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エイベックスホールディングの松浦社長の「富裕層増税で日本から富裕層が消える」は、話題読んでますね。遂にヤフトピのにまで昇格してしまいましたw 松浦氏の発言とそれに関連するニュースは以下の通りです。
この手の議論になると、フローの収入である「所得税」とストックの収入であるキャピタルゲインの税率、資産持ちの「富裕層」と高額の給与を得る「高額所得者層」の定義がごっちゃになりがちなので、整理して考える事が必要です。
まず、「富裕層」の定義ですが、世界的な流れでは、フローの収入ではなく、保有資産で富裕層を規定います。クレディ・スイス、BCG、Cap Gemini、Knight Frank等が富裕層レポートを毎年発行していますが、これら会社の富裕層はHNWI(High Net Worth Individual)と規定され、最低で流動性のある資産を1000万ドル(10億円程度)保有している事が条件とされています。逆な言い方をすると、世界的な観点からみると、外資系金融に勤務し、年収1億円を稼いでいても、資産がなければ「富裕層」とは認定されてません。
なぜ、富裕層と高額所得層を分けるのが必要かというと、フローの収入に対する所得税率と、ストック(資産)に対するキャピタルゲイン税率は、まったく異なるからです。
いわゆる先進国の所得税率はどの国も累進課税制度をとっていますが、どの国も地方税や州税を含めると最高税率は50%前後ですね。また、給与所得者は一番課税をしやく、政治力もないので、財政赤字に悩む先進国政府の殆どの国で、税率アップの動いています。日本も最高55%まであがりますし、仏ホランド政権は税率75%までの引き上げを検討しています。アメリカでも年収25万ドル以上の税率は2013年1月をもって上昇しました。
所得税に加え、給与所得者には社会保障税がどの国でも5〜10%近くかかり、これは給与収入に一律にかかります(課税所得の上限を設けている国は多いです)。
しかしながら、富裕層の主要収入であるキャピタル・ゲイン税に対しては、各国税率を低くおさえています。アメリカでは、不動産も株式も、保有1年以上の「長期投資」のキャピタルゲイン税率や配当税率は20%程度と所得税より低く、この収入には社会保障納税の義務はありません。ヨーロッパの先進国ではこれらの税率が25%前後の国がおおいようです。日本の場合は、現在優遇税制が適応されていますので、株のキャピタルゲイン(短期売買含む)や配当税率が10%と、先進国の中では最低の資産課税率といえます。
このように、資産収入に対する税率は所得税率より、かなり低く設定されて、各国政治力のある富裕層を優遇しています。また資産収入は、減価償却を使った節税効果もあったり、買い替え時に非課税特例等もあったりします。このような背景から、年収$40M(40億円)の收入(殆どが不労収入)の大富豪ウォーレン・バフェット氏の実効税率は17.6%、彼のスタッフ達(ほぼ給与收入)の実効税率の平均は36%という、富裕層への税率が低くなる仕組みができています。給与収入と資産からの収入は、収入の質がまったく異なるのです。僕が会社員を辞めて、資産投資にシフトしたのも、収入の質の違いに気付いたからです。
これは「金持ち父さん」の本にも書かれていた非常に需要なポイントで、ラットレースから抜け出し、金銭的な成功を得たければ、フローの収入に加え、ストック資産と収入を増やすのが必須です。
さて、松浦氏の収入具合を分析してみましょう。まず、松浦氏は、エイベックスの持ち株の価値が90億円位保有しているので、松浦さん、あなたは完全に「富裕層」です!収入の内訳は、上記のニュースの教科書の記事に細かく書かれていますが、以下の通りです。
う〜ん。日本在住の皆さん、実効税率42%・約2億6629万円も税金払ってくださってる松浦氏に感謝しましょうね。松浦さんが、日本の税率の高さに文句言いたくなるのは、わかりますね。でも、松浦さんの場合は創業者+オーナー社長で、その権限を維持するために個人と資産管理会社を通してエイベックス株式の7.38%も保有しているので、税率面や資産分散面からは、ちょっと片手落ちの資産運用となりますかね。資産会社保有株式を53億円程度保有しているので、キャピタルゲイン税が10%と低いうちに売却して、エイベックスの2.11%より高い配当利回りの会社の株でも買えば、税率は10%まで落とせます。
しかし、エイベックスの持ち株比率が低下すると、松浦氏CEOの地位と役員報酬の4億5000万が危うくなりますね。という事なんで、その辺のジレンマを松浦氏は抱えていて、それがFacebookへの「富裕層増税批判」に繋がってるのかもしれませんね。
ということで、「富裕層」になるためには、収入の質を理解しよう、という書き込みでした。
では、Happy Investing!!!
