男の背中

今日の命の燃え方はどうだったのだろう?自分の背中を感じながら。

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男の背中 268

ショート・スト−リー  「どうにもならない」
 
久雄じいさんは、内心では自分の顔は若い、年齢よりも相当に若々しいと思っている。
 
 

男の背中 267

  止まぬ風
 
 今日は命を燃やしたか?
 娘夫婦と孫が新年の挨拶にきた。
 内孫の菜っちゃんが急に熱を出したので、息子夫婦が看病で席を外した。
 
 妻が体調を崩しているので、客の娘と用意されていた料理を出したり、接待したり、外孫にお年玉をあげたり、片付けをしたりと よく動いた。
 
 明日の朝は、お雑煮の用意をする。
 娘も手伝ってくれるだろう・・・・
 
 でも命を燃やした、と感じるほどではない・・・
  内面から湧き出るものに応じる仕事ができなければ。
 
 
  あと残された10年の命・・・・・
  生きている  心に止まぬ   風が吹く。

男の背中 266

  妻のおもいやり
 
 私はソバが好きです。
 娘夫婦が来たときとか、息子夫婦と一緒に、ちょっと離れた山奥の蕎麦屋に年に何回か食べに行く。
 
 それがここ2年くらい、私は仕事に余裕がもてなくてお留守にしていた。
 歳のせいで仕事においつかなくて、精神的に追い詰められているのです・・・
 
 数日前に妻が、「お嫁さんが蕎麦を食べに行きたいと言っている」と、私に言った。
 
 めずらしいこともあるな、と私は思った。
 おとなしくて、遠慮深いタイプのお嫁さんが、自分から食事にいきたいなんて?
 しかも、どちらかというと、ご飯の好きな人が?
 
 その後、私はそのことを忘れていた。
 
 すると、妻がまた言った、「せっかく千絵(嫁さん)さんが言ったのだから、お蕎麦を食べにいきましょう」
 
 その件を思いだし私は、「そうだね、一緒に行ってくれるなんて嬉しいことだものね」と応じた。
 妻は、「そうですよ。年寄りを避ける家が多いのに、ありがたいことです」とつぶやいた。
 その通りだと思う。
 ありがたいことです。
 
 さっそく、この連休に行ってきた。
 自分の家でつくっている信州蕎麦屋。
 客を見込んで11時20分に着いたのに、横浜、はじめ県外の客がずらりと並んでいる。
 1時間まち。
 
 孫と遊びながら順番をまった。
 でも心は温かかった。
 
 大盛りでいただいた。
 何とも言えない肌ざわり、ツルリ感。
 
 お嫁さんは、自分から言いはじめたことなので、請求書を自分のもとに置いていた。
 食べ終わった私は、「おいしかった、またこようね」と言って、笑顔で請求書をとった。
 
 家に帰った時に、お嫁さんは、「ありがとうございました」と、妻と私に礼を言った。
 「こちらこそありがとう」と妻が言った。
 
 千絵さんは店の人から、「3日前から新蕎麦になったばかり」と、聞いて大喜びだったそうだ。
 あとで、妻が教えてくれた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

男の背中 265

  一ついいところがあればいい
 
 久しぶりの休みだった。
 クルミの木の枝おろしをした。
 梯子にのぼって枝を切る。
 すると息子夫婦の住む家の階段の電気が点いていることに気付いた。
 
 如何にもお嫁さんらしいと思った。
 
 ちょっと、私たちの住んでいる母屋に用事があり、私は玄関に入った。
 すぐに目に入った、 明るい電気がついたままトイレのドアが開けぱなし。
 
 大方、あわてて孫の小便をさせたのであろう。
 
 茶の間にいるお嫁さんに、「上の家の階段の電気がついていたよ」と言った。
 「ああ、そうですか」とお嫁さん。
 玄関に出てくれば、トイレの電気にも気づくだろう。
 
 枝おろしを続ける。
 お嫁さんが自分たちの家にいく。
 階段の電気が消えた。
 
 高いところの枝おろしに手間取った。
 「12時ですよ」と、お嫁さんがお昼の連絡にきた。
 遅れては小さな孫に悪いので、服を着替えて手足を洗って、母屋に急いだ。
 
 玄関に入る。
 ああああ〜、と私の心が叫ぶ。
 トイレのドアがあいていて、明るい電気が点いたまま。
 悪い予感があるにはあった・・・・・
 
 私はいろんな思いをシャッフルするように頭を振った。
 いいところがあれば、それでいい。
 
 何も言わないでトイレの電気を消し、ドアをしめて、ダイニングに入った。
 私の育てたサツマイモの焼き芋が何とも言えない匂い。
 お嫁さんと孫と、妻と私、皆でおいしくいただいた。
 
 人はなにか一ついいところがあればそれでいい。
 
 
 
 

男の背中 264

   静寂
 
 息子の帰りが遅いというので、同じ敷地内のお嫁さんと4歳と1歳の孫二人が、一緒に夕食を食べていくという。
 嬉しい。
 日中は、私たちの家にずっといるというのに。
 
 夕食中に息子から、「明日に会議が延期され、すぐに帰る」と言う電話があった。
 お嫁さんは、「それでは、明日もこちらで一緒に夕食を食べていきます」と言う。
 嬉しい。
 
 でも明日もまた遅くまで孫と一緒にすごさなければならない。
 孫が楽しいように相手をすることは大変。
 疲れる。
 
 帰ってきた息子が夕食を終えて、孫を連れて帰ってホッと一息。
 私は歯を磨きながら、二階への階段に腰をおろした。
 
 静かな時の中で、安らぎを覚えていた。
 しかし、ずっとこのままが幸せだろうか・・・・
 
 孫たちがいて大変だったからこそ、この時間がある。
 ずっとこの静寂の中で妻と二人きりで、時をすごしていたら?
 
 あまりに淋しすぎる・・・・・・
 
 妻に声をかけた、「疲れるけど、幸せだよね。」
 「本当に。その上に男の子と女の子まで授かって」と妻の声。
 
 「神様と仏様に感謝しなきゃ」と私。
 「本当に」と、妻はまた言った。
 
 私は言葉に出さなかったけど、お嫁さんが私たちの所で好きなように動けるようにしてくれた妻の心に、もっと深く感謝していた・・・・
 
 
 
 

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