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李英愛の時代

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7月7日午後7時

 韓国や米国の政府系サイト、金融関係やマスコミ等の大手民間サイト等25ヶ所のサイトがDDoSの亜種による攻撃を受けた。DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃は、いわゆる「トロイの木馬」を不特定多数のコンピュータに仕掛け、特定しにくい「黒幕」のコンピュータが遠隔操作でいっせいに感染コンピュータを制御する手口である。「トロイの木馬」が仕込まれた(感染した)コンピュータから攻撃目標のサーバーへ大量(一秒間に数百から数千)のパケットが送り出される。この攻撃にさらされると通信経路にパケットがあふれ、まず間違いなくサーバーはダウンする。

 DDoS攻撃は、2000年に米国で連続的な被害を与えて注目された、いわば古典的な攻撃手法であるが、今回の韓米サイト攻撃では「黒幕」のコンピュータがさしあたり存在しない。「トロイの木馬」自体に25ヶ所のサイトの「攻撃リスト」と時限装置が仕込まれていた。このいわゆるBotnetコンピュータ(またはゾンビコンピュータ)は8日午後2時現在、2万3千台が確認されている。ソウル市内のあるプロバイダの顧客PCなど、その大半は韓国国内にある。また、7月7日午後7時前後にいっせいに接続したインターネットIPアドレスの90%以上は韓国国内であった。一時は韓国国内から米国の政府系サイトに接続出来ないように遮断措置がとられた。

 7日に攻撃を受けたサイト25ヶ所のうち、韓国国内のサイトは大統領府、国会、国防部、外交通商部、ハンナラ党、朝鮮日報(朝鮮ドットコム)、オークション、農協、新韓銀行、外国為替銀行、ネイバー(NHN)の11ヶ所。一部サイトは8日も接続が円滑ではない。朝鮮日報のサイトには断続的につながらなくなっている。執拗に攻撃を受けているようだ。今回の木馬ウィルスは「攻撃リスト」を追加でダウンロードする機能も持っているそうで、金融機関への追加攻撃も始まっているようである。

 一方、米国で攻撃を受けたサイトはホワイトハウスの他に国土安全保障省、連邦空港庁、国務省、財務省、連邦取引委員会(FTC)、アメリカ郵便公社、ニューヨーク証券取引所、駐韓米軍、オークション(米国サイト)、ヤフー、VOAニュース、ワシントンポスト、USバンクの14ヶ所だったそうだ[東亜日報]。

 米国では7月4日の独立記念日以降、財務省や財務省秘密検察局、FTCなどがサイバー攻撃を受け、小康状態に入っていたところだった。とりわけFTCは手ひどくやられたようだ。ただ、米国の政府系サーバーはサイバー攻撃を受けるのが日常化しており、2008年には5,499回(2007年が3,928回、2006年は2,172回)も破られている[FoxNews]。今回の事件も米国ではよくある攻撃のひとつかもしれない。韓国でも、政府系のサーバーを狙った単発クラッカーの攻撃はかなり多いようだ。ただし、今回のパケット攻撃では主に韓国国内のPCが悪用されている。そして、今回攻撃されたサイトを眺めると、ひとつの傾向がうかがえる。

[聯合ニュース](日本語版 7月8日)サイバー攻撃の背後に北朝鮮、国家情報院が推定
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2009/07/08/0900000000AJP20090708003900882.HTML
[聯合ニュース](7月8日)DDoS攻撃対象 拡大
http://www.yonhapnews.co.kr/economy/2009/07/08/0303000000AKR20090708212900017.HTML?template=2085
[聯合ニュース](7月8日)検察・警察、DDoS悪性コード配布者本格追跡
http://www.yonhapnews.co.kr/economy/2009/07/08/0303000000AKR20090708146100004.HTML?template=2086
[東亜日報](7月8日)検察、ハッキング攻撃海外接続確認
http://www.donga.com/fbin/output?n=200907080312&top20=1
[FoxNews](7月8日)Federal Web Sites Knocked Out by Cyber Attack[AP]
http://www.foxnews.com/story/0,2933,530560,00.html

