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妻のおもいやり
私はソバが好きです。
娘夫婦が来たときとか、息子夫婦と一緒に、ちょっと離れた山奥の蕎麦屋に年に何回か食べに行く。
それがここ2年くらい、私は仕事に余裕がもてなくてお留守にしていた。
歳のせいで仕事においつかなくて、精神的に追い詰められているのです・・・
数日前に妻が、「お嫁さんが蕎麦を食べに行きたいと言っている」と、私に言った。
めずらしいこともあるな、と私は思った。
おとなしくて、遠慮深いタイプのお嫁さんが、自分から食事にいきたいなんて?
しかも、どちらかというと、ご飯の好きな人が?
その後、私はそのことを忘れていた。
すると、妻がまた言った、「せっかく千絵(嫁さん)さんが言ったのだから、お蕎麦を食べにいきましょう」
その件を思いだし私は、「そうだね、一緒に行ってくれるなんて嬉しいことだものね」と応じた。
妻は、「そうですよ。年寄りを避ける家が多いのに、ありがたいことです」とつぶやいた。
その通りだと思う。
ありがたいことです。
さっそく、この連休に行ってきた。
自分の家でつくっている信州蕎麦屋。
客を見込んで11時20分に着いたのに、横浜、はじめ県外の客がずらりと並んでいる。
1時間まち。
孫と遊びながら順番をまった。
でも心は温かかった。
大盛りでいただいた。
何とも言えない肌ざわり、ツルリ感。
お嫁さんは、自分から言いはじめたことなので、請求書を自分のもとに置いていた。
食べ終わった私は、「おいしかった、またこようね」と言って、笑顔で請求書をとった。
家に帰った時に、お嫁さんは、「ありがとうございました」と、妻と私に礼を言った。
「こちらこそありがとう」と妻が言った。
千絵さんは店の人から、「3日前から新蕎麦になったばかり」と、聞いて大喜びだったそうだ。
あとで、妻が教えてくれた。
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