李英愛研究

ネットの記事でイ・ヨンエさんに迫ります

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チュソク(秋夕)の遊び

 韓国では20日午後から本格的に帰省ラッシュがスタートした。21日から23日まではチュソク(秋夕)の連休である。連休中は全国で1日平均550万人が移動し、総勢4949万人が帰省するという予測もある。昔、"Homeless Mind"という社会学の本を読んだ覚えがある。いわゆる「根無し草」の現代人の日常をいくつかの概念装置を用いて描写した説得力のある議論だった。あれをもじれば、韓国では"Bound-for-Home Mind"の群れが現存しているのではないかとさえ思える。ネットの新聞をみれば、今年もチュソク用の進物品の記事がたくさん出ていた。「チュソク玉」なんて言葉は無いのだろうが、ご褒美用と思われる紙幣の発行の話もあった。核家族化うんぬんや帰属意識の変化等々、近代化論の話はあるにせよ、韓国社会ではいまだに『故郷』というものが切実な実体を持って存続しているような気がする。

 チュソクの連休の余暇では映画見物が手ごろなのだが、今年はどういうわけか『目玉』と呼べるような話題作が無いような話もみた。以下、伝統的なチュソクの遊びについて、例の如く韓国ヤフーの百科事典を中心に調べてみた。

チュソクについて
 ヤフー百科事典によると、チュソクは『韓国の代表的名節(節日)の中の一つ。陰暦8月15日で、ハンガウィ・カウィ・仲秋節とも言う。中国でも仲秋節や月夕・秋中といって名節とする』とある。『正確な由来は伝えないが《三国史記》に新羅の儒理王9年、国内六部の婦女子らを二便で分けて二王女を各々頭目として陰暦7月既望(16日)から1ヶ月のあいだ機を織るようにして、最後の8月15日に勝負の判定が出ると、負けた方から勝った方に食べ物を接待してフェーソゴック(会蘇曲)を歌って夜通し歌と踊りを楽しんだが、これをカベ(嘉俳)といったという記録が伝える。この<カベ>が今日<ハンガウィ>の<カウィ>に該当することばでその意はカウンデ(中 なか)またはバン(半)の語根の<ガッ(プ) 甲>に名詞形接尾辞<-イ (0l)>がついて秋の半分、すなわち仲秋の韓国式表記になったと考えられる。』

 『チュソクの頃、その年の農作業で最も良く熟した穀物を切って縛って柱や房門の上または壁に掛けておいて、きたるべき翌年に植える種として使われながらその穀物の豊作を祈る意味が入っている。民家ではチョワンシン(竈王神;竈神 かまどがみ?)とソンジュシン(城主神)に新しい穀物を捧げたし、漁村ではペッコサを過ごして海で風浪に会わないで大漁になるように祈った。チュソクの日、天気が清明ならば豊作になり、雨が降れば不吉だと信じたし、夜に月を見ることができたり白い雲が多ければ豊作になると信じた。
 チュソクの食べ物ではソンピョン(松餅)の他に新米でつくったベクチュ(白酒)と春から育てた鶏でつくったファンゲ(黄鶏)のアンジュ(おつまみ)があって、からだを保身するために里芋スープを煮る。柿・栗・棗(ナツメ)・胡桃・銀杏・花梨(カリン)などがとても重要に使われる。農家では嫁がモチ・酒・鶏や卵などを準備して実家ヘグンチン(覲親-親孝行?)に行く。』

 チュソクは収穫期を迎えて豊作を祝い、先祖のおかげを追慕して法事を行って自らの生まれた根本を忘れないで恩恵を返し、隣人同士人心を和ませて遊びを楽しむ名節として、昔から民間では1年中で最も重要な名節とされてきた。』

 ベクチュとファンゲのおつまみというのが気になるが、自分は日常にも節日にも酒は一滴も飲まないので、メシのおかずとしてのファンゲに興味があるのだが、ちょっと検索しただけでは慶尚南道の滝の話が多く、実物の写真は見つからなかった。日本語で「黄鶏」と書いて「かしわ」と読み、鶏肉全般を指すことばにもなっているが、あの褐色羽根の「かしわ」はたしか日本の在来種だったはずだ。どういうことだろう。
 グンチンという言葉は知らなかった。チュソクは日本式のお盆を大々的にした年中行事というイメージを持っていたのだが、他家に嫁いだお嫁さんが昔の日本の商家の薮入りみたいな感じで実家に戻って羽根を伸ばしたのだろうか。

 以下、伝統的・民俗学的なチュソクの遊びを並べた。いまの感覚からは大きくずれた「遊び」には違いないが、収穫を終えて身近にある藁を多用した道具を用いて集団で楽しむ競技形式のものがほとんどだ。秋空のもと、思いっきり盛り上がれる遊びであろう。

