李英愛研究

ネットの記事でイ・ヨンエさんに迫ります

酸素のような女?

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

  今日の阪神−ソフトバンクは素晴らしい試合だった。久しぶりに出てきた安藤が合計4失点で4回に降板。見るんじゃなかったと後悔し始めたら、4回裏に矢野が満塁ホームランを打って逆転。喜びも束の間、そのあと5回表にまた逆転。もう、腹をくくって見守った。8回裏に7−7の同点に追いついて迎えた9回裏、ワンナウトからシーツが出る。金本がレフトへ持って行き1・2塁。続く浜中がデドボールで満塁。ここで最近絶好調の鳥谷が出てきて甲子園球場は興奮のるつぼになる。そして見事なサヨナラヒットが出てシーツ生還。8−7で、絵に描いたようなサヨナラ勝ちだった。ヒーロー・インタビューは3試合連続で鳥谷。いやあ、生きてて良かった、万々歳。これで阪神は貯金が12になった。

  話変わって、今日のソウルは好天に恵まれ、気温も30度近くまで上がった。ユニセフの「愛の素足で歩く大会」にはイ・ヨンエが元気な姿を見せた。写真記事も[聯合ニュース]や[ニューシス]がたくさん配信している。やはり子供たちがたくさん参加している。今日のイ・ヨンエは白いスリムなジーンズにブルーのユニセフTシャツ、それに白のキャップといういでたちであった。No.19の帽子である。帽子を被っているから髪はポニーテイルだ。ものすごく似合う。このまま日本に来てくれないものかとバカなことを考えてしまう。

  今日のソウルは日差しが強そうだ。たまたま目にした写真は解像度が低いので断言できないが、日焼け止めで肌武装しているようだ。白いスニーカーを履いて歩いている。配信された写真を見る限りでは裸足の人がどれだけいるのかよくわからない。年々路面があぶなくなっているのだろうか。あるいは日差しが強すぎて路面が高温になっていたのか。よくわからない。…イ・ヨンエの左手に赤いリボンが結ばれている写真がある。字が書いてある。「私たちは(の?) テーハンミングック」と読める。出発に先立って、打楽器演奏で景気をつけた後、赤い応援リボンにワールドカップチーム激励メッセージを書く、というイヴェントがあったようだ。

  向こうのワールドカップ応援の盛り上がりは今回もすごい。先日のノルウェー戦の際にはソウル市庁前の応援会場で夜通し騒いだようだ。ただし、今回のワールドカップ応援は前回に比べて商業主義的だ、などと一部ではひんしゅくを買っている。市民の自然発生的な応援ではなくSKTなどの企業がお膳立てした応援だというのだ。物事が何でも絵に描いたように理想的に進めば万々歳であるが、今の韓国で、特にソウルでは田舎の村落共同体のようにはいかなくなっていると思う。商業主義に踊らされているのか、商業主義をやむなく承知したうえでみんなの思いを一つにしているのか、そのあたりに神経質になるとせっかくのハレの場を楽しめない。思いきり楽しく応援しようという人が多いのだと思う。ソウル市民は愚かではない。今回の地方選挙を見れば、彼らの持つバランス感覚が日本で生きる身にも納得できるたぐいのものだとわかる。ただし、度を超した応援は商業主義以上にひんしゅくを買うだろう。

  裸足で歩く大会では、白凡広場に到着する参加者全員に記念品と飲み物が提供されたそうだ。暑い日中を歩いた後だ、飲み物はさぞ美味しかっただろう。自分は下戸だが、こういう時の缶ビールの旨さは知っている。おつまみは、やっぱりかっぱえびせんだ。


[聯合ニュース](6月3日)写真記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&newssetid=746&articleid=2006060316172583215  
[聯合ニュース](6月3日)写真記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&newssetid=746&articleid=2006060316170683015
[ニューシス](6月3日)写真記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&newssetid=746&articleid=2006060317534597580
[ニューシス](6月3日)写真記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&newssetid=746&articleid=2006060317421394780
[ニューシス](6月3日)写真記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&newssetid=746&articleid=2006060317420294480
[日刊スポーツ]阪神−ソフトバンクのスコア速報(6月3日)。
http://www6.nikkansports.com/baseball/professional/score/2006/200606030th.html