 最近目にした脱北者のインタビュー記事に、北朝鮮の対南工作機関の話が出ていた。話の主のチャン・ジンソン氏は詩人として、いわゆる対北心理戦(国内向け情宣活動)に携わっていた。北朝鮮には海外向け放送を通じて対南心理戦を行い、運動圏歌謡を浸透させた'統一戦線部26連絡処'という機関があり、彼が出てくる直前、この機関は「'インターネット浸透連絡所'に変更された。韓国の住民登録証30万個を確保して、'書き込み(デッグル)心理戦'を広げている」とのこと。また、統一戦線部には韓国の新聞や時事雑誌があり、例えば、「朝鮮日報だけ30年間見ている人もいる。彼に尋ねれば、'ある記者が何年生まれでどんなコラムを書いた'かがすぐわかる」のだそうだ [朝鮮日報]。

 この詩人は2002年に元山の別荘でキム・ジョンイル(金正日)に面会し、アルコール消毒した手で握手したこともあるという。韓国に入ってから、『私の娘を百ウォンで売ります』という詩集を昨年出版した。「(キム・ジョンイル体制を)告発しようと持って出てきたが、ノ・ムヒョン政府の時期に本を出せないようにした。ある人が政権が変わる時まで待てと助言してくれた。それで昨年出版することができた。」

[朝鮮日報](7月5日)[チェ・ポシクが会った人] "詩集胸に抱いて豆満江を越えて…ノ・ムヒョン政権では出版出来ないようにして″
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2009/07/05/2009070500772.html?Dep0=chosunmain&Dep1=news&Dep2=headline1&Dep3=h1_03

 北朝鮮のサイバー攻撃の戦力はどの程度なのだろう。情報当局によれば、「北朝鮮は1990年代初めから7年間ピョンヤン(平壌)高射砲司令部のコンピュータ命令体系及び敵軍電波かく乱などの研究を遂行した人民武力部偵察局121処(部)を1998年からハッキングとサイバー戦専門担当部隊の'技術偵察組'に拡大改編した」。「この部隊員らは2000年末までハッキングとサイバーテロに対する教育訓練を履修した後、2001年から中国など海外でサイバー戦任務を遂行している」。「主要任務は軍事関連機関のコンピュータ網に侵入し、秘密資料を盗み出したり必要時にウイルスを流布することと当局は把握している」のだそうだ。この部処には技術系の大学を卒業した優秀な人材が集まっているようだ。

 また、「総参謀部配下の指揮自動化局はウイルス専門要員(ハッカー)、参謀要員で構成されており、サイバー戦ハッカー要員の運用とソフトウェア開発などの任務を受け持っている。傘下には31処と32処、56処がある」。「31処は将校50〜60人が属してハッキング コンピュータ プログラムを開発しており、32処は31処のような人員で軍関連プログラムの開発を受け持っている。将校60〜70人が活動中の56処は指揮通信プログラムを開発している。31処と32処、56処で編成された将校らは平時のハッキング任務にも動員されていると伝えられている」のだそうだ。

「当局のある関係者は、"米国国防総省が数年間、米軍のインターネットを参照した国家を逆追跡した結果、北朝鮮が最多接続国と判明した"とし、"北朝鮮のハッキング能力は米国CIA(中央情報局)に次ぐだろうという評価もある"と伝えた」のだそうだ。

 最近、一発何百万ドルもするミサイルをポンポン打ち上げて、わけのわからない花火ショーを見せてくれた北朝鮮であるが、サイバー空間での戦いにも余念がないようだ。キミルソン(金日成)の15回忌にあたる今日の追悼大会では、キム・ジョンイルが公の場に姿を見せたらしい。

