李英愛研究

ネットの記事でイ・ヨンエさんに迫ります

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リャンガンド(両江道)

 リャンガンド(ヤンガンド)は北韓(北朝鮮)の北東部に位置し、文字通りアムノッカン(鴨緑江)とトマンガン(豆満江)の端源を擁する。第二次世界大戦後に成立した行政区であり、いわゆる"ウリナラ パルドガンサン(わが国の八道江山)"には含まれない。

 サムジヨン(三池淵)は北韓(北朝鮮)、リャンガンド(両江道)サムジヨングン(三池淵郡)にある湖で、三つの湖からなる風光明媚な一帯である。温泉も湧いている。ここはペクトゥサン(白頭山)から40kmほど離れた場所である。

 対北韓ラジオ、[開かれた北韓放送]のネット記事によれば、先月、11月25日に、ここにある軍事飛行場で特殊作戦部隊と空軍の合同訓練が行われた。軍部消息筋は“対南浸透演習だったようだ”と伝えた。

 「この軍事訓練は三池淵(サムジヨン)に駐留している空軍部隊とヤンガンド(両江道)に駐屯する第43部隊との合同訓練だった。 サムジヨンウップ(三池淵邑)から約10km程離れている軍事飛行場では戦闘機が防水布まで取りはらったまま直接動員されたという。'第43部隊'はヤンガンド地区司令部の核心部隊でキム・ジョンイル(金正日)が関心を持って数回視察したことがある。また、冬にはスキー訓練を行うといわれ、別名'スキー部隊'で通っている。」[開かれた北韓放送]

 合同演習に使われた飛行機はあの名複葉機An-2だったようだ。元々低空を飛行し、大部分が木製の機体はレーダーによる捕捉が難しいといわれる。しかも、数百メートルの長さの平地があれば普通に着陸できてしまう。そして、第10軍団傘下の第43部隊の狙撃隊、"スキー部隊"との合同演習である。

 「この消息を聞いたある空軍専門家はその飛行機は十中八九An-2だと説明した。An-2は10人程度の軍人を運ぶことができる。低空浸透機で木材と布で作った翼と胴体をしているから、レーダー電波によくかからないで騒音も少ない。燃料も少ない消費量だ。レーダー画面には小さい斑点程度の大きさで現れるから探知をやり遂げるのが容易でない。特に30m×250mの空間だけ与えられれば離着陸可能なほど空間制約を受けない。韓国ゴルフ場や若干広い平地、さらに貯水池にも浮いたまま着陸可能だという。また、他の専門家によれば、両江道にある第43狙撃部隊は北朝鮮の特殊戦兵力に該当し、スキー部隊だ。スキーを利用できる部隊が空軍と共に冬季に訓練をするということは、北韓(北朝鮮)がAn-2を利用して冬に雪が多い韓国、カンウォンド(江原道)やキョンギ(キョンギ)北部地域での浸透を準備していると把握することができると分析した。」[開かれた北韓放送]

 出身成分の低い人民はもとより、多様な中間層、さらには軍隊での栄養不良も深刻だといわれて久しい北韓(北朝鮮)である。これはもちろん、韓国や日本にいる親北・従北勢力および浸透工作員による誇張された情報かもしれないという疑念はぬぐえない。それにしても、『ぜいたくは敵だ!』、『欲しがりません、勝つまでは』という話なのだろうが、骨董品のような機体を使って本気(?)で韓国への浸透を図っているらしい話をみると、あきれるというより哀れになってくる。

 「この日、軍事飛行場には30機余りの飛行機があったが、燃料不足で訓練に参加した飛行機は2機だけだったという。この2機の飛行機は胴体が木材で形成されていてとてもみすぼらしく見えて、訓練を見守る部隊員らは“足でけっても動くようなおもちゃのような戦闘機がなぜ軍事飛行場にあるのか”という反応だったという。しかし、訓練に参加した空軍指揮官らは、"この戦闘機はとても低く飛行できて、最後に残ったものまで殺生するのに有利だ"とし、"敵らが想像もできない在来式武器で敵に不意打ちを食らわす(敵の後頭部を打つ)ことができる"と話したという。・・・また、“燃料が不足して問題ではないのか”という一部兵士たちの質問に、空軍指揮官らは、"皆分かりながらなぜそのような話をするか?"として、"私たちには良い飛行機は必要ない。核兵器があれば無敵だ。私たちは将軍様だけいらっしゃれば勝利することができる"と、答えたという。」[開かれた北韓放送]

 リャンガンドといえば、昨年6月にここの青年同盟のトップであるソル・ジョンシク第1書記(第1秘書?)が韓国に亡命した。この地方からの脱北者の話を時々ネットで見かける。ハムギョンナムド(咸鏡南道)など、韓国のテレビが直接視聴可能な地域もあるが、リャンガンドは中国と国境を接する二つの河を擁しているため、中国経由で外部の情報が流入し易いのかもしれない。保衛部がいくら締めつけようと、チュチェ思想のたわごとをいくら吹き込まれようと、自分たちの暮らすところの異常さが際立つはずである。

 An-2(AH-2 アン・ドヴァー)は終戦直後、たしか農業・林業用に開発された機体だったと記憶する。軍用機に転用されはしたが、韓国浸透作戦などという実に馬鹿げた用途に使われるのは開発者にとっても心外であろう。下らない戦争ごっこなどやめて、キミルソン(金日成)が禿山だらけにしてしまった北の山々の植林事業に使ったり、荒地と化した北の大地に草の種を撒いたりする用途に使うべきだ。今でも十分実用に耐える機体である。
 
(追記と誤字脱字の訂正:12月16日)
上の書き込みで「第10軍団」というのが出てくる。これは[開かれた北韓放送]の記事にあったものだが、[デイリーNK]によればこの軍団は最近創設されたのだそうだ。そして、その[デイリーNK]の記事は北韓軍の軍団構成や最近の動向等について詳細に伝える内容で、とても勉強になったのでリンクを追加した。
 
[デイリーNK](12月15日)"北、ヤンガンド地域に地上軍 '第10軍団'創設"
[朝鮮日報](12月14日)北住民の間で"核リュックサック担いでソウルに行けば火の海"という噂
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2010/12/15/2010121500383.html?Dep1=news&Dep2=top&Dep3=top
[開かれた北韓放送](12月9日)北韓、低空飛行機(An-2)で特殊作戦部隊対南浸透訓練進行
http://www.nkradio.org/news/4932

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