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初雪
いよいよ師走です。
祝うかのように、初雪が音もなく降り続いておりました。
寒い雪です。
おばあちゃん(私の母)の老人ホームに行ってきました。
洗濯物を棚に入れたり、話をきいたり。
毎回、あれ持ってこい、これ持ってこいの要望を聞いたり。
とにかく元気です。
そして毎回のように、私は暗い気持ちになって帰ってくるのです。
今回は、こんなことで;
おばあちゃんは、寒いので、食事の時に着るハンテンをもってきてくれ、とのこと。
「どこにしまってあるの?」と私。
「それは直子さんが知っている」とお婆ちゃん。
私はエエッ???
「直子は、お婆ちゃんの部屋には入らないということを知っているでしょう」と私。
(過去に、妻がお婆ちゃんのものを盗み出す、とお婆ちゃんが言い張るので、妻はお婆ちゃんの離れの部屋には入らないようにして、お婆ちゃんの一切の世話を私がしています)
お婆ちゃんはまるで何もかも知っている、義男(私)は何も知らないという風に首をふって、「いいや、直子さんはしょっちゅう私の部屋に入っている」と言う。
だからハンテンのありかも知っている、と言う論法です。
私は絶望です。
いまだに、こんなことを言っている。
この施設に入所してからも、4年になるというのに・・・・
瞬時に私は過去の呪わしいお婆ちゃんの妻への行動を思い出しました。
もう約30年も前からです。
むしろ妻は、母の誕生日とか、母の日とかによく気をつかってくれた。
日常もお婆ちゃんの言うことを尊重してきた。
それなのに、妻に信じられないあつかいばかりを。
挙句に、泥棒あつかいまで。
今まで何回こんな母を注意し、時にしっかりと叱りつづけたことだろう。
それなのに、いまだに・・・
これが我が母?
再びするどい痛みが、木枯らしが吹き荒れるように私の心を突き抜ける。
もうすぐ94歳の母が、まだ私の心をムシリとる。
外は初雪、私のこころは深い森の中。
家に帰っても、誰にもこのことは話さない、話せない。
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