李英愛研究

ネットの記事でイ・ヨンエさんに迫ります

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

祝 男女の双子出産

 2011年2月20日午前10時20分頃、イ・ヨンエはソウル特別市チュング(中区)にある総合病院のサムスン第一病院貴賓室で男女の二卵性双生児を出産した。母子ともに産後の経過は良好だそうで、2月23日午前零時ごろ、夫や関係者に付き添われて退院した。この後、産後の健康管理のためにカンナム(江南)にある産後養生院に滞在する予定とのこと。

 イ・ヨンエさん、ご家族の皆様、チュッカハムニダ(おめでとうございます)。

[朝鮮日報](日本語版 2月23日)
【フォト】イ・ヨンエ無事退院
http://www.chosunonline.com/entame/20110223000011

[朝鮮日報](2月23日)
[写真]変わらない明るい微笑で退院するイ・ヨンエ
http://photo.chosun.com/site/data/html_dir/2011/02/23/2011022300133.html

[メディカル・トゥデイ Myスター](2月23日)
イ・ヨンエ、明るい姿で退院…"関心を持って下さってありがとうございます"
http://mystar.mdtoday.co.kr/mystar/index.html?no=457795

[朝鮮日報](日本語版 2月22日)
「双子のママ」イ・ヨンエ、臍帯血を保管
http://www.chosunonline.com/entame/20110222000056

[スター・ニュース](2月22日)
’オンマ’イ・ヨンエ、65万ウォンVIP病室は?
http://star.mt.co.kr/stview.php?no=2011022212394247549&type=3

[聯合ニュース](日本語版 2月21日)
[芸能]イ・ヨンエさんが二児の母に、男女の双子出産
http://japanese.yonhapnews.co.kr/enter/2011/02/21/1000000000AJP20110221001200882.HTML

[朝鮮日報](日本語版 2月22日)
40歳イ・ヨンエ、自然分べんで双子出産
http://www.chosunonline.com/news/20110222000029
記事入力 : 2011/02/22 10:22:20

[朝鮮日報](日本語版 2月21日)
イ・ヨンエの「特別な」出産
http://www.chosunonline.com/entame/20110221000040

[ニュース エン](2月21日)
[フォト・エン]高齢で双子出産のイ・ヨンエ
病室を訪れた夫チョン・ホヨン ’口元に微笑を浮かべて’
http://www.newsen.co.kr/news_view.php?uid=201102212029421001

[ニュース エン](2月21日)
双子出産のイ・ヨンエ父親“孫は婿、孫娘は英愛に似ていた” (インタビュー)
http://www.newsen.co.kr/news_view.php?uid=201102210827041001

握りメシだよ人生は

 先日、行き付けのスーパーで板海苔を探して棚の間をぼんやり歩いていたら、特価品と思われる商品を陳列する場所に味付海苔がでていた。板海苔を三等分した大きさで36枚入りである。これの味無しというか、塩味だけの三等分板海苔は100円ショップでよく購入する。こちらは板海苔12枚分で298円である。これだけ買ってレジ袋持参にすると、2円引きで296円になる。100円ショップより若干割高なのかなと思いつつ、カゴに入れてしまった。

 実は、働きに行く時に弁当を持参している。といっても、握りメシ一個とインスタント味噌汁、それに紅茶と缶詰の果物ですべてである。握りメシは調味梅干二個を入れた海苔結びである。海苔を切らした時は塩結びである。インスタントの味噌汁は、いろいろ試してみて100円ショップにあるとうふ汁(五杯入り)ばかり使っている。紅茶も100円ショップであるが、果物の缶詰は普通のスーパーの98円のもの(中国産を含む)を入手している。小伝馬町の獄医が主人公の時代小説に、当時の牢獄の食事は盛り切りの一膳メシに汁一椀とあったから、それとたいして変わらない。しかし、紅茶も飲めるし、缶詰とはいえ果物までついているので贅沢に近いのではないかと弁当を使いながら思っている。

 御結びを握るのはメシを炊いた直後であるが、条件反射的に手のひらに塩をとって握る。そして、三等分海苔を2枚、すなわち板海苔の2/3を使って巻きつける。これがなかなか難しい。なにしろ大ぶりのご飯茶碗一杯分のメシを握るので、海苔をどう巻きつけても隙間が出来る。しかし、海苔を切り貼りして何とかでっち上げる。