[聯合ニュース](7月8日)<北朝鮮のサイバー戦能力は>
http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2009/07/08/0511000000AKR20090708205600043.HTML
[産経新聞](7月8日)金総書記の動画、3カ月ぶりに放映 故主席追慕大会で
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090708/kor0907082112002-n1.htm

(追記 7月9日)
 ITヴェンチャーとして著名なアン・チョルス研究所から専用ワクチンソフト(63KB)が出ている。
[アン・チョルス研究所][07/08] DDoS攻撃を利用したハッキング注意
http://kr.ahnlab.com/info/noticeView.ahn?num=50098556

(訂正 7月9日)
7月7日に米国側で攻撃されたサイトの訂正
文化財部(?) → 財務省

ネットの俗語

 インターネットで読める韓国の新聞記事のほとんどには記事下に読者の意見欄がついている。新聞のトップページに見出しが載った記事には書き込みがたくさんある。これが面白い。向こうは完全実名制ではないものの、基本的に住民登録番号が無いとログインして書き込むことが出来ない。そういう環境であっても品の良い書き込みばかりではない。記事下の書き込みや掲示板の書き込みを見ていると、ネットで流通している俗語・隠語の類が出てきて意味がわからなくなることもある。自分の語学力では、そうでなくても口語体の文章は読み難い。

 最近出てきた「ネット隠語」で印象に残っているのは「トゥッ・ポ・ジャプ」という言葉である。「聞いたことも見たこともない下衆な奴」を三文字に短縮した構造になっている。「聞く」の語幹で「トゥッ」、「見る」の語幹で「ポ」、「ゲス野郎(ジャンノム)」から「ジャン(ジャプ)」をとって三文字の用語にしたものである。

 少し前に、「ビッグニュース」などのネットメディアを運営するビョン・フィジェという人(メディア発展国民聯合代表)が、あのジン・ジュングォン中央大学兼任教授の講師料不当受領問題を提起した。韓国芸術総合学校での1700万ウォンあまりの講師料不当受領問題である。これに対してジン兼任教授はビョン代表を「ビョンドゥッポ」という言葉でネット攻撃した。「ビョンドゥッポ」の「ビョン」はビョン代表の名字である。「ビョン」をとった「トゥッポ(ドゥッポ)」は「トゥッポジャプ」の「トゥッポ」である。結局、「前代未聞のゲスであるビョンの野郎」ぐらいの意味になろうか。

 この「人身攻撃性ニックネーム」に対してビョン代表は名誉毀損にあったとしてジン兼任教授のブログサイトであるダウム(Daum)に権利侵害申告をし、ダウム側はジン兼任教授の文等に対して接近禁止措置をとった。

 向こうでは貧富、貴賤の別なく悪口の強度が高いのではないかと疑ってしまいたくなることが間々ある。いや、「強度」というより「露骨さ」というべきか。ノ・ムヒョン前大統領の悪口が直接の引き金になって自殺した旧財閥系会社の社長を思い出す。

[朝鮮日報](6月6日)ジン・ジュングォン、ピョン・フィジェ サイバー論争漸次佳境に入る
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2009/06/06/2009060600402.html

 上の悪口用語は長い言葉を短縮したものであるが、新聞記事には「短縮型」と一括して呼ぶべき言葉が多い。上に出てきた「韓国芸術総合学校」は「韓芸総」である。その他、例えば今年の一月、ソウルのヨンサン(龍山)地区で、再開発に伴う立ち退きに抵抗してビルに立て籠もった住民(撤去民)5名が強制排除にあたった警官1名とともに死亡するという事件があった。死亡した住民5名のうち龍山地区の人は2名。他は応援に駆けつけた人々で、「全国撤去民聯合」という団体に所属していた。この「全国撤去民聯合」を略して「全撤聯」という。

