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「反転」の著書等で知られる元特捜検事・弁護士の田中森一氏が、収監中の身でありながら、またもや大阪地検に逮捕された。今度の容疑も詐欺罪で、9千万円をだまし取ったとされる。
私は田中森一氏に深い関心を寄せている。そのきっかけとなったのは、氏の著書「反転」の内容が、私が受けた刑事司法の印象とピタリ一致していたからである。検察や裁判の実態を正直に描いているように思う。お陰で多くの日本人が、刑事裁判の実態を知ったのではないだろうか。
田中氏は手形詐欺事件で逮捕、起訴され、最高裁まで争ったが、懲役3年の実刑判決が確定し、刑務所に収監されたばかりである。だが、著書「反転」がベストセラーになり、時の人となった。立花隆氏や田原聡一郎氏らとの対談も活字になり、およそ犯罪人らしからぬ活躍を見せていた。それだけに二度目の逮捕は意外である。
検察は、なぜ、元同僚の田中氏を執拗に追い詰めるのか。そこには、検察組織特有のいくつかの根深い体質があるように思えてならない。
第一に、検察に刃向かう者に対する烈しい敵対心があるのだろう。田中氏は検察出身でありながら、退官後は弁護士を開業して闇社会と通じ、検察側と戦ってきた。被告人の無罪を勝ち取る田中氏は、検察から見れば目の上のたんこぶ的存在だったのだろう。刑事裁判の実態を知り尽くしている田中氏は、有罪率99%の世界でも無罪を勝ち取るだけの力量を備え、検察と互角に渡り合えたのではないか。検察は、天下の検察に刃向かう憎き田中氏を、なんとしても叩きつぶしたいのだろう。
第二に、田中氏が指摘しているように、検察内部に田中氏個人に対する恨みを抱いている人物がいたのだろう。強大な権力はいつしか腐敗し、私物化されがちである。検事のような絶対的な権力を手にした者は、個人の恨みを組織での地位を利用して晴らすことも可能であろう。
第三に、検察の思い上がりがある。田中氏は石橋産業事件で懲役3年の実刑判決を受けながら、著書はベストセラーとなり、マスコミにも頻繁に登場して、一躍脚光を浴びた。検察が有罪判決をもらって犯罪人の烙印を押したにもかかわらず、社会的な名声を得たとなれば、検察の威信は地に墜ちたも同然である。検察としては、なんとしても田中氏を社会的に貶め、世に天下の検察の威信を示したいのだろう。そこに検察の思い上がりを見るのである。
第四に、検察の時代錯誤がある。今や検察の正義は、日本社会の正義と大きくずれ、唯我独尊に陥っているのではないだろうか。検察は世間と隔絶した特殊な組織である。彼らがいくら裏金を不正に流用しようが、だれも手を出せない。しかし、検察は時の最高権力者でも逮捕できるほどの権力を持っている。選挙で選ばれることもなく、身分が保障されている検察官は、事実上やりたい放題したい放題である。マスコミも検察に支配されているようだから、日本の社会では、神にも等しい絶対的な存在と言えるだろう。”絶対的な権力は絶対的に腐敗する”との箴言どおり、日本の検察は腐敗堕落し、1人別世界に隠遁してしまったようである。
第五に、田中氏に対する妬みや嫉妬のような感情が、検事達を田中氏追い落としへと駆り立てたのではないだろうか。田中氏は弁護士として、顧客からの信頼を集め、事務所運営も順調で、大成功していたようである。検事は制度上絶対的な権力があるとは言え、1人1人は所詮閉鎖的な組織の一員に過ぎない。個人の力量を思う存分発揮し、社会的な成功を収めた田中氏は、現職検事達にとって羨望の的だったのではないか。
私には、検察組織は病んでいるように見える。彼らはほんとうは自信を無くしているのではないだろうか。世間からの評価を得ようと事件を摘発しても、どこか空回りしている。佐藤優氏や鈴木宗男氏についても、現段階では有罪判決が出ているが、世間の評価は事件以前より高まっている風情だ。佐藤氏に至っては、言論界の雄と言えるほど高い評価が定着しつつある。堀江貴文氏も検察に叩きつぶされたが、世間一般が犯罪者と見ているかどうか疑わしい。
検事達の見識と価値観はどこか歪んでいるのではないだろうか。私は司法書士法違反の容疑で、鹿児島地検直轄の取り調べを受けたのだが、私の目に映った検事達は、横暴かつ野蛮で、裏社会で暗躍するヤクザやチンピラ同然であった。今後ジャーナリストらによって、検察が抱える積年の弊が暴かれていくだろう。国民のための健全な検察組織を作るために、今後とも検察への関心を持ち続けたい。
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とっても立派なブログですね。
参考にさせて頂きますね。
また、お伺いしま〜す。
2008/4/16(水) 午後 8:58 [ 山本かおり@元アナウンサー ]
当ブログ久しぶりのコメント、しかもお褒めの言葉いただきありがとうございます。
2008/4/16(水) 午後 9:29 [ set*ma*e*8 ]
週間金曜日社が出した「国策捜査」という題の本がが面白いといわれています。
瀬下さんのような境遇に陥れられた人が、多数いるようです。
淡々とがんばって下さい。応援しています。
2008/6/4(水) 午前 8:37 [ yaguruma insent ]
始めまして。週プレニュースに、田中森一が語った塀の中での約5年間の記事が載っています。私は、この記事を読みあまりの可笑しさに、本人にメールをしてしまったぐらいです。当の本人は、出所後、多数のインタビューを受けていて記憶が曖昧なので、自宅にコピーを送ってあげました。今月、22日で出所して半年がたちますが、反転の魅力あるある田中森一は健在で、精力的に仕事をこなし、根強い田中森一ファンがいることに驚くばかりです。田中森一の人柄を一言で云うと、憎めない、この一言に尽きます。人類に来世というものがあるとしたら、私は、迷わず田中森一の愛人で生きて行きたい。そんな魅力ある男なんです。
2013/5/19(日) 午後 2:41 [ はるな ]