 御結びを"握る"といっても、実際に力任せで握ってはうまくないようである。かといって、ご飯茶碗に盛ったメシをそのまま軽くまとめるだけでは御結びにならない。やはり御握りは"握る"のである。その按配が難しい。固めすぎるとかじった時に口の中でメシがふわっと解ける感触が楽しめない。また、ある程度固めないと携帯が困難であるし、かじった時にバラけた感触しか残らない。中に入れた調味梅干も真ん中でなく周辺に偏ってしまい、一口ごとにおかずとして機能するという本来の役目を果たせない。自分は調味梅干の軟弱な味を仕方なく受け容れている以上、その位置に関して妥協することは出来ない。

 昨日握った御結びには味付海苔を巻いた。100円ショップで入手する三等分海苔より板厚である。巻きつけにくい。握っているとべたつく。しかし、海苔にどんな味がついているのか試食もせず働きに出た。そして、いざ食う段になって御結びを仔細に見れば、メシの水分をたっぷり吸った海苔が黒々としている。100円ショップの海苔だと黒緑っぽい色なのだが、やはり少し値段が高いせいだろうか。食べてみると、かじった後の歯型のところに茶系統の染みが見える。醤油ベースの出汁をきかせたのかもしれないが、化学調味料と砂糖でだしたような甘い味であった。

 "味付"というのは"旨味付"ということであろうが、どうも"旨味"は"甘味"なのである。甘味であれば文句は出ないだろうという開発意図であろうか。以前このブログに書きこんだ覚えがあるが、著名な民俗学者の本に、明治維新以降、総じて食べ物の味が甘くなったという話があった。あの話は戦後も一貫してあてはまるだろうし、いわゆる'失われた十年'の後にも依然としてあてはまるだろう。甘味を人工甘味料や砂糖、麦芽糖、その他の何とか糖でつけているものは言うまでも無い。有機何とかで栽培した食材でつけたものであれ、工場で食品添加物によってつけたものであれ、甘味は甘味である。例えば、霜降り肉の旨味は概ね脂身の旨味を指すし、大トロの旨味も魚脂の旨味であろう。霜降り肉にも大トロにも久しく縁が無いので乏しい記憶を頼りに判断するしかないのだが、あの脂(あぶら)の旨味も詰まるところ甘味である。

 三等分味付海苔は分厚く残っている。自分は味付海苔を食卓で楽しむ習慣を持たない。温泉旅館の朝食を自宅で再現することは無い。醤油をつけてしょっぱくすればよいという話にはならない。煮詰めて海苔の佃煮もどきにする手もあるが、味を改善する自信はない。主に御結びに巻いて使い切るしかない。"甘味"の効いた御結びをあと何個食べることになるのだろう。

ワリィ (カタラーニ)

 『ワリィ(La Wally)』はルッカ出身のアルフレード・カタラーニ(1854-1893)が物故する前年、1892年1月20日に初演された第六番目のオペラで、彼が作曲した最後のオペラである。原作はヴィルヘルミーネ・フォン・ヒレェルン(Wilhelmine von Hillern)という女優にして小説家が書いた山岳ロマンで、あのルイージ・イッリカ(Luigi Illica)がリブレットにした。どちらかというと評判が今一つだったカタラーニのオペラ中、この作品は大成功をおさめたそうだ。

 原作は"Die Geyer-Wally (Wally the vulture)"(Berlin 1875)で、日本語にすれば"ハゲタカ ワリィ"ということになり、ちょっと興醒めな題名である。この小説は読んだことがないので、リブレットが原作を忠実になぞっているのか、そうでもないのか、よくわからない。ただ、この原作者の別の作品は米国の独語学習者のテキストに使われて有名らしいので、読みやすい小説なのではないかと想像する。

 手元にあるCDはワリィ役を十八番としたテバルディがタイトルロールを歌うモノーラルのライヴ録音(Istituto DIScografico italiano)である。有名な1968年の録音ではなく、録音状態ははっきり言っていまいちである。しかし、ジュリーニの指揮による録音はこれしか知らないので仕方ない。

 CD添付の解説によれば、録音された公演はこのオペラの新演出で、1953年12月7日、ミラノの守護神である聖アンブロジオの日のイヴに前夜祭として企画された。当初、ヴィクトール・デ・サバタ(Victor de Sabata)がタクトを振る予定であったが、この年に心臓発作で倒れ、ローマのRAIで音楽監督をしていたジュリーニが代役を務めることになったのだそうだ。また、これはレナータ・スコットがミラノの劇場にデビューした演奏会とのこと。

