李英愛研究

ネットの記事でイ・ヨンエさんに迫ります

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映画「選択」

 [時事通信]によると、脱北者であるチェ・ミョンミン(蔡明敏)監督の映画「選択」が完成した。この映画は教会などから資金援助を受けているそうだが、韓国映画史上初めて、企画から製作、シナリオをはじめとして、スタッフ、エキストラまで脱北者だけで制作された。上映時間は48分。制作会社は脱北者が作った会社で"ハナ(ひとつの) カルチャー"という。いま、韓国では1万6千人以上の脱北者が暮らしている。脱北者の韓国馴化を支援する「ハナ院」は開設10周年を迎えた。

 出演者はすべてアマチュア。演技未経験の人たちがキャスティングされた。キム・ミョンス撮影監督によれば、「(脱北者の話は韓国の映画でも扱われているが、いまひとつでした。) それで、一度純粋に北朝鮮の人たちがやってみれば北朝鮮のやり方がありのままに出てこないかと。もちろんただの1人も演技してみた方々がいないです。完全にアマチュアですね。初めにオーディションをしてみた時、少しは北朝鮮で経験のある人々の何人かに任せたが…これはもう完全に北朝鮮式すぎて…それに、これだと韓国の方々が見るにはとてもぎこちないようだし…それで、最初から演技するとは思わない人を使ってみよう、純粋に行ってみよう、そういうふうに始めたのです」[KBSWorldRadio]。

 映画は、主人公の国家安全保衛部予審指導員(調査官)が、脱北して北へ強制送還された恋人を脱出させる過程で、自身も北朝鮮体制の矛盾を悟って…という内容で、80人からのエキストラもすべて脱北者。車の衝突シーンなどもスタントマンは雇えず、出演者が体当たりで演じているとのこと。チェ監督は、「北朝鮮の治安機関・国家安全保衛部に7〜8年勤務。日本や中国との貿易に携わり、外貨獲得を担当していた」人だそうだ[時事通信]。

 キム・ミョンス撮影監督は恋人役を演じたようだ。「…私が北側にいる時もこれが夢だったんですよ。映画俳優、タレントのようなものが…、そういう北側で成し遂げられなかった夢を韓国にきて成し遂げられるから…大変で難しいと言われますが、大変でもそのような面で誇りができて…自負心のようなものが生まれて…本当にとても…良かったです…今は北側で暮らした環境を演技しているけれど、これからは韓国にきて私が今幸せに暮らしながら成し遂げられなかった夢を実現していきたいです…今後もずっと熱心にがんばります」[KBSWorldRadio]。

ハナ カルチャーのチョン・ミョンホ代表は、「…ハナ カルチャーの映画でなく脱北者全体の映画だと私は言いたいです。また、この映画を見て…脱北者たちに対して関心を持って下さって…海外で国籍がなくて苦労する、中国や第三国で苦労する脱北者の方々をこれまで以上に手助けして下さるなら幸いです」と語っている[KBSWorldRadio]]。

 なお、「選択」という名前の映画には2003年に公開された韓国映画がある。こちらの「選択 The Road Taken」(2003)はキム・ソンミョンという実在の非転向長期囚を描いたドラマであった。収監生活43年10ヶ月を耐え抜いた彼は、初めての南北首脳会談が開かれた2000年の9月2日に他の62人の非転向長期囚と共に北へ送還された。

 6月上旬、ソウルでは内外の独立映画を中心に上映する「第13回人権映画祭」というイヴェントがあった。一時は清渓広場での野外上映可否でソウル市側ともめた。今回の目玉は1月のヨンサン(龍山)事件を描いた記録映画だったようだ。韓国の人権活動家は北朝鮮以外の国々と韓国での人権状況を告発するのが常だから、脱北者の映画「選択」がもっと前に完成していても、こういう映画祭からは声がかからなかっただろう、自分はそう憶測している。

[時事通信](7月12日)北の人権、映画で訴え=脱北者が初メガホン−韓国
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009071200067
[KBSWorldRadio](6月4日)[Interview]セトミン(脱北者)らが作った映画"選択"
http://world.kbs.co.kr/korean/news/special/nkorea_nuclear/now_02_detail.htm?No=440
[朝鮮日報 記者ブログ](5月13日)脱北者らが作る最初の人権映画“選択”
http://blog.chosun.com/blog.log.view.screen?blogId=560&logId=3935370

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笛吹けど…

 前大統領の自殺によって始まった「追悼政局(弔問政局)」はそれほど大きな集客力を発揮せず、7月10日の四十九日を迎えた。6月10日の民主化抗争記念日にソウル市庁前広場で2万2千人(警察発表)を集めたのが目立った動員例である。キム・デジュン(金大中)元大統領が現政権を独裁政権と規定して民衆蜂起を促すなど、反政府勢力は「民主主義の後退」を合い言葉に大衆の扇動に余念がなかった。

 自分は、大規模な反政府デモの連鎖がまた始まるのかと気になって注目していたが、今年は去年にくらべて扇動スローガンが抽象的過ぎるようだ。しかし、反政府的情緒が広がっていることは否定出来ない事実である。なにしろ、イ・ミョンバク大統領は自由先進党のイ・フェチャン総裁よりさらに右寄りで、ガチガチの極右だと国民が認識している、という政府筋の調査結果もある。政権スタート時から延々と続いている反政府系メディアのプロパガンダはそれなりに成果を上げているようだ。デモでワーッと騒ぐことだけがプロテストではない、これからじわじわと、という話になるのだろうか。