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世界経済について
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先日、元参議院議員で、「君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?」等の著書がある田村耕太郎さんが、下記の発言をツイッターでされてました。
アメリカの一流企業の高学歴・エリート校卒従業員指向の高まりって、僕もこの10年かなり感じてきた事なんですよね。実際、質疑応答サイトのQuoraで、下記の「MBAとか良い大学の修士持ってないと、シリコン・バレーで出世は難しいか?」という質問に、長尺回答しています。僕のシリコン・バレー企業での経験上、エリート大学や大学院のベースにした足切りが、確実に進んでいると思っています。
せっかくなので、今回は、米エリート大学の典型である、アイビーリーグ校、その中でも、ハーバードの4年制学士の難関化(=シグナリング効果向上)について検証してみましょう。
まず、アメリカでの年間の学士号取得者数推移ですが、1960年頃は年40万人→1970年70万人→1980年90万人→1990年100万人→2000年120万人→2010年160万人と、継続的に増加しているのが明らかですね。特に2000年からの10年は、120万人→160万人と破竹の増加です(よって、新卒の失業率上昇や、高卒レベルの職に就く、「大学は出たけれど」状態に、アメリカでもなってます)。
4年制大学への進学率を見ても、1980年29.9%→2010年41.4%と10ポイント以上増加しています。
上記の大卒急増の背景にあるのが、アメリカの大学適齢人口の増加です。下記は2000年→2010年の年齢別人口推移ですが、大学適齢人口は、15歳〜19歳は9,0%、20歳〜24歳は13.8%も増加しています。
まとめますと、また、政府系のNational Center for Education Statisticsのレポート以下の通り学生数の増加を分析しています:
この通り、大学適齢人口の増加+大学進学率増加で、アメリカで大量の大卒を生むことになったのが、お分かりになると思います。しかしながら、このような状況下で、アメリカのエリート大学への入学難易度度は確実に上がっているようです。
下記は、2012年3月のCNN記事ですが、アイビー校の合格率は史上最低との報告です。大学別だとハーバード5.9%<イエール6.8%<コロンビア7.4%<プリンストン7.9%<ダートマス9.4%<ブラウン9.6%<ペン12.3%<コーネル16.2%となっています。
The Ivy Coachの2003年入学(Class of 2007)から2012年入学(Class of 2016)のアイビー校の統計をチェックしても、合格率は確実に下落(=難易度アップ)していますね。米フルタイム学生数が過去10年で45%上昇したにもかかわらず、アイビー校の定員は、2003年13,350人→2012年13,894人と4.1%しか増えませんでした。合格率に関しては、定員が増えずに、大学入学希望者が増えたので、2003年15.9%→2012年9.4%と、6.5ポイントも難易度が上昇しています。この辺が、米エリート校のシグナリング効果の上昇を象徴する数字かもしれません。
そして、Harvard Magazineの2011年の記事では、ハーバード4年制大学への海外留学生比率は、1986年6%→2011年10%増加しているので、米国内から入学難易度はより高くなっていると言えるでしょう。
日本の場合は、18歳年齢が、1992年の205万人をピークに、2012年120万人位まで激減しました。東京大学では定員数が年3000人位でこの何十年も変わっていないので、ゆとり教育の影響等もあり、入学難易度は下がったと言えるので、米のトップ校と対照的ですね。定員を18歳人口で割った東大生遭遇率は0.25%になりますが、ハーバード大生遭遇率は、米18歳人口を440万人、米国人ハーバード入学者数1485人で計算すると0.03375%になるので、ハーバード入学難易度が理解しやすいかとおもいます。
