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[ハンギョレ新聞](2月15日)によれば、2月13日にベルリン映画祭の「タレントキャンパス」で講師を務めたパクチャヌク監督は翌日、現地時間14日午後3時、ポツダム広場にある映画祭のメイン上映館前で「スクリーンクオーター縮小反対1人デモ」を敢行した。『韓国映画は危機に瀕している』『スクリーンクオーターがなければオールドボーイもなかった』と表裏に書かれたプラカードを持って1時間半ほどデモを行った。広場には、主にアジア系の特派記者たちや映画祭に参加した韓国映画人が集まって声援を送った。[ハンギョレ新聞]によれば記者たちの共感を得られたそうだ。
−うーん。「オールドボーイ」ってそんなにすごい映画なのか。自分の作品をこういう形で利用するとは、かなり図太い人だ。韓国国内、ソウルの光化門では連日人気スターに人気監督を組み合わせて4時間のデモを行っている。ムン・ソリやファン・ジョンミン、キム・ヘスなども参加している。ベルリンでのデモの時間が1時間半というのは韓国国内での1人デモにくらべると短い。寒いし人も集まらなかったので早々と切り上げたのだろう。千両役者は引き際が肝心である。パク監督は前日行われたタレントキャンパスでも30分余りを割いてスクリーンクオーター制の意義について語ったそうだ。「悪魔に憐れみを」という講義題名にひかれて集まった学生たちにはさぞ有益な話だっただろう。
ベルリン映画祭に参加したスターたちの消息については[中央日報](2月16日)のユ・グォンハ特派員の記事が参考になる。同日の<取材日記>「映画人、言葉・行動 別々に」その他の記事によれば、審査委員として参加したイ・ヨンエも出演俳優として参加したチャン・ドンゴンも、映画祭の公式行事以外では目立たないようにしている。
−両者ともスクリーンクオーター縮小には反対の立場を明確にしているが、派手な公式行事以外では韓国映画を愛する気持ちを抑えて身を隠しているようだ。イ・ヨンエはパク監督の一人デモには顔をみせることさえしなかった。これは[聯合ニュース]のインタビューで語っていたとおりである。
この記事によれば、韓国の映画人にそれほど好意的でない見方もある。韓国文化院のあるドイツ人職員は「理解できない」と首をかしげた。彼は「クオーターを縮小した場合、被害は低予算の芸術映画が被る。大物スターたちが本当に映画をいかそうとするなら低予算の芸術映画に出演する方がもっと役に立つのに」と語った。あるドイツ人記者は「映画界のスターたちが一糸乱れぬ声をあげるのが不思議だ」と語った。外国の映画界で自由奔放なスターたちが同じ発言をするというのは珍しいからだ。
−それはそうだろうが、なにしろ韓国の話である。スクリーンクオーター縮小に反対しなかったら「お前はそれでも映画人なのか」と詰問されてしまうだろう。映画人の「ウリ意識」を甘く見てはいけない。
一方、12日にポツダム広場近くのレストランで「韓国映画の夜」という行事が開かれた。このイヴェントは、韓国の代表的な映画祭として定着している釜山映画祭事務局が、アジア・フィルム市場を開設するための広報の場として用意した行事である。最初250人が参加すると予想された行事には400人余りが殺到して盛況となった。イ・ヨンエやチャン・ドンゴンを見ようとするファンが少なくなかった。しかし、参加を約束したスターは現われなかった。主催者側はトップスターが「乾杯の音頭」をとる手順まで作っておいた。ある関係者は「不参加という連絡がないので、どん詰まりまで参加するという前提で手順を用意しておいて待った」と言った。
−これは、イ・ヨンエの場合はいつものパターンだろう。「別に参加するとはっきり申し上げたわけではない。勝手に参加すると思ったのでしょう」というヤツである。彼女にしてみれば、公式行事に出たり映画を見たりするのは仕方ないにしても、私的な時間は本国の訴訟問題その他で頭がいっぱいであろう。「韓国映画の夜」どころの騒ぎではないはずだ。本国ではニューボテック側が中央日報や毎日経済その他の新聞に謝罪広告を出した。同広告で少額株主の被害者やイ・ヨンエ本人及びその家族に謝罪している。事件が起きた2月7日に少額株主の被害者たちがグループを結成し、ニューボテックに対する集団訴訟を準備中だそうだ。
そのイ・ヨンエのベルリンでの様子は、上のユ・グォンハ特派員の記事<”審査委員”イ・ヨンエ ベルリンでの活動は>[中央日報](2月16日)に詳しい。ベルリンに行った当初はマスコミとのインタビューを何本もこなして、よくしゃべった。だが現在は、一言で言うと完全な秘密主義で通している。映画祭関連行事以外ではマスコミや外部の人との接触を完全に断っている。今回のベルリン行きには日程を管理してくれるマネージャーと化粧を担当する随行員など二名が韓国からついて来た。現地では、映画を一緒に見ながら審査を手伝ったり日常の日程を助けたりするために二名の通訳を準備してくれた。このところ、競争部門に進出した19編の出品作を一日平均2編以上見ながら審査に励んでいる。映画祭関係者は「他の審査委員といくつかの作品を見た後意見を出し合っている」と伝えた。事務局の他の関係者は「イ・ヨンエさんは独語と英語を少し駆使するが、完璧な意思疎通のために英語通訳を介している」と語った。
−ただの憶測だが、日程管理のマネージャーはCJエンタテインメントの人かもしれない。以前、エンバーゴの問題があった時にCJエンタテインメントは韓国国内の窓口になっている。それにしても、まるでどこかの政治家みたいだ。待遇もすごい。
イ・ヨンエが外出の時に乗る車は、ベルリン国際映画祭公式支援車であるフォルクスワーゲンの大型高級セダン、パエトンだ(6000cc、420馬力で1億ウォン以上)。彼女は現在、リッツカールトンホテルの10階に泊まっている。ポツダム広場に面したこのホテルは2004年1月に開館した一流ホテルである。ニューヨークの摩天桜を模して作った1920年代風の派手な建物で、雄大壮厳な威容を誇っている。18階建てのこのホテルは11階までを客室で使っている。イ・ヨンエが滞在している10階はクラブ客室地域で、外部の人たちの接近が完璧に遮られている所だ。ホテル側は「こちらはホテル内のホテルと呼ばれるほどに保安が完璧です」と説明した。エレベーターに乗っても専用カードがなければ10階に移動するのは不可能だ。
−すごいホテルに泊まっている。ベルリン映画祭って資金が潤沢なんだ。こういう会員制のホテルは有力者の紹介がなければ一見の客なんか相手にしないだろう。すごいもんだ。
ところが、このホテルには最近非常警戒令が下された。建物内外でホテル保安要員が随時に外部の人の出入りをチェックしている。なぜか。イ・ヨンエは最近映画祭側に不便な心境を仄めかしたそうだ。マスコミに宿所が知られて出入りに不便を経験しているという理由からだ。で、映画祭事務局は現在、イ・ヨンエに関するどんな取材や情報提供も拒否している状態なのである。「イ・ヨンエさん側の要求のため」と言って関係者は説明したそうだ。
−やれやれ。もうこうなると政治家以上である。どこかの国の皇族みたいだ。まあ、パク・チャヌク監督もベルリンに来たし、本国では訴訟があるし、世渡り上手のイ・ヨンエとしてはいろいろなゴシップのネタにされるのを極度に警戒したのだろう。それとも、カロリー豊富なドイツ料理のせいで顔つきが変わったとか…それはないな。
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