 野党を見ると、ヨルリンウリ党から統合民主党を経て現在に至った民主党は、かつて、元ハンナラ党員のソン・ハッキュ前京畿道知事が統合民主党代表になった時、親盧系の議員との間に軋轢が生じた。党を離れた人も多い。それが、今回の自殺以降、親盧系との縒りを戻したかのように、いそいそと「弔問政治」に邁進した。「国民情緒」を強く意識した「手のひら返しの政治」である。「現政権が前大統領を死に追いやった」と決めつけて大統領に謝罪を要求し、国会議事堂に寄りつかない「広場政治」である。最大野党の民主党だけでなく、他の野党も登院拒否の戦術に走り、6月の臨時国会は26日になってハンナラ党が単独開院した。これに先立つ23日、民主党はハンナラ党に議事を遂行させないように中央ホール入口を封鎖する「座り込み部隊」まで繰り出していた。登院拒否はするが座り込みは別なのである。

 7月10日、ボンハ村の四十九日の法事には、座り込み要員を除いた民主党の国会議員の7割以上(60人以上)に加えて、民主労働党などの議員らが参加した。一方、一時は野党の野合に加わっていた自由先進党はすでに登院を開始し、保守の連立というか、「イ・ミョンバク大統領とイ・フェチャン総裁の連帯」などという話が出ている。登院に先立つ6月20日に大統領と与野党代表の懇談会があり、そこに野党からイ・フェチャン総裁だけが参加した。「イ・フェチャン総理」なんていう話はこの時の談話に尾ヒレがついたものと思われる。ともかく、野党の第二党が国会に登院するだけで憶測が乱れ飛ぶのである。

 自分は、ひょっとしたら四十九日までに「親盧連帯」みたいな新党ができるかもしれないと思った。あるいは、そこまでいかなくても、民主党が「民主改革勢力大統合」なんていう話をキム・デジュンの肝いりでぶち上げたので、かつて離党していった親盧系の人気政治家−イ・ヘチャン元総理、ユ・シミン元保健福祉部長官なんかが派手に復党するのだろうと思っていた。前大統領の自殺直後から熱狂的な支持者、いわゆるノサモの人々は、かつて前大統領の弾劾騒動の頃に見せた勢いを取り戻していたからだ。徳寿宮大漢門前の違法焼香所(弔問所)には警察も手を出せず、右翼団体の急襲によってかろうじて撤去の道が開けたほどである。

 前大統領は確かカトリック教徒だったはずだが、仏教式に7日ごとに行われる斎(とき)が話題になり、閻魔様に審判を受けるという三十五斎(三十五日)の時には進歩派マスコミを中心に記事が出た。せっかく盛り上がった反政府情緒を持続させなければならない。なにしろ10月には、6議席ほどを奪い合う国会議員の再・補欠選挙がある。4月29日の再・補欠選挙ではハンナラ党は惨敗した。とりわけ民主党にとっては、来年の地方選挙を見越して流れが進歩系(革新系)に向かっていくかどうかを占う大事な選挙である。

 ところが民主党には、4月に党籍を離れて無所属で出馬して雪辱を果たしたチョン・ドンヨン議員(元統一部長官、前大統領候補)にくみする勢力があり、これが湖南(全羅道)を支持基盤とする、いわば伝統的な党内主流派である。そこに、アン・ヒジョン最高委員やハン・ミョンスク元総理などの親盧勢力、さらに、市民団体を背負ったいわゆる左派勢力がある。かつて党を出ていった親盧系の政治家の復党とチョン・ドンヨン議員の復党はすんなり実現しないだろう。結局、「反政府・強硬路線」、「とにかく政権を倒そう、話はそれからだ」みたいな路線でかろうじてまとまっているようなところがある。

 その民主党が、街頭を後にして国会に登院するそうだ。四十九日も過ぎたし、梅雨時の豪雨が続いている。これからは空調の効いた院内でゴネ続ける、という話だろうか。ハンナラ党と自由先進党の動きもある。野党が国会に「電撃登院」するのがビッグ・ニュースになるというのも妙な話だが、韓国ではそういうふうに議会制民主主義が機能している。

[聯合ニュース](7月12日)民主、電撃登院…国会正常化 険路(総合2報)
http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2009/07/12/0502000000AKR20090712054000001.HTML
[東亜日報](日本語版 6月29日)[社説]与党も野党も「庶民」を愚弄するな
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2009062922098
[中央日報](日本語版 6月24日)【コラム】理念葛藤より貧富格差が問題
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=117086&servcode=100§code=120
[朝鮮日報](6月23日)【社説】李大統領の中道強化論
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2009/06/23/2009062301676.html
[朝鮮日報](日本語版 6月21日)【コラム】景気の回復、誰のためのものか
http://www.chosunonline.com/news/20090621000021
[聯合ニュース](6月21日)<盧前大統領逝去一ヶ月…私たちの社会は>
http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2009/06/21/0505000000AKR20090621034500004.HTML?template=2086
[朝鮮日報](6月18日)[編集者へ] '弔問政局'と民意誤読
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2009/06/18/2009061801640.html
[東亜日報](日本語版 6月8日)18代国会、国民の信頼度は最低
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2009060804408

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