早稲田大学は、大学院生まで含めると学生数は、1990年47,212→ 2007年54,228人に増加していたりします。慶応義塾も学部が増えたぶん、学生数も増えているはずなので、以前と比べ、シグナリング効果が下落していると言えるでしょうね。
アイビー校やスタンフォード等の米エリート大学のシグナリング効果と収入の上昇は、ランド研究所・コーネル大の調査でも明らかになっています。
実際、Payscale社の米大学の投資対効果ランキングは、1HMC、2CIT、3MIT、4スタンフォード、5プリンストン、6ハーバード、7ダートマス、8デューク、9ペン、10ノートルダムで、HMCやCITという小規模の理系大学を除き、残りの大学はすべて年間授業料5万ドル以上のエリート大学が占めています。 これって、「頭がよくない」と稼げないのが現代社会の象徴なお話ですね。米で格差が広がる背景には以下があります。IT化でCognitive Ability(認知能力)が高い層向け高収入職の増加;ビジネスの複雑化・グローバル化;大企業サイズが60年代より8倍と巨大化;高学歴同格婚による子息の階層化。この結果、エリート校を卒業した、少数のグローバルエリート達(1%?)に、良い職や給与が集中しているからでしょうね。
この傾向は、90年代前半に「マイクロソフトの競合で一番恐れているのは何処会社?」という質問に対するビル・ゲイツが「ソフトウエアはIQビジネスなので私達はIQ戦争に勝たなければならない。よって私達の最大の競合は、IBMやHPではなく、最優秀人材を惹きつけるGSやMS等の投資銀行である。」と答えた頃から始まったんでないかと思います。
これは、2006年のエコノミスト誌の記事ですが、Goldman Sachs、GE、Googleといった、いまをときめく企業が「最優秀人材獲得」の激しい競争を描いています。11年のForbes誌記事では、Googleはエリート大学・大学院の上位層しか採用しないと指摘しています。
そして、米アイビー校でも、卒業生の半数近くが金融、コンサル、会計等の高給与な専門職を選ぶという、相思相愛関係が出来上がり、最初に田村さんが指摘したような、「若手リーダーの製造過程の均質化」が起こっているでしょう。以前、ブログで指摘した通り、「頭がよくないと、人並み以上の暮らしができない」世の中になっているのは確かですね。
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調査会社のGfK NOPが世界主要国の国民の幸福度に関する調査を発表しましたので、紹介します。
昨年あたりは、国民幸福度が高いといわれるブータン国王の来日等もあり、日本でも「幸福の経済学」に関する議論がちょっと盛り上がりましたね。しかしながら、アベノミクスで経済成長に舵取りが進み、今のところ株価などで結果が出てますので、「幸福議論」は何処に行ってしまったようで。
幸せな国民が多い国のランキングは以下の通りです。エジプト、インド、メキシコ、ブラジルなどの新興国がトップ10入りしているのが、興味深いですね。豪、米、カナダ、スウェーデンはお決まりという感じでしょうか?
Australia 46%>USA 40%>Egypt 36%>India 34%>UK 32%>Canada 32%>Mexico 31%>Sweden 30%>Brazil 29%>Saudi Arabia 28%。
不幸せな国民の多い国は以下の通りです。3つに分類できますね;1)東欧を中心とした新興国、2)台湾・香港といった豊かだけどセイフティクッションが少ない小国、3)日仏といった経済が長期低迷する先進国。
Hungary 35%>Russia 30%>Turkey 28%>South Africa 25%>Poland 24%>Philippines 23%>Japan 21%>Taiwan 19%>France 18%>Hong Kong 17%
幸福でいるための重要な要素は以下の通りです。この応えは国によってかなり違ってそうなので、生データをチェックしたいです。
健康 84%>持ち家 60%>子供 48%>興味深い仕事 46%>自由時間 36%>庭 22%>高級車・2台目の車 19%>最先端の家電・ガジェット 19%
この手の調査は、いくつかの会社が手がけており、有名ドコロでは下記があります。
アベノミクスの結果、格差が広がり、まだこの幸福の経済学議論は盛り上がってくるような気がします。
では、Happy Investing!!!
