李英愛研究

ネットの記事でイ・ヨンエさんに迫ります

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  韓国では今、ジャージャー麺の評判が悪い。コトの起こりはMBCテレビが10月12日に放送したある番組である。ジャージャー麺の成分を分析して人体に及ぶ影響を調べる番組であった。

  ソウル市内中華料理店 10ヶ所のジャージャー麺を調査した結果、ジャージャー麺一杯(700g 基準)に4〜22gのグルタミン酸ナトリウム(Monosodium L-Glutamate:MSG)が入っていることがわかった、MSGはおつゆを作ったり漬け物を漬けたりする時に使われる化学調味料で、22gのMSGは一般食堂のキムチチゲに入る量より10倍以上多い水準である。しかし、一般人を対象で実施した選好度検査で80%を超える人々がMSGの入ったジャージャーメンがもっともおいしくてジャージャー麺固有の味がすると答えた。

  この番組ではジャージャー麺試食前後に測定した体温、脈搏、血圧などの身体変化を通じて、いわゆる"中華料理症候群(Chinese Restaurant Symptoms:CRS)"に対して調べ、さらに、MSGを投与した動物実験によって脳損傷を明らかにしたアメリカの研究を通じて有害性論難が続いているMSGの実体を明らかにした。

[スポーツ東亜](10月10日)番組の予告解説記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=20061010112040129a7&newssetid=83

  …懐かしい話である。CRSの方は、1968年に米国での研究報告があり、灼熱感、顔圧迫感、胸痛、頭痛などを生じ、このような症候群が中華料理を食べた者に起こることから「中華料理症候群」と呼ばれた。その原因は大量のMSGを空腹時に摂取したとき感受性の強いものに起こるとされた。脳損傷に関しては、1969年7月に米国上院栄養委員会で「MSGの大量摂取は不測の条件が加わると乳児の脳障害を起こすおそれがあるので、これを乳児用食品に添加することは正当でない」との証言が飛び出し、論議を巻き起こした。

  日本でも 1972年東京で多量のMSGを含んだ酢コンブあるいは中華料理を食べた50人前後の人が、悪心・頭重感・頭痛・眩暈・頭部及び手足の痺れ、胸部圧迫感など中華料理症候群を発現し、失神寸前のものもあったが、このときのMSG推定摂取量は3.3〜14.3gであったとされている。ただし、多数の人による追試が行われた結果、空腹時に多量のグルタミン酸ナトリウムを摂取した場合に現れることがあるということが判明した。しかし、日本における消費量は1人1日平均2gであり、1回の食事で1gを超えることはまず考えられない。従って1回に数gあるいは10g以上を摂取することは実際にはあり得ないので、調味料として正当に使用される量であれば、この症状が発現することは考えられない、という研究もある。

「中華料理症候群について」
http://www.drugsinfo.jp/contents/qanda/ta/qati1.html

  話を韓国に戻そう。ジャージャー麺には分の悪い話である。しかも、ジャージャー麺固有の味と信じてきたものがMSGの味かもしれないという話になってる。いまごろこういう議論をしているのかと思ったら、結構深刻な問題になっている。この「ジャージャー麺の化学調味料過多使用論難」は、中華料理店の現場で働く人々には人ごとではないのだ。ジャージャー麺は特に手軽な昼食の定番として人気がある。それがここにきて注文が減っているという。ジャージャー麺の出前をしている人々(ジャージャー麺メッセンジャー)には死活問題なのだ。[韓国日報](10月23日)に、ソウル江東区でジャージャー麺の配達をしているキム某氏がCBSラジオで語った話が紹介されている。それまで100杯出た出前が40杯に減ったとか、出前に行っても調味料について疑惑をもたれるとか、すこぶる商売がやりにくいそうだ。

