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ふと気がつけば僕は教室を飛び出していた。
このことで、僕は結局何も変わっていなかったのだと云うことに気付かされた。僕はもうすっかり優月と仲良くなりきっていたものだと信じていた。春から夏、秋そして冬と一年間で随分成長したつもりでいた。しかし、それは幻だったと云うことを突きつけてくれた。
どうしてこうなってしまったんだろう?と自問自答してみた。今までの人生では、緊張して女子とうまく話せなかったり『嫌われたらどうしよう』とか『今のままで十分だから、これ以上深追いをしたくない』とか思ったことはなかったはずだ。何度か彼女は居たものの、こんな気持になったことなどまるでなかった。いつも適当に付き合って適当に別れていた。言うなれば友だちの延長、正確に云うと友だちの数直線上に居たと云っても差し障りはなかった。
ここに至って唯一、君が運命の人だと云うことを悟った。既にこの時には、年賀状のことはすっかり諦めてしまっていた。そして僕は、ゆっくりと距離を詰めることにした。焦らず、慎重に。何にせよ、僕は君を決して失いたくはなかったのだ。ゆえに、この恋愛に失敗は在ってはならないものだと悟ることができたのだ。
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