裸足の天使たち

  久々にイ・ヨンエが人々の前に顔を出す。[韓国日報](6月1日)によれば、明日の6月3日、ソウル特別市ジュング ジャンチュンドン(中区奨忠洞)の国立劇場前広場でユニセフ韓国委員会主催による「裸足で歩く大会」に参加するそうだ。この大会はユニセフ韓国委員会が1995年から毎年ひらいているボランティア行事で、履き物さえなくて裸足で生活する貧しい国の子供たちを思って南山道を歩くというものだ。もちろん募金や寄付が行われる(行事HP: www.unicef.or.kr/event/2006walk/main.html )。

  この大会に、ユニセフ特別代表のイ・ヨンエが親善大使のアンドレ・キムと共に参加し、舞台に上がって「子供と平和のためにいっしょに」力を合わせようと訴えるのだそうだ。当日はアシアナ航空の乗務員たちが受付と案内など進行を助け、多くの市民や学生がボランティアにいそしむ。新緑生い茂った南山道3.5kmで、嬉しい汗を流して裸足で歩く幸せな笑顔が見られそうだとのこと。

  このイヴェントを[ニュースワイヤ](5月26)で確認したところ、「今度の歩く大会(「愛の素足で歩く大会」)は2006ドイツワールドカップ期間中、ユニセフ(UNICEF)と国際サッカー連盟(FIFA)が一緒に繰り広げるキャンペーン”United for children, United for peace”に呼応するために開かれます」とのことである。概要は、

  ・日時: 2006年6月3日(土) 午後2時〜5時(午後1時30分までに入場のこと)
  ・集合場所: 国立劇場広場(出発) → 南山循環路 → 白凡広場
  ・主催: ユニセフ韓国委員会
  ・協賛: SKテレコム(SKT)
  ・参加費: 学生4,000ウォン、一般(大学生)5,000ウォン、家族10,000ウォン

  うーむ。[ニュースワイヤ]にはイ・ヨンエが応援に行く旨の記載はなかった。急に決まった話なのだろうか。ユニセフといえばイ・ビョンホンは…映画の撮影中か。ただ、協賛がSKTなのがちょっと気になる。文化連帯あたりがこのイヴェントを「通信財閥の本質隠蔽のための偽善」とか何とか言って批判したり…それはできないか。南山道はデモのコースでもないし。だが、地方選挙が終わってカリカリしているかもしれない。…まあ、協賛だから大丈夫だろう。

  国立劇場( http://www.ntok.go.kr/english/index.jsp )のある中区奨忠洞には奨忠壇公園がある。ここには1895年の乙未事変(明成皇后閔妃(ミンビ)暗殺)の際に殉死した烈士を追慕する奨忠壇碑が置かれている。また、歩く大会の順路「白凡広場」の白凡はあの愛国の義士キム・グー(金九)のことである。南山パークも近くにある。このあたりはソウルのど真ん中の、しかし緑濃い行楽地だ。昔はソウル市民の娯楽の定番だった。そして、南山といえばトンカツ屋だ。デパートに行って帰りにジャージャー麺を食べるか、南山に行って帰りにトンカツを食べるのが、今となっては懐かしい贅沢だったのだ。

  南山循環路というのは裸足で歩いても大丈夫なのかなと思い、昨年の同大会の記事を見ると([ニュースワイヤ])、昨年は6月18日に開催され、親善大使のアンドレ・キムや俳優のアン・ソンギ、ジャン・ジンヨンらが参加した。アン・ソンギが裸足で歩いている写真が貼付されている。昨年は、裸足の子供たちを助けることに加えて環境保全にも目を向けようというテーマで開催されている。女性の参加者の中にはスニーカーを履いている人もいる。

  はじめの[韓国日報]の記事は韓国ユニセフ世界教育部長の寄稿である。空約束とも思えないので、この予告どおり今年はイ・ヨンエが参加するのだろう。だとしても、まさか裸足では歩かないと思うが…、どうなるのだろう。スタートの挨拶だけだろうか。自分は、彼女が家族といっしょに歩いたらいいなと思う。まあ、これは、続報を待とう。いずれにせよ、素足でも何か履いていても参加者の思いは同じだろう。世界中にいる無惨な裸足の天使たちのためにソウルの裸足の天使たちはそれぞれの思いを分かち合うのだ。