  キム氏によれば、「放送はとても誇張していた。そんなにたくさん(調味料を)入れない」と説明してもお客さんは信じてくれない。また、「放送で言うくらいの調味料を使えば本当に食べることができないし、放送でそんな問題を申し立てた方々に、本当に家でチゲを作るときそれくらい調味料を入れて一度召し上がってみてくださいと申し上げたい」と反論している。さらに、「率直に言ってジャージャー麺にはタマネギがたくさん入っていて甘味が出るから、他の中華料理よりむしろ入っている量が少ないと理解している」とも主張した。

[韓国日報](10月23日)「ジャージャー麺の配達切られて失職危機」
http://news.hankooki.com/lpage/society/200610/h2006102316040121950.htm

  今年の夏に韓国へ行ったとき、自分はジャージャー麺とか海苔巻きばかり食べていた。そして、たまにチキンカツやお総菜入りの揚げパンを食べた。海苔巻きは一本1000ウォン。ジャージャー麺はだいたい4000ウォンぐらいだった。スターバックスのコーヒー代と比べれば安いものだ。コストパフォーマンスが高い料理だと思った。一杯で腹一杯になった。…ただし、ラーメンやタンメンなどを食べるときの常の習慣で、ソースを残らず食べることはしなかった。タマネギのかけらをすくって済ませた。宿の人に、夜食としてこれを食べたいが、近くにいい店があるかと尋ねたら、重い食べ物なので普通夜は食べないのだが…、と言いながら適当な店を教えてくれた。

  自分は、化学調味料は条件付きで肯定する。要は使い方ではないだろうか。例えば、ほうれん草のお浸しに味の素をパラっと振り、鰹節を散らして食べることを好む。時々気が向いたら煮干しやさば節などで出汁をとることもあるが、普段は粉末の出汁の素を愛用している。旨いものは大好きだが、あまり神経質になっていない。化学調味料潔癖性とは無縁の食生活をしている。喫煙習慣があるので舌の方が信用できなくなっているのかもしれない。ただし、育ち盛りの子供には、化学調味料がたっぷり入ったジャンクフードなんかは避けたほうがいいと思う。ケチャップ系の味もいいが、新鮮な食材の素の味がわかるようにいろいろ食べさせて、好き嫌いを見極めていけばいいと思う。

埋め草(3) 酒の肴

  自分は酒をたしなまないが、酒の肴をおかずにして飯を食べるのは好きだ。手持ちの「エンカルタ99」で食材についてちょっと調べていておもしろいことに気づいた。この事典の食品関係を担当した方々は相当いける口なのかもしれないな、ということである。

  そもそもが、「肴 さかな」の説明からして力が入っている。曰く、「酒をのむときにそえる食べ物。古くは副食物を菜(な)といったため、酒にそえる副食物の酒菜が転じて肴になった。酒席ではおつまみ、お通し、突き出し、先付け、口代わり、八寸、前菜などのよび名でよばれるものをいう。」…なるほど、勉強になる。しかし、この後がすごい。「日本料理は酒にあうものが多く、広義にはすべて酒の肴ともいえる。」と結ばれる。

  うーむ。「日本料理」の定義が難しい。日本で調理され、食べられてきた料理は日本料理であろうが、いわゆる郷土料理なんかも「広義にはすべて酒の肴」なんだろうか。だいたい、「酒の肴」と言い出せばなんでもそうなるだろう。升酒に塩が一番、という人だっている。自分は、伝統的な日本料理は飯とともに食して具合の良いものを指す、という偏見を持ってきた。…いま自分のこの規定を反省してみて、じゃあ、ちゃんと漬けられたキムチはどうなるんだ、と自問自答してしまった。酒も飯も元は米だから、あまりカタイことを言わないほうがいいのかな。

  以下、魚介類に限ってランダムにいくつか、「肴」にこだわるエンカルタ99の記述を見ておく。

 ・アユ(鮎)…川魚の王ともよばれるキュウリウオ科の魚。アユの内臓や卵巣、精巣、肉をつかった塩辛の「うるか」は、酒のさかなとしては絶品で、とくに卵巣をもちいた子うるかが珍重される。
 −うーむ、「うるか」はいままで二度しか口にしたことがない。ちゃんとしたモノだったかどうか定かではないが、苦み以外あまりいい思い出がない。