マダンノリ(広場遊び)またはキョルムノリ(競技遊び)
 『韓国のキョルムノリは大概農業と関連した俗信を持っていて、広場で行う室外競技という特徴を持っている。 また、過ぎた日の社会が農業中心であり、それ自体が季節と密接な関係があったのでキョルムノリも自然に農閑期や名節など休息を要する時期、すなわち端午の節句・刈りいれ節そして農閑期である歳初と関連している。このようなキョルムノルの中で学問的に研究されたり調査報告されたのは次の11マダンだ。すなわち正月の遊びでヨンナリギ(凧上げ)・キセベ(旗歳拝)・ピョンサァウム(便競技−集団の勝負)・コサァウム ノリ・ドンチェサァウム・セモリテギ(木闘牛)、端午の遊びでシィルム(相撲)・クネトェギ(ブランコ乗り)、チュソクの遊びでチュルダリギ(綱引き)・カマサァウム(御輿戦)・チャンチギなどだ。』

 キセベというのは『農者天下之大本』と大きく墨書された各部落のノンギ(農旗)を先頭に、一定の場所に集まって順番に兄弟を定めて弟部落が兄部落のノンギにお辞儀をする風習だそうだ。ノンギには龍の絵がかかれたものもあり、ヨンギ(龍旗)と呼ばれているそうで、巨大な旗らしい。これがなぜ「競技性」の遊び・風習かというと、部落毎の序列を決めるために争うからなのだろう。 「この風習は農村の部落単位共同体が同じ性格の隣の村と連帯意識を持って年初やチュソク、または、ベクチュン(百中−盂蘭盆;陰暦七月十五日)のような名節に大同団結と親善和睦を企てるために一ヶ所に会合する行事だったと推定される。また、善意の競争意識を誘発することによって部落の向上を企てる契機になったりもしただろう。」とのことである。

 ピョンサァウムは辞書によれば『1.組に分わかれてけんかや勝負をすること。  2. むかし, 陰暦正月に, 二組に分かれて石と棒を使って戦った遊技』とのこと。ルール等は詳しく調べなかったが、要するに統制のとれた喧嘩ということではないだろうか。

 コサァウム ノリは『チョルラナムド(全羅南道)のクァンサン(光山)地方で陰暦正月にする民俗遊び。組に分けて、やや長くて丸いコ(股)のついた太いものを色々な人が担いで、先に相手側のコを押さえ付けて地面につくようにした方が勝つ』と、辞書にある。クァンサン地方とは現在のクアンジュシ(光州市)クアンサング(光山区)であろう。あの光山金氏のクアンサンである。「コ」は「股」と考えて意味を取ったが、漢字を持たない言葉かもしれない。実物写真(下にリンクあり)は龍か何かをシンボライズ(形象化)したようにも見える藁製の造形である。

 ドンチェサァウムを事典でひくと、『キョンサンブット(慶尚北道)アンドン(安東)地方に伝えられている民俗遊び。陰暦正月15日昼間に青壮年らが東・西部の両側に分かれてドンチェを持って原野でちからとギ(技)を競う押しくら合戦の複合型男性集団遊びだ』とのこと。「ドンチェ」は「車輪」にあたることばのアンドン訛りだそうで、『安東車戦遊び』とも呼ばれる。ただし、伝えられているドンチェサァウムの道具には車輪は使われていない。かなり勇壮な合戦らしく、日本統治時代には禁止されたという話も出ていた。

セモリテギはキョンサンナムド(慶尚南道)チャンニョングン(昌寧郡)、ヨンサンミョン(霊山面)に伝えられる民俗遊びである。これは、文字通り「セ(牛)」の「モリ(頭)」を形象化した藁製の造形を用いて行われる「木闘牛」である。

 チュルダリギは『綱引き』である。ただし、近代日本の学校の運動会で行われる綱引きとはかなり異なる。一枚の写真を見ただけなのでこれが一般的なのかどうかわからないが、ミリャン(密陽)の伝統的綱引きは5人ずつ二組に分かれ、それぞれが藁製とおぼしき綱をつけて四つんばいの姿勢で引き合う競技のようだ。かなり気合の入った綱引きに見える。

 カマサァウムは『キョンサンブット(慶尚北道)ウソングン ウソンウップ(義城郡 義城邑)に唯一伝えられるソダン(書堂)の学童遊び。今のウソンウップ)を東・西に横ぎって流れるアサ(衙舍)川を境界として南側と北側のソダン学童らが60〜70人ずつが組を編成して勝負を競うこととし、先に両側ソダンでそれぞれ四つの車輪がついたカマ(輿 こし)を作ってその前と後に引っ張ることができる紐を結ぶ。そして輿の前面に力が強い学童30人余りが列を成して立って、残り60人余りが後に立って輿を護衛して両側が向かい合って前に出て行って戦う』とのこと。

 チャンチギはタグ(打毬)遊びとかポンヒ(棒戯)とも呼ばれる球技で、桑の木などの丈夫な木で作ったチェ(細長い棒)で毬(まり)を打って相手方のグムン(毬門)に入れて勝敗を競う。毬は木を丸く削ったり藁を丸めたりしたもので、野球のボーほどの大きさらしい。要するにホッケーのような遊びである。

 百科事典に載っていた写真を見る限りでは、集団の合戦形式で使われる道具は木材と藁を使って作られた造形で、大勢の参加者によって担がれるという共通点がある。何か一つのもとになるかたちがあり、全国各地で独自の伝承を経て、今日伝わるような多様なかたちになったのではないかと素人考えをしている。凶作の時は藁が貴重品になるため、別のもので代用したらしい。
 

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