 また、先日、法定管理(日本で言う会社更生法適用)状態のサンヨン(双龍)自動車で、会社側の構造調整案(解雇通告)を不服として工場を占拠した労組(民主労総傘下の金属労組所属)と会社側の労働者(及び警備会社のガードマン)が大乱闘を繰り広げるという事件があった。新聞の記事下には、「サンヨンの車は競争力に乏しい、A/Sがいまひとつだ」などという書き込みが出てくる。サンヨン車の中古車価格が下落していることを伝える記事自体でも、「主にSUVと大型車をたくさん生産する上、最近ストライキなどでA/Sに対する憂慮感が高まってブランドイメージが低くなり、落ち幅が相対的に大きい」などと書かれる。ここに出てくる「A/S」は、いわゆる「after-sales service」。日本語で言う「アフターサービス」である。

 用語を短縮する表記は日本でも「全学連(全日本学生自治会総連合)」や「中ピ連(中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合)」が懐かしい響きと共に思い出される。向こうの記事を見ていると三文字程度に短縮した表記を実によく見る。自分が韓国の運動圏や市民団体に関する記事をみることが多いせいかもしれない。団体名などの場合、通常はフルネームで表記した後で使われるので問題はない。字数の節約と読み難さの回避である。

 これとは別に、特定の人や集団を漢字三文字程度のレッテル風に表記する「漢字名短縮型」の例も多い。「朴・全・廬(パクチョンノ)」、「朝・中・東(チョチュンドン)」、「高・所・嶺(コソヨン)」などがすぐに思い出される。サイモンの論文だったと思うが、昔読んだ情報処理の話で、人間が短期記憶の際に一度に処理出来る情報単位(いわゆるchunk)の大きさは5〜7単位だとあったように記憶する。もっとも、あれは電話番号の記憶処理の話だったから、強引にここで結びつけるには無理がある。「短縮型」は漢字語がもとになっているので三字程度が妥当な線なのだろうか。もしかしたら漢字三文字の音韻のリズムが耳に馴染んで覚えやすいのかもしれない。

 その他、記事下の書き込みなどに見たことのない「ネット語」が出てきて躓くことも多い。例えば新聞の芸能欄の記事下に、「上の写真はウンゴルサだね」などと出てきて面食らう。ポータルサイトの知識検索等で調べると、「ウン・ゴル・サ」は「どことなく派手で安っぽい写真」のことなのだそうだ。これなどは上に出てきた「トゥッポジャプ」の仲間で、いわば「文短縮型」である。

 また、スポーツ欄で「この選手はキンワンチャン!」と出てきてもまるでわからない。これは「キン(king)・ワン(王)・チャン(最高)」であって、「非常にすごい」ということらしい。若い世代は漢字や横文字をチャンポンにして自由に言葉をつくり出す。これはいわば「三音節型」である。

 こうした俗語・隠語も日常的に耳でハングルに接していれば発音してピンとくるのであろうが、もっぱら目で接している自分にとっては判じ物のようである。自分のような例を「ヌンティン」というらしい。「ヌン」は「目」、「ティン」は「ting」で「hunting」の一部。語呂合わせである。「目で見てまわる」というか、「掲示板の書き込みを見るだけ」という意味になる。日本のネット語で「ROMる」とか「ロムる」などという場合に相応する。これは「語呂合わせ型」とでも言うべきか。

 前大統領の自殺以降、手のひらを返したような「国民情緒」の急変の結果、ハンナラ党が民主党に支持率で遅れをとった[ハンギョレ]。大統領の支持率も下がった[朝鮮日報]。ただし、政党支持率の調査は国民葬の直後に行ったものなので、もう少し様子を見ないと実情はつかめないだろう。

 そこへ、北朝鮮の首領様の三代世襲が本決まりになったという話が出た。国家情報院が異例の措置として国会情報委員たちに「憶測」を流したのである。これについて、「一部メディアが関連取材を始めたことから、国情院は“議員がメディアを見て(初めて)内容を知るような事態が起きれば問題だ”と判断、急いで議員たちに先に知らせたのではないだろうか」との観測も出ている[朝鮮日報]。マスコミもせっかちだが、政府も負けていない。