 ・カジカ(鰍:杜父魚)…カエルの1種にも同名のものがある(→ カジカガエル)が、ここで紹介するのは川魚のカジカで、本州、四国、九州の河川上流部を中心に分布する小型の底生魚である。一般的には塩焼やから揚げなどにされるが、素焼にして熱燗(あつかん)の日本酒にひたしたカジカ酒はイワナの骨酒以上の価値がある。
 −…そうなのか。カジカ酒は残念ながら試したことがない。

 ・イワナ(岩魚)…日本の代表的な渓流魚のひとつ。渓谷に生息する魚として知られている。サケ目サケ科。現在でも、山間部の温泉旅館などではイワナの刺身や塩焼き、骨酒などが名物料理になっているが、その材料の多くは残念ながら養殖魚である。また、釣り人が川で釣りあげるイワナも、その多くは解禁直前に放流された養殖魚である。養殖魚などの放流は各水域の天然イワナの遺伝的多様性をそこなうので、生息環境を維持、改善して自然繁殖を促進するようにしたいものである。
 −さすがイワナである。執筆者のこだわりもすごい。やはり養殖モノは味が落ちるのか。それに、「多様性」は文化だけの話ではないようだ。この言葉、自然科学系で先に問題になったのだろう。

 ・フナ(鮒)…日本全国に広く生息し、したしまれているギンブナ、キンブナなどフナ属の魚の総称。コイに似ているが、フナにはヒゲがないので区別しやすい。フナは、刺身や洗いにして食べるとコイよりも独特の風味があるが、とくに厳冬期にはおいしい。・・・なお、琵琶湖のゲンゴロウブナについては寄生虫病の報告はなく、とくに冬の脂ののった時期に刺身で食べるとおいしい。また卵巣をザルにのせて軽く湯通しし、熱をさましてから刺身にまぶして食べると、何ともいえない風味がある。
 −直接「酒」への言及はないが、だからこそ強烈に酒を連想させる書きぶりである。

 ・モロコ(諸子)…金色と銀色のとけあったような体色と、ずんどうで細長い体、そして小さな口をもつコイ科の小魚。甘露煮などにすれば年じゅう食べられるが、おいしいのは産卵前の卵をもったメスで、塩焼や醤油の付け焼のほうが味わいをたのしめる。
 −これは珍しく、「酒」よりは「飯」のような気がする。

 ・たたみいわし(畳鰯)…カタクチイワシやマイワシ(→ イワシ)の稚魚を、うすい板状の素干しにした水産加工品(→ 干物)。イワシなどの稚魚をシラスというので、別名は「たたみしらす」ともいう。酒の肴に好適の珍味である。
 −飯のおかずにもなる。

 ・からすみ…ボラの卵巣を塩漬け乾燥したもの。珍味として酒の肴などに供される。漢字では鯔子と書いて、からすみと読ませるが、形が唐(中国)の良質の墨に似ているところからこの名がついたといわれる。
 −これからおいしいモノがべらぼうな値段で出てくる。これを軽くあぶってご飯に乗せ、はしでほぐしてワサビ少量と多めのもみ海苔で食べるお茶漬けの、その旨さは筆舌に尽くしがたい。至福とはあのことを言うのだろう。

  オペラのリブレットだけ読むのが好きで、手元にCDやDVDがない作品のリブレットもネットで入手して楽しんでいる。CDに添付されているリブレットにはたいてい「あらすじ(シノプシス)」が付いている。これだけ書かれた薄い冊子だけ付けたCDもある。