P.S. 過去のブログ書き込み、「幸福の経済学?」ぜひお読みください! http://bit.ly/x38hom
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世界的な会計事務所のErnst & Youngが2012年の世界各国のグローバル化インデックスを発表しました。貿易、人材、IT、文化の側面から世界60国をランク付けしたものです。
下記の通り、1位から9位までは揃って「小国」がランクインしています;1香港、2シンガ、3愛、4ベルギー、5スイス、6蘭、7スウェーデン、8デンマーク、9ハンガリー。これは資源の無い国が、経済的な発展を遂げるために、投資が集まりやすく英語が通じるビジネス環境を作り、人材をグローバル化を進めた成果なんでしょう。
いわゆる大国は10英、25米、30伊、43日本、44中、45伯、48露、54インドと、ヨーロッパの首都とも言えるロンドンを抱える英を除き苦戦しています。内需大きく、黙っていてもその市場目当ての投資が入ってくる大国は、ある意味怠けていて、小国程努力をして来なかったんでしょうね。
先日ブログに書き込んだ「生まれてきてよかった国」ランキングでも、上位は1スイス、2オーストラリア、3ノルウェー、4スウェーデン、5デンマーク、6シンガポール、7ニュージーランド、8オランダ、9カナダ、10香港と小国のオンパレードです。
いわゆる先進国は、ドイツ・アメリカが16位、イタリア21位、日本が25位、フランス26位、イギリス27位となっており、完全に「第二集団」的位置づけですね。
下記のチャートは、藤沢数希氏の「凋落した日本の一人当たりのGDPと地方分権」の2008年時点(円安でした!)の 各国の一人あたりGDP比較です。ここでも上位は小国ばかりですね。藤沢氏はブログで、日本の一人あたりGDPを上げるためには、地方分権が必須と説いています。
次は、Citiが予測する2050年の一人あたりGDPです。1シンガポール13.7万ドル、2香港11.6万ドル、3台湾11.4万ドル、4韓国10.7万ドル、7カナダ9.6万ドル、9スイス9.1万ドル、10オーストリア9万ドルとやはり小国が上位に並んでいます。
この話してると「日本はどうすんの」とかなり暗くなってしまいますが、上記の藤沢数希氏の指摘するように、地方分権強化で小回りの聞く社会をつくり、3大都市圏リソースを集中投下して、グローバル化を乗り切るしかないかなとは思いますね。
下記は、会計会社PWCの2008年と2025年の都市圏別ひとりあたりGDP予測です。上位はアメリカの「高学歴」で「期間産業」を持つ都市圏が08年→25年と上位を占めています。アメリカはGDP的には世界最大の国で、図体はデカイですが、実は都市圏や州レベルで非常に激しく競争しています。上記のグローバル化インデックス等もNYやSF都市圏を国として調査すると、間違いなく上位に食い込んでいると思われます。実際に世界の高学歴移民の4割はアメリカの大都市を目指しています。ある意味、日本の分権や生き残り戦略において、一番参考になるモデルケースだとは思いますね。
では、Happy Investing!!!
P.S. 過去のブログ「日本も大都市圏に経済資源集中すべき?」も参照ください! http://bit.ly/fVuMjM
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1月21日付けの日経に以下の記事が掲載されておりました。
中小企業の交際費、全額損金算入 政府・与党方針 http://s.nikkei.com/10NXFLV
現在は資本金1億円以上企業(=大企業)の交際費は、全額「非」損金扱いです。資本金1億円以下の企業(中小企業)は、年600万円を上限に9割までしか算入できません。政府は、交際費の全額を対象にして損金扱いを認め「中小企業の営業活動を後押しする」としています。また、損金算入できる交際費の上限額も引き上げる方針で、24日をめどにまとめる2013年度税制改正大綱に盛りこむ、との事です。
この税制改革の経済効果がどの位あるのかと、さくっと調べましたところ、下記の税理士さんのブログより、資本金別の交際費のデータがありましたので紹介します。
表で見る法人企業の実体-国税庁調査-税制改正の影響で交際費が減少|森田大税理士事務所 http://bit.ly/VmeZBe
2008年のデータだそうですが、資本金一億円以下企業の損金不算入額が6千億円近くあり、この額の4割が法人税課税されているということになります。全額損金算出が認められれば、この半分の3千億円位の交際費が伸びる可能性があるかもしれませんね。 でも、資本金1億円以下企業が交際費の68%を占める点とか、資本金が少なくなる程営業収入10万円当たりの交際費が増えるのって、経費経済の日本らしいですね。12月末の日経ビジネス記事で、日本の資産1億円以上170万世帯の34%は中小企業社長(60万人)とありましたが、経費は小遣いみたいなもんなんでしょうね。
安倍政権はいろいろ賛否両論ですが、議員数的には圧倒的支持で選ばれたのかなり飛ばしてますね。このスピード感とおもいっきりの良さは評価すべきでしょうね(僕は個人的には円安政策は?ですが)。
では、Happy Investing!!!
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