役、代表取締役及び監査役の変更
2 平成16年5月17日受付第55号 取締役、代表取締役の変更
3 同年6月18日受付第78号 取締役の変更
4 同年9月3日受付第134号 支店設置
これは正本である。
平成19年9月25日
鹿児島地方裁判所民事第1部
裁判所書記官 上 薗 寛 印
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ご健闘感謝します。まだまだ、改革は緒についたばかり、政治家もあなたの主張に賛同している方がいます。
検察は腐っている、高名なジャーナリスト田原氏などがやんわりと指摘しているようです。あなたの活躍は無駄になることはない。
歴史に残り、日本は輝かしい未来の中で躍動して大発展を遂げ、地球規模ではないレベルで、日本人は大繁殖を遂げています。
ありがとう、そういう声があなたに対し、今、日本に満ちています。
2007/10/22(月) 午後 8:45 [ 支援者 ]