[韓国日報](6月1日)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&newssetid=746&articleid=2006060117421970907
[ニュースワイヤ](5月26日)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=13&articleid=20060526122113703b3&newssetid=501
[ニュースワイヤ](2005年6月19日)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=11&articleid=20050619122015583b3&newssetid=81
[ソウル中区文化観光]日本語の中区紹介ページ。
http://tour.junggu.seoul.kr/japanese/

The History of Whoo

  神秘につつまれた皇室文化と東洋醫學を現代的な角度からアプローチした、
  肌のための皇室秘方最高級處方が天から舞い下りてきました。
  宮廷秘方が現代科學と出會い天から舞い下りた寳物−拱辰丹。
  王とお后だけに獻上されていた天上の拱辰丹處方を
  ザ・ヒストリー・オブ・后(The History of Whoo)に盛り腐みました。

  今日はイ・ヨンエのCFネタである。イ・ヨンエはLGグループの化粧品会社、LG生活健康が提供する高級化粧品「ザ・ヒストリー・オブ・后」(以後「后」)のモデルとして2年契約を果たした。これまでコ・ヒョンジョンが務めていた役割を、ライバル会社太平洋「アイオペ」のイ・ヨンエが襲うかたちになった。3月に「アイオペ」の契約が切れ、契約更新までの猶予期間に「アイオペ」と、これより上の年齢層を対象にした「后」と、どちらに決まるのかをめぐって憶測記事も出ていた。太平洋とは「マモンド」と「アイオペ」で10年以上の長いつきあいだが、やはり自分の年齢にあった製品の方におさまったわけだ。まあ、なんといってもLG生活健康はLG財閥系の会社である。こちらの方がすっきりとCF活動できるというものだ。なお、LG生活健康といえば最近、「神秘少女ウリときれいな男イ・ジュンギの美貌対決」で話題になったCFを放映している。各年齢層それぞれに当代最高の美男美女を揃えたわけだ。

  冒頭に書き起こしたのは今日(5月17日)この製品のホームページの日本語版( http://www.whoo.co.kr/global/japan/index.jsp )に出ていたキャッチ・コピーである。Flash画面から転載した。一箇所、現在の日本語の漢字用例としては誤っている所がある。イ・ヨンエがこれを見たらそのことを強く指摘するかもしれない。このページには7種類の製品が紹介されている。イ・ヨンエはさっそく7月から高級クリーム「后ファンユゴ(Whoo Hwanyugo)」の国内CFに登場するそうだ。このクリームが何と一瓶68万ウォン、ざっと8万円である。化粧品の値段など全く知らないのでこれが高いのかそれほどでもないのかよくわからない。しかし、安い席なら3、4回オペラ見物できるし、そこそこのアパートの家賃ぐらいにはなる…。う、話がせせこましくなってきたが、今回のCF契約の憶測記事によると契約金額は20億ウォン+αとのことである。

  今までトップスターのコ・ヒョンジョンは1年専属モデル契約をして10億ウォンほどのギャランティーを受けており、これが業界最高水準であると知られている。ところがイ・ヨンエの場合、「后」と2年契約した点を勘案すれば、最小20億ウォン以上であるはずだというのが業界の分析だ。イ・ヨンエが広告モデル料でこのような巨額の保障を受けることができたのは、イ・ヨンエがアジア市場で持つ韓流スターとしての価値が決定的な影響を及ぼした。LG生活健康が今まで国内市場をターゲットで少量生産していた「后」を早ければ来る8月から中国、ベトナムなどアジア市場に出す計画だからだ。アジア地域ではコ・ヒョンジョンに比べて「チャングミ」イ・ヨンエの認知度の方がもっと高いという事実を考慮した決定であるわけだ。LG生活健康側は、”イ・ヨンエの優雅さと品格あるイメージ、そして韓流スターとしての代表性が「后」のイメージと符合するうえ、今後海外市場を攻略する際に大きな役目を果たすことができると判断し、イ・ヨンエをモデルでいきなり抜擢することになった”と説明した([ヘラルド経済](5月17日))。