 新聞各社の社説は苦り切った筆致で北の沈黙劇を論じている。そして、二回目の核実験とICBM発射の動きが世襲がらみの体制固めのためだろうという観測で一致している。キミルソン(金日成)からキム・ジョンイル(金正日)に権力が委譲される過渡期にプエブロ号事件などが起こり、その「手柄」がキム・ジョンイルに帰せられたという過去の経緯をふまえている。この伝で、キミルソンが独裁支配を確立する権力掌握過程でも、朝鮮戦争(韓国戦争)という特大の事件で箔を付けたのだとみることもできよう。

 各社説は、北朝鮮へのスタンスの違いに応じた結論となっているが、気になったのは京郷新聞である。この社説は「世襲」そのものを論じていない。世襲関連の情報を国情院が流したのは、北朝鮮の動きを国内政治的に利用しようとする意図があるのではないかと、政権叩きの話になっている。これは、世襲の話が正式な「情報」になってからあらためて論じる、ということかもしれない。しかし、世襲問題は北朝鮮情勢のうちでも最重要の話題の一つである。現政権の作為や情報操作というのが穿った見方であるにしても、それを社説の結論に据えて「政府の自重を促す」ではお話にならない。

 結局、「北朝鮮の意図的緊張状態造成に綿密な対応策をたてることを望む。後継指名過程での権力闘争など不確実性に備えた非常計画も落としてはいけないだろう」、このソウル新聞の結論が常識的かつ平均的で説得力のあるものに思える。

[朝鮮日報](日本語版 6月3日)後継者問題:国情院が進んで通知、その背景とは
http://www.chosunonline.com/news/20090603000012
[ハンギョレ](6月1日)民主、4年8ヶ月ぶりにハンナラに支持率先んじて
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/357940.html
[朝鮮日報](6月27日)イ大統領の支持率23.2%へ'下落'
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2009/05/27/2009052700870.html

新聞各社の6月3日の社説抜粋。

[東亜日報][社説]権力を家業のように世襲する北朝鮮、世界が嘲笑
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2009060336028
 北朝鮮で金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)、金正雲(キム・ジョンウン)と続く3代権力世襲が企図されている。北朝鮮当局は先月28日、海外の公館長に、「金正雲後継者内定」の事実を伝え、住民に金正雲を「金大将」と呼ばせ、称賛する歌を教えているという。金正日一家が、「朝鮮民主主義人民共和国」という見かけだけの看板の裏で、政治権力を家業と見なして子々孫々福楽を享受しようとしているのだ。
 (中略)
  3代世襲は、北朝鮮住民が経験している不幸の根源だ。彼らは、限られた国家資源を独裁権力の維持と軍事力強化に注ぎ込み、住民は食事もままならない。餓死者だけでも数百万人にのぼる。北朝鮮には、自由も人権もない。2300万の住民を地獄のような生活に追い込んだ専制主義世襲王朝がどこまで行くのか、世界は嘲笑とともに見つめている。
 3代世襲は容易ではなさそうだ。金正雲氏と2人の兄との間に権力闘争が生じる恐れもある。脱北者が増えるのを見れば、住民の反応も普通ではない。病弱な金正日総書記が長期間息子を保護し、無事に権力の座に就かせることができるのかも疑問だ。
 金正雲氏の世襲強化のための北朝鮮の挑発に、私たちはしっかり備える必要がある。北朝鮮の混乱が、韓半島全体に広がることがあってはならない。