 (以下の地名や人名はドイツ語式の表記に徹したものではない。)

IDIS 6401/2
ALFREDO CATALANI 1854-1893
LA WALLY

出演:
レナータ・テバルディ − ワリィ
マリオ・デル・モナコ − ハーゲンバッハ
レナータ・スコット − ワルター
ジャンジャコモ・グェルフィ − ゲルナー
ジョルジオ・トッツィ − ストロミンガー
ヨランダ・ガルディーノ − エイフラ
メルキオーレ・ルイーゼ −歩行者
伴奏:
ミラノ・スカラ座オーケストラおよび合唱団
指揮:
カルロ・マリア・ジュリーニ
1953年12月7日 スカラ座でのライヴ録音

<あらすじ>

 第一幕 チロルのホッホシュトーフ(Hochstoff)、1800年ごろ。
 裕福な地主(農夫)のストロミンガーは自らの70歳の誕生日を射的大会で祝っており、ヴィンセンツォ・ゲルナーが優勝する。ツィター奏者のワルターはストロミンガーの娘のワリィについての唄を歌う。ワリィは人里離れた山々を愛好する娘である。隣村のゾルデンからやって来た若い狩人たちが狩りから戻ってくる。その中にジュゼッペ・ハーゲンバッハがいる。彼は一頭の熊を仕留めており、自分の手柄を誇らしげに自慢する。彼の亡き父親の仇敵であったストロミンガーは熊の仕留め手をあざ笑い、これが荒っぽい口喧嘩を引き起こす。そこへワリィが突然登場し、小競り合いをおさめる。彼女とハーゲンバッハはお互いに強くひかれ合うが、どちらもそのことをあえて言い出さない。彼らの密やかな愛を見逃さなかったゲルマーはそれを嫉妬し、ストロミンガーに自分が見たことを話す。農夫のストロミンガーは自分の娘をゲルマーの嫁にすることを決意するが、ワリィはゲルナーを拒み、父親に反抗する。ストロミンガーが娘を勘当すると、彼女は村を去って山岳地域に定住する。ワルターが彼女に付き従う。

 第ニ幕 ゾルデン、一年後。
 聖体の祝日の行列のために村人たちが集まっている。ゲルナーやハーゲンバッハ、それにワルターもそこにいる。父親の死後、この地方で一番の金持ち女になったワリィも不意に現れる。彼女はまだ男と接吻(キス)をしたことがないと艶っぽく語り、自分にうまく接吻できた男と結婚するつもりだと言いきる。村人たちがミサのために教会に入ると、ゲルナーがワリィに近づき、彼女に対する永遠の愛を告白する。そして、ハーゲンバッハは今はエイフラを愛していると告げる。かわいらしいエイフラはゾルデン出身の宿屋の主人である。ワリィはこの知らせに苛立ち、即座にエイフラに対して気に障るようなことを言う。ハーゲンバッハが飛びこんできてこの少女の味方になり、自分がワリィと接吻できるかどうかで農民たちと10ターレルの賭けをする。レントラーとワルツの音楽が響くなか、ワリィとハーゲンバッハはお互いの愛を宣言し、熱烈な接吻を交わす。ゾルデンの村人たちはこのカップルを祝福し、賭けに勝ったハーゲンバッハに拍手を送る。ワリィは騙されたと感じ、深く傷つく。"私は彼に死んで欲しい"と、彼女はゲルナーに語る。ゲルナーはいまなお完全に彼女の意のままである。

 第三幕 ホッホシュトーフ、同じ日の晩。
 ワルターはワリィに付き従って帰宅する。ゲルナーがホッホシュトーフに戻る途中、ハーゲンバッハもワリィの家に向かっていてワリィに許しを乞うつもりだと祭りの参加者の一人がゲルナーに語る。ゲルナーは橋の近くに身を潜める。戸外で嵐が吹き荒れると、ワリィは自らの殺人の願いを後悔し、ハーゲンバッハを許そうと決心する。しかし、ハーゲンバッハが橋に近づいた時、ゲルナーが彼に忍び寄って峡谷に突き落としてしまう。ゲルナーはそのあと、自分の策略がうまくいったことを誇らかにワリィに知らせる。しかしその時、峡谷から叫び声が聞こえる。ハーゲンバッハはまだ生きている! ワリィは彼を救うために村人たちを呼び集める。しかし、暗く不吉な峡谷を下降する勇気を持ち合わせているのは彼女だけである。彼女は気絶したハーゲンバッハをロープで結び、彼を峡谷からひっぱりあげる。それから彼女は彼をエイフラに任せ、この少女に自分の全財産をも与える。いまや村人たちによって英雄と称えられているワリィは、完全な孤独のうちに暮らすべく山岳地帯へと隠遁するのであった。