  中国やベトナムでは新興富裕層の羽振りの良さはつとに知られたところである。イ・ヨンエは4月にLG家電の広報で中華圏を訪問したが、あれは高級家電の売り込みが眼目であった。今度は高級化粧品で旋風を起こすかもしれない。「后」に日本語のページが用意されているということは、情勢次第では日本への本格進出という構想もあるのだろう。まあ、かっぱえびせんとかインスタント食品、紙おむつみたいな庶民的な製品のCFにはよほどのことがないと出ないだろうが、「后」とくるとなんだかイ・ヨンエが手の届かないところに遠ざかるような気がする。どっちみち手は届かないのだが、高級クリームよりはえびせんや紙おむつの方が彼女らしいと思う自分は大きな誤解をしているのだろうか。


[ヘラルド経済](5月17日)イ・ヨンエが「后」に起用されたことを伝える記事。
[ http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&newssetid=746&articleid=2006051715125454184 ]

夢から覚めて

  今日はイ・ヨンエの訪日に関する記事をネットで調べている。彼女は7日夜に羽田に着いたそうで、8日のファンミーティングの後、NHKの広報雑誌『ステラ』の取材やハングル講座の取材(出演?)をこなす、というような記事もあった。これまでの海外広報活動を見ると滞在地に短時間しか留まっていないので、もうソウルに戻っているのだろう。

  来日の記事は日本や韓国ではたくさん見つかる。韓国では日本のマスコミの記事の紹介記事や特派員による記事など、5月8日から9日にかけて15〜6本ほどの記事が出ている。その他、5月3日に行われたイ・ビョンホンのファンミーティングと並べて論じている記事もある。また、今日(10日)からアシアナ航空ではB767の胴体に4ポーズ、イ・ヨンエの絵が描かれた「大長今号」が中国・台湾・日本に就航した。14日には文化観光部のキム・ミョンゴン長官が来日し、「2006韓日文化観光交流の夕べ」イベントなどに出席する。いわゆる「韓流」の新たな攻勢が続いている。

  一方、中国の方は記事の出方がちょっと遅いようだ。「大長今切手」が出たときには、香港はともかく大陸の方では結構記事が配信されていたが、ここ数日はLG製品の話題やミス香港の選考行事の話題に関連してイ・ヨンエの名前が出てくるだけである。ミス香港の選考行事というのは、ミス香港の候補者が8月に韓国に行ってSevenやビ(Rain)、イ・ヨンエらと記念映像の収録を行うかもしれないという憶測で、これはかなり先の話である。それが、10日になってはじめて大陸の言論で訪日やTV出演の話が報じられた。[Sina.com]の検索結果である。[香港ヤフー]の方は記事が引っかからない。

  韓国のマスコミの記事に日本での写真が一枚も現れていないのが気になる。せめて8日午前11時から行われた記者会見の際の写真がないかと探したが、検索に引っかかった記事には出てこない。有料の印刷媒体に先に掲載するために出てこないのか、ロイヤリティが高いので使わなかったのか…、スターの報道写真使用の実務的諸慣例等には全く無知なのでよくわからない。ただし、報道が遅れた中国の方には記者会見の写真が貼付されていた。写真を貼付するために記事の配信が遅れたのだろう。

  向こうのネット上の反応はどうかなと[daum映画]のコミュニティ・サイトを見ると写真板に日本での写真がアップロードされていた。ファンクラブのネットワークを介してぶら下げられるのだろう。写真には「外国へ行くたびに韓国の美を知らせるセンス」というコメントが付いている。10日20時の時点で5万3千以上のアクセスがある。やはり手堅い人気だ。この投稿に寄せられたコメントは47個であった。

「89学番なのに相変わらずお美しい」、「(ムン・グニョンを『国民の妹』と呼ぶように)イ・ヨンエを『国民のお姉様』と呼ぼう」、「善行もたくさんしているし、韓国のオードリー・ヘプバーンです」、「かわいい(イェプタ)というより美しい(アルムダプタ)」、「東洋的な魅力がぷんぷん(ママ)と」、「韓国の花」、「我が国の女神」・・・。やはり女性の崇拝者の賛美が多いようだ。彼女も年をとったが美しさは変わらないという評価が多い。向こうでは、年齢に直接言及せず学番(大学の入学年度)で示したりすることも多いのか。

