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先日の参院選は散々だったなと思う。 なにが散々かというと、プロセスが盛り上がらなかったし、 その結果として与党側がかなりの議席を占めることになってしまった。 僕は、与党がどうの、野党がどうのという以前に、 与党、とりわけ政権中枢が周りの意見を聞かずに独走できる態勢が良くないと思う。 小選挙区制の悪弊で、自民党の中でも派閥力学による均衡が効かなくなっている。 ましてや野党のいうことなど耳を貸さないだろう。 こうなってくると国民の監視能力がいよいよ重要になってくる。 あの「保育園落ちた、日本死ね」のブログの時みたいに、 国民の批判が大きくなれば多少、軌道修正も、ということにもなる。 尤もそれは参院選の前だったからと思えなくもないが、 国民が常に政治をコントロールするのが民主主義だということを、 もっと先鋭化させていかなければならないと思う。 その意味で、ブロガーとして発信者の末席を汚している立場として、 ブルグではほとんど発信できなかったことを反省もしている。 たとえ読んでいる人が少なくても、なにか発信して選挙を盛り上げるべきなのだ。 今回は何かと忙しすぎて、仕事も詰め詰めに詰まっていて、 さすがにまとまった文章を書くほどの体力がなかったわけであるが、 まとまっていなくても、少しでも、何か書いてお行こうと改めて思っている。 さて、今回の選挙で僕が思っているのはメディアの選挙報道のまずさだ。 参院選の時、一番目立った報道は何だったかというと、 「改憲勢力3分の2に迫る勢い」 という報道だったと僕は感じている。 安倍首相の内心においては「憲法改正がしたい」ということが一番の眼目だったかもしれない。 が、選挙期間を通じて、首相はこの件に一言も触れなかった。 首相のみならず、政権中枢にいる人々の応援演説でもこの件が取りざたされたという話は聞かない。 連立を組む公明党は選挙公約にすら何も載せていなかったということだ。 メディアとすれば、この件を取り上げるならせいぜい、 「改憲は争点とならず?与党なにも触れず」 といったようなスタンスとする他ないのではないか。 しかも、「改憲勢力」といっても立場は様々だ。 この点は公明党の幹部も 「我々は加憲の立場だ。現行憲法を評価しつつ足りないところを補う立場だ」 と言っている。 何が足りないかという論点はあるにせよ、 いわゆる9条改憲派と一緒くたにしていいとは思えない。 それを 「改憲勢力3分の2に迫る勢い」 などと報じてしまうと、勝ち馬に乗る傾向の有権者は 「ああ、そちらが本流か」 と、自民党(政権側)に投票する方向になりがちになってしまうだろう。 どうしてそういう報道をするのか非常に疑問だったが、 この立場は終始変わらなかった。ほとんどのメディアが。 一部のラジオ番組ではかなり掘り下げた検討や、 各党の代表者を招いてのやり取りなども行われていたが、 結局、一番目に着く報道、つまりネットニュースのトップページとか、 テレビ・新聞のトップとか、表層部分はそうだったのだ。 本当は有権者がもっと賢くならないとな、とも思うが、 民主主義の言論市場におけるメディアの影響力を考えると、 今の報道のあり方には苦言を呈さざるを得ない。 都知事選についてはどうか。 こちらは「各候補者準備不足」とか、「各候補政策なし」とか、 そういう報道が目立っていないか。 こういう報道も、いたずらに有権者の厭世感をあおるだけのように思う。 なにしろ、準備不足は仕方がないだろう。 いきなり舛添前知事が引きずりおろされての選挙戦だ。 各候補者に準備のいとまがあったはずがなかろう。 この点で批判をするとすれば各政党に対して、とりわけ野党に対してだ。 4年間で次の知事を準備して作っていくくらいの気概がなければ、 結局は現職知事の批判に終始することで終わってしまう。 現職を批判しつつ「自分ならこうする」といった知事候補が育っていれば、 今回のようないきなりの選挙でも困ることはないのだ。 もちろん、都知事選特有の難しさはあるだろう 特に最近は、政策よりも知名度や人気が大きな比重を持ちかねない状況を呈している。 しかし今回のような場合、多くの都民が 「もう有名人かどうかではない。真面目に都政を運営してくれるひとがいい」 と感じているのではないか。 その点では宇都宮健児氏の出馬と取り下げを 「出馬のゴタゴタ」 などと片づけてはいけない。 彼は過去2度の都知事選に出馬し、ご自身としての都政に対する思いを持っておられる。 そういう、政策本位の合意に基づいた適切な候補がいるならご自身が出なくてもよかったのだろうが、 そうではないから一度は出馬を決められたのだろう。 確かに、野党統一候補を決めるという点では「ゴタゴタ」ではあった。 が、それは宇都宮氏のせいではない。 むしろ宇都宮氏に乗れなかった民進党の懐の狭さを憂慮する。 そして「メディアの役割」の論点に立ちかえれば、 「政策なし」など報じるのではなくて争点をきちんと作って有権者に提示しよう。 例えば「待機児対策」など誰もが上げている。 しかしその内実、実現の方法、予算の裏付けなど、 ある程度のことは掘り下げていい。 もちろん、具体的な実務は実際には都庁のお役人が考えて提案するのであろうが、 トップの知事の考え方によってそれは大きく変わりうる。 だとすれば各施策に関して「自分はこうしたいんだ」ということを明らかにして、 それに対して有権者が審判を下すという選挙戦にしていきたい。 そうであればメディアはどう報じるのか、だ。 とりあえず今日はこのくらいにしておくか。 今週も忙しいのであまり多くのことは書いていけないだろう。 が、負けてはいられない。 与党が過半数を取るような選挙であってもあきらめては負けだ。 綱引きは続けていかないと、ものを言えない世の中になってしまう。 |
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