 第四幕 12月のムルツォール・ピーク (the peak of the Murzoll)。
 ワルターがクリスマスにワリィを村に連れ戻すべく山を登ってくる。しかしながら、ワリィはワルターを帰し、孤独のうちに雪の中で死ぬことを願う。長い間ワリィを探しつづけていたハーゲンバッハがそのとき突然登場する。二人は互いの愛をあらためて告白し、新たな生活を始めることを決意する。二人は山を下り始める。しかし嵐が起こり、ハーゲンバッハは霧の中で道に迷ってしまう。轟音と共に雪崩が山を滑り落ち、ハーゲンバッハを飲み込んでしまう。そしてワリィは渦巻く雪の中へ身を投じる。ハーゲンバッハを飲み込み、彼女をも飲み込む死の中へ。
(了)

Spike's World にあったプロット(PDFファイル)を訳出。
http://www.spikesworld.spike-jamie.com/opera/LA%20WALLY.pdf
 羅先経済特区に中国の国有企業が20億ドル規模の投資をするという話が出ている[中央日報]。「羅先市」というのはラジンシ(羅津市)の"羅"とソボンシ(先鋒市)の"先"をとった名称である。
 「北朝鮮は1991年12月ハムギョンブクド(咸鏡北道)最北端と中国・ロシアの境界地域のナジン(羅津)・ソボン(先鋒)をラソンシ(羅先市)で統合して自由経済貿易地帯に指定した。この地域を東北アジアの国際的な貨物中継地と輸出加工・観光・金融基地として育成するという計画をたてて1993年に'羅先経済貿易地帯法'を制定した。
 だが、不合理な投資条件で外国資本誘致が遅々と進まず、開放特区の機能を果たせないまま放置されたようなものだ。全体的に47億ドルの外資誘致計画をたてたが、実際に投資を成し遂げたのは六千万ドルに過ぎなかったほどだ。」[デイリーNK]

 昨年、2010年初めに羅先市を特別市に昇格させ、「羅先経済貿易地帯法」が改正された。11月初めに中国延辺大学で開かれた'2010トゥマンガン(豆満江)学術フォーラム'なる寄り合いで、北韓(北朝鮮)の学者連中が羅先経済貿易地帯を積極的に売りこんだなどという記事もあった。
「北朝鮮内一般外資企業に対する所得税率は決算利潤の25%だが、ラソン地帯投資外資企業には14%だけ適用されて、先端技術や資源開発、基盤施設建設など国家奨励産業の所得税率は10%に過ぎない。
 特に三千万ユーロ以上の基幹産業投資外資企業は利益が出る年から4年間所得税を免除し、次の3年間は50%の税制減免恩恵が適用されるという。
」[JOINS 北韓ネット]

 羅津港は不凍港で、ロシアあたりも目をつけていたようだ。その利権を得たとかいう話もあるが、いざ手を出すとなるとインフラ整備に莫大な資金を要するということで、二の足を踏んでいるうちに中国においしいところをさらわれてしまったようだ。2009年の段階で中国は大連の企業がこの港の利権を取得したという話があり、以前このブログで引用した[朝鮮日報]の記事に詳しく出ていた。
「・・・中国の大連環境設備製造業者の創立(チャンリ)グループは去る10月7日。ナジン(羅津)港1号埠頭開発権を取った。創立グループのナジン港埠頭開発権は1号埠頭の2号・3号停泊地を保守・拡張して独占的に使用できる専用権だ。38万平方m規模のナジン港は冬にも凍らない不凍港であり、拡張工事が完工すれば年間100万tに達する荷役能力を整えることになる。
 創立グループはナジン港埠頭開発権を持つ代わりに北韓(北朝鮮)に琿春とナジンを連結する道路93kmを建設してやることにした。中国がナジン港を通じて東海(日本海)に進出すれば琿春を前進基地にしたトゥマンガン(豆満江)流域が東北アジア物流の拠点として成長する基盤になることができる。」[朝鮮日報]