  「本当に美しくて好きな俳優の中の一人だが...イ・ヨンエさんの姿は専ら露みたいで神秘的であまりにも良い面だけ映されるから、ある時はふと彼女の心が知りたい時がある。TVに映された姿そのままだろうか? でなければうわべを飾ることと猫かぶりが入りまじった二重的な人? 突拍子もないって?」というコメントもある。「猫かぶり(ネスン)」という単語はイ・ヨンエを評する記事で何度か目にしたことがある。この書き込みは誹謗中傷でも何でもない。そんな人が「彼女の心が知りたい」などと考えるはずはない。全く逆だ。

  ふだん接している人であっても人ひとりのペルソナがそんなに簡単にわかるはずもないし、ましてや彼女はスター女優だ。ファンとしては彼女が提示してくれる視覚的・言語的手がかりを通してそのイメージを享受し、満足するしかない。イメージの向こう側を覗こうとするとあまりいいことはない。だが、その疑問を上のように穏やかな方法でフィードバックしたくなる気持ちもわかる。彼女がこの書き込みを直接見るか見ないかはさしあたり問題にならない。これを投稿した人はあの公開生番組を見たのだろうか。

  夢から覚めて、先日の予定調和的ファンミーティングについて、あれは何だったのだろうと思い返しても、まとまった印象が得られない。少なくとも自分にとっては、これまで抱いてきた彼女のイメージの一面を複雑化しただけだった。チャングムのイメージ強化を狙ったプロモーション企画なのに、自分は未だ語られたこともない彼女の次回作の方に専ら興味があった。…いや、こうして結局、大事なことを見逃してしまうのだ。大事なのは、イ・ヨンエとともに一つの場を共有したことなのだ。あれは、周到に計算された疑似体験の場だったなどと、誰にも言わせはしない。

  それにしても、彼女は何故この時期に来日したのだろう。単にスケジュールが空いていたからか、国策としての観光政策に協力したのか、家族と遊びに行く温泉の下見に来たのか、ひょっとしてこれが最後の来日か、あるいは逆に日本のCMに出演する布石か…。まてまて、へたな憶測は禁物だ。彼女は自分がするべきことをしただけなのだ。さしあたり何も解釈しなくて良い。大事なのは、世界を解釈することではなく、変えることなのだ。とにかく受け容れて、ひたすら思い続ける。自分のささやかな務めをきちんと果たす。これに尽きる。

  日本のファンへの彼女の思いは、あのドレスの色そのものだと思うことにしよう。



[ロイター](5月10日)「大長今号」の写真。
[ http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&newssetid=746&articleid=2006051017145881312 ]
[daum映画](5月9日付の投稿)
[ http://movie.daum.net/community/photo_scan/griffin/Photodo/read?bbsId=photo1&articleId=13512&pageIndex=1&searchKey=subject&searchValue=%C0%CC%BF%B5%BE%D6 ]

  原宿駅の通路にイ・ヨンエのポスターがある…と思ったら吉永小百合のポスターだった。いけない。眠気はないが、あまり熟睡できなかった。曇り空の下、NHKホールをめざす。11時15分に到着すると表の道に行列ができている。入口から200メートル弱ぐらいか。入口で座席券を渡されるからどの位置に並ぼうとかわりはないが、少し気が焦る。11時45分にホールに入った。座席は二階の端であった。

  <公開生放送>
  約3000名のファンが集まった。8400通の応募があったそうだ。自分は「スタジオパークからこんにちわ」という番組は一回も見たことがないが、こういうかたちで放送するのは初めてだそうだ。拍手や歓迎のハングル「アンニョンハセヨ」を唱和する練習をしてから本番に入った。予想していたよりもあっさりとした練習だった。フロアディレクターが舞台の隅で合図を送ってどっと拍手、などという演出は全くない。そんなことをしなくても客席は静かな熱気に包まれている。

  イ・ヨンエは意表をつく登場の仕方をした。自分が座っている席の下方、一階の客席横の出入り口から登場したのだ。濃いクリーム色のチマにピンクのチョゴリ、髪はひっつめではなく粋なまとめかたである。貴婦人の髪型だ。グニョ類(簪)は軽い感じのものだ。次々に客席のファンと握手をしていく。思わず身を乗り出してその姿を追った。花が歩いているようだ。指に赤い糸を巻いているかどうか目を凝らしたがよくわからない。