  手持ちのCDに、サルスエラ作家として有名なスペインの作曲家、ルペルト・チャピのオペラ「門番のマルガリータ」という作品がある。ドン・ファン伝説と聖母マリアの奇跡譚を合わせたような内容である。そして、とても美しい作品である。このオペラが1999年に復活上演された。この上演にはあのプラシド・ドミンゴが尽力し、自身で出演もしている。以下はCD添付のリブレットにあった「あらすじ」である。やや危険な気もするが、あえて全文掲載する。


CD番号:[rtve 8 423322 651699]

作曲者:Ruperto Chapi(1851-1909)

題 名:MARGARITA LA TORNERO

Leyenda lirica en tres actos
Libreto de Carlos Fernandez Shaw

Basado en el Teatro Real de Madrid ek 24 de febrero de 1909
Edicion critica de Jose Luis Turina
Ediciones Iberautor Promociones Culturales SRL / Instituto Complutens de Ciencias Musicales

出 演
Don juan de Alarcon -- Pracido Domingo
Margarita -- Elisabete Matos
Sirena -- Angeles Blancas
Gavilan -- Stefano Palatchi
Don Lope de Aguilera
La tornera -- Maria Rey-Joly

伴 奏
Orquesta Sinfonica de Madrid
Director : Garcia Navarro
Coro de la Orquesta Sinfonica de Madrid
Director : Martin Merry


[CD1]
[第1幕]
[第1場]:たそがれ時のパレンシアの広場。
 アラルコンのドン・ファンの召使いガヴィランが登場する。ちょうど、彼の主人が好色な悪戯のあとに彼を殴ったばかりのところである。彼は自分の主人の放蕩のせいで悪い人生を送っていると文句を言うが、そのくせ主人に対しては忠実なのである。ドン・ファンが登場し、自分が陥落させた女たちの自慢をする。彼は今、ある尼僧をたらし込もうとしている。それはマルガリータという美しい女で、広場にある修道院の門番をしている。ドン・ファンはガヴィランに、ちょうど今夜彼女と逃げる算段をしているのだと語る。

[第2場]修道院の外。夜。
 ガヴィランの警告にもかかわらず、ドン・ファンは彼の計画を実行に移すことに決める。彼は修道院の窓格子に近づき、マルガリータを呼ぶ。そして今夜午前2時に彼女が逃げ出すことを確認する。ガヴィランはそんなことをしたら懲役十年の刑にあたると警告するが、彼の主人の頭にはマルガリータのことしかない。

[第3場]修道院の回廊。同じ夜。
 嵐が近づいている。風と雨の音が聞こえる。取り乱した状態でマルガリータが登場する。彼女には危険と不幸の予感がするが、ドン・ファンはあらゆる災厄から自分を救ってくれるはずだと自分に言い聞かせ、恐怖を克服する。立ち去る前に、この門番は聖母マリア様の御像の前で跪き、その庇護を願う。嵐は一層ひどくなり、時計台の鐘が二つ鳴る。マルガリータはろうそくを灯して聖母様に捧げ、おみ足に花を供え、そして修道院の鍵を御像の前に置き、深い祈りを捧げる。それからマルガリータは彼女の誘惑者と共に修道院を逃げ出す。

[際2幕]
[第1場]マドリッドのパチェカ劇場(Corral de la Pacheca)の中。
 劇場はお祭り気分に満たされている。ドン・ファンとその恋敵のドン・ロペが舞台の両袖から登場する。彼らは両方とも有名なダンサーのシレーナを探している。輝くばかりに美しいシレーナが登場すると、彼女は熱烈に歓迎される。ドン・ロペがシレーナに近づき、彼女は自分を愛しているのでこの劇場を去ることになるだろうと公に宣言する。彼らは二人ともとても幸せそうである。シレーナとすでに関係しているドン・ファンは嫉妬する。シレーナが一人になった時を利用してドン・ファンは彼女に近づき、かつて二人がいかに幸せだったかを彼女に思い出させようとする。彼女は彼を拒絶し、彼にはマルガリータがいることを指摘する。だがドン・ファンは、もし彼女が自分のところに戻ってくれるならマルガリータを捨てると熱心に口説くのであった。