[朝鮮日報]【社説】金日成、金正日、そして金正雲
http://www.chosunonline.com/news/20090603000008
(前半省略)
 この非理性的な集団に対してはいかに対応すべきだろうか。これはわれわれの目の前に立ちはだかる大きな課題だ。短期的に見ると、北朝鮮は国内の結束のために対外的な挑発に乗り出す可能性が高い。・・・中期的には、現政権の対北朝鮮政策の方向性を再検討する必要があるだろう。北朝鮮がこちらの行為を理性的に受け止め、核を放棄して開放へと向かえば積極的に支援を行うという、いわゆる「非核・開放・3000」構想は、その前提からして現実とは相容れないものになりつつある。予測不可能なまま突発的行動を起こす集団をこちらのペースに巻き込むために、どのような圧力と譲歩を組み合わせて政策を推し進めるべきか。この点についての新たな模索が必要な時期となっている。
 長期的には金正日体制から金正雲氏へと世襲が行われる過程と、その後に予想される北朝鮮内部の動揺に備えなければならない。いずれにしても北朝鮮は必ず崩壊する。しかしその崩壊の過程において、民族全体に災いをもたらす可能性がある。そのためわれわれは今すぐにでも、この「金王朝」の問題を円満に解決するための知恵を絞らなければならない。

[中央日報][社説]【社説】北、結局「3代世襲体制」へ向かうのか
http://news.joins.com/article/3632714.html?ctg=20
 (父子世襲は「北朝鮮の特殊性」に違いないが、またしても3代にわたって世襲をするとは21世紀の世界史では笑い話に違いない。)
 もう私たちの対北朝鮮政策も根本的な次元で再検討をしなければならない。 ドン底に落ちた住民たちの安全と危機は物ともせず、3代世襲などをして核とミサイルで武装しようとする北朝鮮指導部を民族の共同繁栄と統一を議論できる相手と見なすべきか悩まなければならない。
 ピョンヤン(平壌)指導部はいくら自らの事情があるとしても、このように国際社会でひやかされる方式で後継問題を解決してはいけない。経済的に、外交的に北朝鮮に絶対に役に立たない。北朝鮮憲法上主権者の‘勤労人民’が直接指導者を選出することはないとしても、最小限中国式で労働党内部の活発な討論を経る方式を検討する必要がある。時代錯誤的な‘専制王政独裁国家’の非正常的な枠組みを投げ捨てなくては、決して地球村の責任ある一員として優遇されることはありえない。

[ソウル新聞] [社説]北 3代世襲しようとして安保不安高まる
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20090603031006
 北朝鮮がキム・ジョンイル国防委員長後継者指名を公式化して出た。北朝鮮は海外公館長らにキム委員長の三番目の息子キム・ジョンウンに対する忠誠の誓いをするようにしたという。父子世襲はあったが3代世襲は国際社会で史上類例がないことだ。最近韓半島(朝鮮半島)で広がっている軍事的緊張状態も後継世襲と無関係ではないと見る。
 1969年の米国プエブロ号拿捕と米国偵察機撃墜事件もキム委員長が金日成主席から後継指名を受ける前に発生した。北朝鮮がキム・ジョンウン後継者内定を海外公館に伝達した時点は先月25日で核実験の3日後だ。  (その後、中・短距離ミサイルを発射し、これからICBMを)6・15共同声明と16日の韓・米首脳会談を前後して、発射すると予想される。核実験と連鎖ミサイル発射が後継体制を固めようとする祝砲の性格ならば驚愕ものだ。
 北朝鮮が3代世襲のために韓半島を極度の緊張状態へ推し進めようとするなどあってはならないことだ。北朝鮮の意図的緊張状態造成に綿密な対応策をたてることを望む。後継指名過程での権力闘争など不確実性に備えた非常計画も落としてはいけないだろう。