  イ・ヨンエが本当に来日したのだと実感したのは舞台でマイクを握って語り始めてからだ。後ろのスクリーンに放送中の画像が出る。残念ながらこの画面を見ないと二階席では表情がつかめない。自分の周りには双眼鏡を覗く人が何人もいる。自分もどこかに埋もれている古い双眼鏡を部屋中探したが見つからなかったのでそのまま来たのだった。しかし、一階のかぶりつきで見たりしたら平静な気持ちで座っている自信がない。これくらい距離があった方が落ち着いて楽しめるのだと覚悟した。

  番組の内容は「大長今」に関する話題のみである。しかも、ほとんどは既知の話だった。これは仕方ない。あれこれ調べて関連記事を読みあさってもいいことはない。変な言い方だが、何も知らないことの大切さを思い知った。ただ、イ・ヨンエが、はじめて打ち明けると言って「大長今」の放送延長にまつわる話をしてくれた。当初50話の予定で作られたドラマであるが、制作サイドはさらに数ヶ月の番組延長を希望した。これに対して心身共に限界に来ていたイ・ヨンエは、監督に泣いて懇願して54話で終わらせてもらったのだそうだ。「監督に泣いて頼んだ」というのがポイントだ。

  イ・ヨンエの話しぶりは表情が豊かで、予想したより饒舌だった。控え目なウイットと暖かさを感じさせる。彼女は、ドラマの主人公が韓国の文化や価値意識を伝える力を持っている、チャングムはドラマという枠を超えていろいろな国に伝播し、生き残っていくだろう、というような話をしていた。最近、香港では学校の現場で大長今精神を教育に生かす試みが行われているという話もある。

  <ファンミーティング>
  30分休憩したあとのファンミーティングの方は、主に「チャングムの誓い」の後半の見所を紹介するかたちで進められた。そうか、結局番組のプロモーションなのか、きっちり管理された番組素材の収録か…。いやいや、何にしてもイ・ヨンエが来日してくれたのだから、文句を言ったらバチが当たる。このファンミーティングの様子は6月24日(土)に特別番組の中で紹介されるそうだ。

  こちらはチャングムの声を演じた生田智子がゲストで登場した。この役者さん(?)のお顔は初めて拝見する。目鼻立ちのくっきりした美貌である。イ・ヨンエとは今日初めて対面したのだそうだ。普通にしゃべっているときの声はチャングムのようには聞こえない。やはりその声を演じているのだ。

  そしてイ・ヨンエは、舞台上にしつらえられた飾り階段から登場した。スポットライトを浴びたその姿は先ほどとはうってかわったドレス姿である。そのロングドレスはライトのせいで紅く見えるが濃いオレンジ色とのこと。両肩の浅い袖のところと胸元に黒い生地でアクセントを付けている。髪はふんわりと後ろで巻いてまとめ、前は分け目から顔の両側に二筋流している。思わずどよめきが起こる。とりあえずスタンディングオベイションをする。

  4月の百想芸術祭の時の写真で見た姿よりほっそり見える。イ・ヨンエはこのドレスは気合いを入れて準備したと語っていた。実際、素晴らしいと思った。黒のアクセントについては意見が分かれるかも知れないが、これが彼女のこだわりなのだ。よしとしなければならない。それにしても華のある女優だ。暫し舞台の上の花に見とれた。

  ファンミーティングのはじめに透明ケースに入った8400通の応募はがきの山が紹介された。そんな事しなくても、と思ったが、自分のように、日本にはあまりファンがいないなどと考えているものもいるので、賢明な演出であろう。このケースを運んできた女性はチマ・チョゴリ姿であった。宮廷女官、という演出だろうか。しかし、彼女のオッコルム(胸の結び紐)の結び方が違うことにイ・ヨエンエが気づき、自ら立っていって結び直してあげた。ちょっといい場面だった。