 国連の議決に基づく経済制裁、とりわけ米国の金融制裁がじわじわと北韓(北朝鮮)のいわゆる"宮廷経済"を締め上げているのは明らかである。金氏王朝のやりたい放題を支える"宮廷経済"に対して、いわば公(おおやけ)の"人民経済"というのもあり、こちらも経済制裁のあおりを食っているはずだが、なにしろ韓国の経済規模の30〜40分の一以下というお粗末な代物である。それはそうだろう。ドルが手に入れば核開発や兵器開発に湯水の如くつぎ込んでいる。一般人民はトウモロコシや野菜の芯のキムチで糊口をしのぐべし、というのが国是なのである。コメが食いたかったら市場(いちば)にでも行って買いなさい、カネさえ出せば肉のスープも食べられるでしょう、でもそのカネは自分で稼いでね、なのである。

 今回の羅先経済特区の話は、昨年以降顕著だった中国への売りこみが功を奏したのだろう。キム・ジョンイル(金正日)は直々に2度も出かけている。昨年は三代目のお披露目もあったし、この訪中を、後継体制確立に向けて中国側の言質を取るためのものではなかったか、という憶測もあるようだが、やはりこれはカネの無心だったのではないかと思わざるを得ない。

 それにしても、中国が20億ドルの投資という太っ腹なところを見せたのはなぜだろう。羅先市の羅津港と鉄道で結ばれる吉林省延辺朝鮮族自治州の琿春市は「琿春辺境経済合作区」と呼ばれ、国境開放都市に指定されている。このあたりは中国・ロシア・北韓(北朝鮮)の国境線が入り混じっている。しかし中国の領土は海に接していない。羅先経済特区と合体することによって琿春は「経済特区」の要件を満たすことができる。いわゆる辺境の開発という基本線に沿って、しっかり算盤をはじいているわけだ。今は琿春の石炭の積み出し港として羅津港を活用し始めているようだが、ゆくゆくは琿春-羅先を一大物流基地に発展させるだけでなく、北韓(北朝鮮)の鉱物資源を利用しつつ、きっちり外資を呼びこもうという算段だろう。仮にそういう目論見どおりにコトが運べば、北韓(北朝鮮)は中国の東北三省に組み込まれるか、あるいは"東北四省"の一つになっているだろう。
 
 しかし、相手はまったく食えない北韓(北朝鮮)である。借金の踏み倒しや国際間の取り決めの無視なんかをお家芸とする"非正常国家”、あるいは"社会主義の仮面をかぶった封建王朝"である。「羅先経済特区」などというと、中国の深[つちへん+川](シンセン)なんかを思い出すが、あれは改革開放政策に基づく、いわばまっとうな「経済特区」である。羅先のそれは、いかにも北韓(北朝鮮)らしく実に胡散臭い。「経済特区」と呼ぶ以上、市場経済を指向しなければならないが、昨年の羅先経済貿易地帯法改正では北韓(北朝鮮)住民たちに及ぼす資本主義の影響を遮断するための統制手段をさらに強化したといわれる[デイリーNK]。税制優遇などと言っても、企業を運営するための前提条件自体がキナ臭いのである。「北韓政権は北韓社会を冷凍させようとありったけの力をふりしぼっている」(アンドレイ・ランコフ)といわれる。改革開放のまねごとさえも金氏王朝による支配の下では困難であろう。投資が凍死になってしまってはシャレにもならない。


[中央日報](日本語版 1月7日)中国、北朝鮮の羅先特区に20億ドル投資…過去最大
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=136438&servcode=500&sectcode=500
[JOINS 北韓ネット](2010年 11月2日)北、中国学術フォーラムで 'ラソン(羅先)特区' 積極広報 [聯合]
中国学者ら "過去と明確に違って・・・対外開放メッセージ"
http://nk.joins.com/news/view.asp?aid=4134170
[大韓民国 統一部]<投稿ページより>最近の北韓の「羅先経済貿易地帯法」改正動向 (『国防ジャーナル』4月号 寄稿文)−hwpファイル
経済社会分析家 チョン・ドンミョン
http://www.unikorea.go.kr/CmsWeb/tools/board/downAttachFile.req?fileId=FI0000096138
[デイリーNK](2010年 3月15日)北朝鮮羅先地帯法、統制手段さらに強化された
[朝鮮日報](2009年 10月25日)[週間朝鮮]中国が満州原野を耕し返す理由
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2009/10/23/2009102301552.html
 