[第2場]マドリッドのある通り。夜。
 劇場にいてさっきのやりとりを見ていたマルガリータは、ドン・ファンの自分への仕打ちと、彼が約束を破ったこととを嘆き悲しむ。彼女はあまりに傷ついたため、この状況は現実ではなくドン・ファンは自分だけを愛しているのだと空想する。劇場はお開きになり、マルガリータは見つからないように物陰に身を隠す。ドン・ロペとシレーナが出ていき、ドン・ファンは腹立たしげに二人の後についていく。ドン・ロペはシレーナに、彼女を称えるために自分の屋敷で大きな夜会を準備したと告げる。これを聞いたドン・ファンは、招待されていないにもかかわらず、出席することにする。この一部始終を目の当たりにしたマルガリータは取り乱し、自分もまた夜会に出席しようと決意する。

[第3場]デュエンデスの館(Cason de los Duendes)の一間。
 ドン・ロペの召使いたちが夜会の準備をしている。ガヴィランもそこにいる。ドン・ロペと招待客が登場し、夜会が始まる。シレーナはお客を喜ばそうとサラバンドを歌い踊る。突然邪魔が入ってドン・ファンが現れ、シレーナが誰のものなのかをわからせるためにやってきたと宣言する。二人の男が殴り合いを始めそうになったちょうどその時、マルガリータが現れ、ドン・ファンは自分のものであり、彼と一緒でなければここを出ていかないと宣言する。皆が彼女を笑うが、ドン・ファンは衝動的に彼女をかばう。二人の恋敵は互いを挑発し合い、決闘は避けられない。騒ぎを聞きつけて衛兵の一隊が屋敷に入ってきたと召使いが告げる。衛兵が部屋に入ってきたとき、ドン・ファンは彼の恋敵の胸に傷を負わせていた。自分の主人が逮捕されると見たガヴィランは秘密の潜り戸を開け、ドン・ファンはそこから逃走する。衛兵は彼の後を追おうとするが、マルガリータが行く手を阻み、通路をふさぐのであった。

[CD2]
[第3幕]
[第1場]パレンシア。修道院の教会の広場。
 マルガリータが修道院を抜け出してから2年が経過した。教会から会衆が出てくる。ドン・ファンの父親のドン・ジルが逝去したのだ。ガヴィランはこの異変を嘆き悲しむ。みすぼらしいなりをしたドン・ファンが現れる。以前の召し使いが父親の死を彼に教え、今日の礼拝に彼を連れてきたのだ。ドン・ロペの傷も癒え、シレーナは彼のもとを去った。マルガリータはマドリッドから逃げ出し、その消息はようとして知れない。だがパレンシアでは、門番は決して修道院を出ていないし彼女はいつもそこにいると皆が断言している。ドン・ファンはその言葉を信じない。突然マルガリータが現れる。彼女は一切のことに気づかぬように平然としている。そして神秘的な力によって引きつけられるように修道院の方へ進む。入口にたどり着くと彼女は聖母様の恩寵を懇願し、許しを請う。教会の中から「よし」という声が聞こえ、戸が大きく開く。総てを見ていたドン・ファンはマルガリータに近づき、自分は彼女を捜していたし、本当に彼女を愛しているのだと告白する。彼女は彼を拒絶する。彼はなおも食い下がり、彼女は動揺するが、この若い女を教導する天の歌が聞こえる。ドン・ファンはマルガリータの気を引こうと試みるが彼女は彼をきっぱりと拒絶し、教会に入っていく。ドンファンも彼女を追うが、聖域に入ろうとしたところを引き止められる。

