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何時になっても、もちろん優月は現れなかった。きっと扉の外から、僕の声を聞いていたのだろう。
僕は激しく落胆した。大方、それが青田や河木に伝わったのだろう。僕たち三人の中にも重苦しい空気が流れた。
「おい、どこ行くんだよ?」
「ちょっと待てよ。」
二人の声を無視し、僕は立ち上がって部屋の扉を開け、廊下に出た。もちろん君に会うために。そして先程のことを詫びるために。
辺りはまだ賑わっていた。あっちで喋る人が居れば、こっちに騒いでいる者が居るといった有り様だった。
そんな中、向かいの部屋の入り口に君が居た。どうやら友だちと話をして盛り上がっているようだ。輝くような笑みを顔に浮かべていた。
僕は、そんな君を見て声を掛けようとした。君に詫びようとした。しかし、その勇気はあっという間になくなってしまった。
数分、君の顔を見ると、急に周りが自分を見ている気がした。だから慌てて廊下に出た理由を作るかのようにトイレに向かった。
僕はこれからのことを考えた。君は許してくれるのか、悩みに悩んだ。しかし女子の心持など分からない僕は答えを出すことはでなかった。その上、事態は余計に深刻であるように思われ始めたのだ。
その後の野活は特に何事もなく終わった。もちろん定番のキャンプファイヤー等もしたが僕の気持は一向に盛り上がる気配を見せなかった。
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