ミリャン(密陽)

 自分にとって忘れがたい映画は、忘れがたいワンシーンによって決まることが多い。木を見ても森が見えていない場合がほとんどだろうから、その作品の本筋とあまり関係ないような場面であることも多い。

 お正月に『ミリャン シークレット・サンシャイン』を見なおしたのだが、この作品に忘れがたい場面があったか思い出せなかった。前に見たときはもっぱらチョン・ドヨンの演技に注目した。しかし、記憶に残るシーンがなかった。今回見なおして、例えば教会で叫ぶシーンなどは、いわば主演女優の見せ場であり、見事としか言いようがない。

 今回はソン・ガンホ中心に見た。そして、さりげないがとても印象に残る場面があった。自暴自棄の果てに行きつけるところまで行ったチョン・ドヨンが、病院の救急治療室のようなところで点滴を受けている。彼女は横臥し、目を閉じている。そっと背後から近づいたソン・ガンホはゆっくりと彼女の髪の匂いをかぐ。手を触れているかもしれないし、そうではないかもしれない。そのとき彼女は亡き夫のくせだった狸寝入りをしていた…、と、それだけのシーンである。

 このシーンを見たとき、すぐに思い出したのは『八月のクリスマス』のガラスごしの指の愛撫である。『春夏秋冬、そして春』で、なき子を偲ぶ母親が顔を覆ったスカーフごしに流す涙も、なぜか思い出した。チョン・ドヨンは涙を流したわけではない。そして、ラストシーンでは、これもなぜか『俺たちに明日はない(Bonnie and Clyde)』の農場の原っぱだったかでのボニーとクライドのラヴシーンを思い出した。たしか、紙袋か干草が風に舞いながら飛ばされるシーンである。

 ソン・ガンホは四十に手が届く平凡なチョンガーを好演している。この人が発する"シィバル"には実に雰囲気があって大好きである。自分にはキョンサンド(慶尚道)訛りなどは聞き分けられるはずもなく、あれはきっと慶尚道訛りの"シィバル"なんだろうなと想像するしかなかった。チョン・ドヨンが近所の商店街のおばさんたちとおやつか軽い食事みたいなものを食べながら談笑する場面でも、香ばしい訛りが横溢しているはずなのだが、そっちの方は全くわからなかった。よく見ると、おばさんたちはマンドゥー(ギョーザ)なんかをパクついている。

 家業が終わった店内で大音声でカラオケに興じたり、床に就いて、テレビを付けっぱなしで寝付くような気の良いこの男はポリスの『Every Breath You Take(見つめていたい)』を地で行くような片思いをする。女の側からそれをからかうようなせりふもさりげなく映画の背景音で出てきたと思う。ポリスの曲をダシに使ってしまったが、いわゆるストーカー気質とは違う。実家の母親から度々電話がかかってきて、ご飯は済んだのか、嫁さんはどうなっているのかと繰言を聞かされるこの男は、あくまでも正々堂々と片思いに励むのである。そして、この人物が出てくることによって、打ちのめされ "病んだ" チョン・ドヨンの姿がくっきりとあらわれ、病院を退院する時に男が差し入れた水色のワンピースと生成りの上着を着た女は仏頂面の女学生のようにしか見えず、野暮ったい上着をそれでも女は手放さず、そして、ふたりを見ている自分は救われるのだった。

 "ミリャンシ(密陽市)"は海沿いの街だとばかり思っていたのだが、地図を見ると内陸にある。ウィキペディア韓国語版には13世紀末からの来歴が紹介されている。1390年に"ブ(部?)"に昇格し、李氏朝鮮時代末に"グン(郡)"に改編され、日本統治時代を通じて膨張し、今日ある形に近い密陽市になったのは1989年だそうだ。そして、1995年に密陽市一円と密陽郡一円を管轄する"道農複合形態"の密陽市が設置された。国家記録院というお役所のページを検索したところ、"道農複合形態"の市とは、中央行政機関の長および道知事がこの形態の市に対して都市地域と農漁村地域の均衡開発または遅れた地域の効率的開発のために開発計画を樹立したり財政上特別な支援ができる、そういうところだそうだ。

 2009年の数字で、密陽市の人口は110458名(45479世帯)。2004年からKTXの高速列車が停車するようになったとの事である。日本の島根県安来市や滋賀県近江八幡市、岡山県瀬戸内市と姉妹都市なのだそうだ。

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事