[第2場]修道院の教会の中。
 月から発せられた強烈な白い光に守られて、マルガリータが現れ、修道院の回廊へ向かう。高い祭壇にたどり着くと、彼女は白い後背に取り巻かれた自分自身の姿を見る。マルガリータはそれが誰なのか尋ねる。するとそれは、自分は門番のマルガリータで、この2年間ずっとその仕事をしていると答える。その亡霊は聖母様に姿を変え、とうとうマルガリータは奇跡が起こったことを悟る。目も眩むような変容を遂げ、教会に溢れる天使の声に包まれて聖母様の姿が昇天し始めると、彼女は両手を大きく開いてひざまずくのであった。

1999年12月16日、19日のテアトル・レアルでの公演のライヴ録音

埋め草(1) 因子分析

  最近コンピュータが替わったのだが、これにコンパイラがいくつか入っていた。C(C++)とFORTRANのプログラムをコンパイルできる。といっても、開発用の大規模な統合システムではなく、フリーで入手できる小規模実験用開発環境である。さしあたり、コマンドラインで動作するDOSの実行ファイルしか作れない。懐かしくなって因子分析のプログラムをコンパイルしてみた。プログラムは、名著『C言語による最新アルゴリズム事典』(奥村 晴彦)の’factanal’を使用した。この本のソースコードはネットに公開されている。
( ftp://ftp.matsusaka-u.ac.jp/pub/algorithms )

  実行ファイルはあっという間に出来上がる。何か良いデータはないかと、一例として国別比較のデータをネットで探すが適当なものがない。いろいろ見てみて、結局「性・年齢(10歳階級)別自殺死亡率(人口10万対)の国際比較(1999年)」というデータを使うことにした。他人の死を弄ぼうという意図は全くない。自殺は日本や韓国で切実な問題になっている。自分自身の問題として以前から気になっていた。以下は、WHO「World Health Statistics Annual 1999,2000」をもとにしたデータで、カナダ、ハンガリー、韓国、ロシアは2000年の数値だそうだ。このデータを因子分析することに意味があるのかどうかは正直言ってわからない。結果はある程度予想できるような気もする。あくまでも一つの試みである。
(出典: http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/11.html )

  パンチカードでデータを準備し、計算センターのバッチ処理で計算していた時代を知っている身としては、実に便利になったものだと感無量である。上のデータをテキストファイルで用意し、MS-DOSプロンプトから実行ファイルを呼び出して終わりである。コンパイルしたあとデータを探し、データファイルの準備から計算終了まで小一時間で終わってしまった。

  ’factanal’はいわゆるQR法で固有値を求める。最小限の基礎統計量を計算したあと、一応対話式に計算できる。ただし、オプションは共通因子の個数の指定と繰り返し計算の回数だけである。収束の様子は計算中の行列の非対角成分のRMS(2乗の平均の平方根)を収束誤差として毎回表示し、適当なところで計算終了にする。これは面倒なので、一律100回計算させた。ほぼ一瞬で終わってしまう。誤差は残るが、今回は目をつぶることにした。最初は5因子モデルで様子を見て、固有値の大きさから、収束誤差は大きいが3因子モデルで十分と判断した。

  第1因子はいわゆるスケールファクターであろう。年齢を重ねるに従って自殺の衝動が強まっている。ことに<男>ではその傾向が顕著である。「死の因子」とでも呼んでおこう。<女><男>それぞれの第1因子に対する因子負荷量を見ると、<女>では変数6と7、<男>では変数4と5で上位1,2位を占めている。因子負荷量は各因子に対する相関の強さを表すから、それぞれこの二つの世代が強い衝動ないし誘因を抱えていることがわかる。75歳以上の世代がそれぞれ平均では最高値であるのに因子負荷量がそうなっていないのは、その数の差が国ごとに顕著であることを反映している。安楽に老後を楽しんでいる人々もいれば、絶望して日を送っている人々もいるのだ。