  ファンミーティングは、ファンがアンケートに答えた「『大長今』で印象に残る場面」の集計結果が発表され、イ・ヨンエも自分の思い出の場面を紹介するというふうに進んだ。途中、最高尚官になったクミョンにチャングムが「幸せですか」と問いかける場面が紹介された。この時、舞台のスクリーンに出た場面紹介のパネルのハングル文字に誤植があるのにイ・ヨンエが気づいた。「ハンマリ」だったかが「アンマリ」になっている。「ハン」が「アン」になってしまっていた。意外に神経質なのか…。そうではなく、堂々とと間違っていることが不本意だったのだろう。このパネルは急遽消された。

  話は進み、イ・ヨンエはファンの質問に答えてくれた。以下、印象に残った話の要点をいくつか記そう。ただし、記憶のみで書くので覚え違いがあると思う。正確には6月24日の放送を参照されたい。

  −趣味は何か。
 「趣味と言えるものはこれといってないが、自然の中を歩くのが好きだ。森の音や風の音、そういう自然の音を聞くのが好きだ」

  −来日は何回しているのか。日本に遊びに来るとしたらどこに行きたいか。
 「映画『JSA』と『春の日は過ぎゆく』のプロモーションで2回来た。日本では東京などの大都市ではなく地方都市に行って自分の足で歩いてみたい」
  …この後、地方から出てきた人に挙手してもらうと結構多くの人が挙手した。生田智子は、自分も静岡の方に住んでいる、と言って、イ・ヨンエに来てほしいようなそぶりであった。

  −両親に教えられたことが何かあるか。
 「今日は韓国の『父母の日』なので今朝も電話した…だが出なかった(微笑み)。親には言葉のかたちで教わったというより、その行動でいろいろのことを教えてもらった。人に対する思いやり、気配り、そして耐えることなど…。」

  −理想のタイプは。
 「正しい考えを持ち、人に対する思いやりのある人」
  …この「正しい」は「オルゴットゥン」だったと思うが、自信がない。司会者が、今日の会場には40代50代の殿方もいらっしゃいますが、そういう方でも…、というようにちょっと意地悪く水を向けると、それでもかまわないような優しい返事をしていた。

  −生まれ変わったら男がいいか女がいいか。
 「女として生まれ変われたらいいと思うが、男にでも女にでも生まれ変われるとしたら、もっと勉強したいし留学もしてみたい」
  …確か1998年に演技の仕事を長期間休んだ時、2週間くらい米国に行ったはずだ。あれは短期留学みたいなものかと勝手に想像していたが、そうではなかったようだ。だが、今日のようなミーティング形式だと確かめようもない。

  ファンミーティングのおしまいには、今日参加したファンにプレゼントが贈られた。本来は逆だと思うが、こういう形式だから仕方ない。贈り物は特製のノリゲ。チャングムが持っていたもののレプリカだそうだ。それにサイン入りの色紙である。座席券とひきかえである。イ・ヨンエはノリゲを手渡されると手でなでなでしたり頬にすりすりしたりして茶目っ気のあるところを見せていた。この時は自分も思わずポケットの中の座席券を握りしめてしまった。

  抽選は、くじ引きで「一階席」をまず決め、次に「座席ブロック」を決め、最後に座席番号の札をひく、という具合に極めて効率的に行われた。一階の当該ブロックに横断幕を用意したファンクラブの方々が座っていた。イ・ヨンエはこのことを気遣い、ファンクラブの方々が座っているブロックを狙ったわけではないというようなことを言った。そんなことは見ている者全員が承知している。さわやかな気配りのイ・ヨンエだ。するとすかさず司会者が、でも、きょうのお客さんはみんなファンクラブですよ、と切り返す。…今日のミーティングは全部こういうフリートークでやっても良かったのにと思う。この司会の女性アナウンサーは「できる」人だった。

  65分間のミーティングはそれこそあっという間に終わった。イ・ヨンエは丁寧なしぐさで感謝の気持ちを表しながら舞台の袖に消えた。後ろ髪を引かれているように見えたのは自分の思い過ごしだろうか。


  NHKホールを出ると雨がぱらついていた。原宿駅まで戻り、神宮橋で左に折れて、久しぶりに明治神宮の杜を歩いた。石造りの太鼓橋が見える。いつ見ても映画の一場面のように見える。濃い緑に雨脚が次第に速くなる。そして、イ・ヨンエがそこにいるような気がした。


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事