  第3因子は<女><男>ともに固有値への寄与率が低い。問題は第2因子である。変数4以降はすべて負の値である。<女>は変数1で最大で、以下逓減している。<男>は上がって下がり、変数2で最大になっている。この因子は何だろう。これらの世代は生きることに精一杯で、死があまり視野に入らないのだろうか。死を意識しても、それを跳ね返す力が自然に生まれるのかもしれない。しかし、これはあくまでも6〜7年前のデータである。現在は、この第2因子が悪化しているような気がする。ここではこの因子を「希望の因子」と呼ぶことにしよう。


  <計算結果>(表示がきたないです。平にご容赦。)
<女>

10歳階級 変数 平均値 標準偏差
5〜14 1 0.39167 0.33428
15〜24 2 4.85 2.2597
25〜34 3 6.775 2.6762
35〜44 4 8.6583 3.1123
45〜54 5 10.55 5.3043
55〜64 6 10.317 5.4015
65〜74 7 12.367 8.4555
75〜 8 18.008 15.629

相関係数
1.0000
0.6156 1.0000
0.4774 0.8709 1.0000
0.2871 0.6285 0.7292 1.0000
0.3443 0.3993 0.5913 0.8974 1.0000
0.2362 0.4729 0.6951 0.8303 0.8946 1.0000
0.2768 0.4418 0.5834 0.7976 0.8590 0.9447 1.0000
0.2438 0.3942 0.5119 0.7337 0.8019 0.8999 0.9878 1.0000

因子 固有値 % 累積%
1 5.4175 72.9 72.9
2 1.4033 18.9 91.8
3 0.6107 8.2 100.0
( 4) 0.1829 2.5 102.5
( 5) 0.0581 0.8 103.3
( 6) -0.0382 -0.5 102.7
( 7) -0.0694 -0.9 101.8
( 8) -0.1349 -1.8 100.0
合計 7.4300 100.0

非対角成分のRMS誤差 0.0331

変数 共通性 因子負荷量
1 1.175 0.484 0.818 -0.521
2 0.871 0.684 0.549 0.319
3 0.924 0.809 0.349 0.385
4 0.823 0.893 -0.077 0.141
5 0.837 0.883 -0.204 -0.121
6 0.949 0.937 -0.268 -0.002
7 0.976 0.927 -0.303 -0.156
8 0.876 0.864 -0.316 -0.173


<男>

10歳階級 変数 平均値 標準偏差
5〜14 1 0.95833 1.0379
15〜24 2 18.217 13.185
25〜34 3 28.233 20.175
35〜44 4 34.942 24.035
45〜54 5 38.267 29.211
55〜64 6 37.183 25.951
65〜74 7 38.85 26.329
75〜 8 58.117 35.838

相関係数
1.0000
0.9672 1.0000
0.9311 0.9551 1.0000
0.8576 0.8122 0.9209 1.0000
0.8100 0.7573 0.8743 0.9781 1.0000
0.7288 0.6697 0.7905 0.9149 0.9764 1.0000
0.7680 0.6906 0.8159 0.9422 0.9637 0.9556 1.0000
0.3538 0.2167 0.4283 0.7083 0.7393 0.7593 0.8299 1.0000

因子 固有値 % 累積%
1 6.5757 83.5 83.5
2 1.1695 14.9 98.4
3 0.1268 1.6 100.0
( 4) 0.0344 0.4 100.4
( 5) 0.0023 0.0 100.5
( 6) 0.0001 0.0 100.5
( 7) -0.0154 -0.2 100.3
( 8) -0.0217 -0.3 100.0
合計 7.8717 100.0

非対角成分のRMS誤差 0.00582

変数 共通性 因子負荷量
1 0.932 0.884 0.378 -0.088
2 1.016 0.850 0.536 -0.083
3 0.956 0.929 0.303 -0.040
4 0.969 0.984 -0.030 -0.020
5 1.003 0.984 -0.120 0.144
6 0.966 0.936 -0.213 0.213
7 0.969 0.957 -0.228 0.011
8 1.060 0.693 -0.732 -0.210

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