[ハンギョレ][社説]3代権力世襲へ向かう北朝鮮
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/358315.html
 北朝鮮体制の特殊性を考慮しても、3代権力世襲は今の世界でめったに見ない後進的形態であることが明らかだ。(しかし、権力世襲問題は紆余曲折が予想されるし、体制固めのために北は強硬で硬直した姿を見せている。)我が国をはじめとする関連国らの賢明な対処が重要な時だ。不安要因を持った国であるほど外部刺激にさらに敏感に反応するほかはない。北朝鮮が核実験をしたことに対し一定水準の制裁は避けられないとしても決して対話の門を閉じてはならない。特に北朝鮮内部に困難がある時ごとによみがえる北朝鮮崩壊論は互いに不信感を増幅させて、状況悪化を産むだけだ。
 新たに惜しいのは底辺まで行った南北関係だ。北側が難しい時、簡単に南側に手を差し出すことができてこそ突発事態が起きる危険性を減らし両側の間の懸案を解いていくことができるが、今は全くそういうことでができない。北朝鮮の権力継承が短い時間で終えられることができるのではない以上、これを念頭に置いた南北関係を構想しなければならない。今の状況に対してはすべて反省しなければならない大きな課題があるだろうが、先にわが政府の対北朝鮮政策再検討努力が至急だ。

[京郷新聞][社説]北朝鮮のICBM発射は自害行為だ
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=200906030027405&code=990101
 (北朝鮮は、権力世襲に関連して超強硬軍事カードを出してきたり、権力世襲体制構築作業が軌道に乗ればいずれ本格化するであろう北朝鮮・米国間の交渉を念頭に置いて抑留米国女性記者の扱いに融和的ジェスチャーを見せている。)だが、北朝鮮は計算を誤った。軍事的緊張感の昂揚で北朝鮮は体制結束の効果を得るだろうがそれは一時的なことにすぎない。生活苦に苦しめられる北朝鮮住民たちが途方もないお金が入る強硬カードにずっと拍手を送るかは疑問だ。交渉力向上計算も粗末なことは同じだ。米国で対北朝鮮強硬論がより一層強まって、国際社会で北朝鮮の孤立現象は深刻化されている。北朝鮮がICBMを発射したり西海(黄海)で挑発すれば国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁水準が上がるのは必然的手順だ。北朝鮮の動きは一種の自害行為になる可能性が大きい。北朝鮮の賢明な判断が切実な時点だ。
 韓半島(朝鮮半島)で軍事的衝突危険性まで提起される中で一部では政府が北朝鮮の動きを国内政治的に利用しようとするという憂慮も出てきている。国家情報院が一昨日、異例的に国会情報委員らに電話でキム・ジョンウン後継者指名説を知らせたのが良い例だ。政府が局面転換用で北風を助長するならば韓半島の緊張と葛藤はより一層高まるほかはない。政府の自重を促す。

「追悼民主主義」?

 また始まりそうである。前大統領の国民葬明けの30日、ソウル市庁前広場は源泉封鎖された。追悼行事を続けようとする集団は強制的に排除された。いま、韓国は「追悼政局」の真っ只中である。ポンハ村の焼香所を100万名以上の人々が訪れ、全国の焼香所を合わせて500万名もの人々が額ずいた。こうした「国民情緒」の流れに乗って反政府勢力はまた蝋燭を持ち出す構えだ。前日、ソウル市庁前広場の路祭で最後の最後をしめくくった追悼歌は「あなたのための行進曲」だった。

 むかし、東欧で、信教と表現の自由を求めて始まった「広場のキャンドル・サーヴィス」は、一貫して無言を貫いた。それが韓国に来て、「蝋燭集会」という示威行事になってしまった。2002年、インターネットを通じた扇動により、米軍車両に轢かれて死んだ二人の女子中学生を追慕する蝋燭集会が死後6ヶ月経ってから始まった。追悼集会のかたちを借りた反米運動になった。

 昨年、BSEに対するテレビ局(MBC)の誇張・歪曲された報道が呼び水となり、インターネットを通じた扇動やデマが恐怖を増幅して始まった「蝋燭集会」は、国民の健康を守るための集会というかたちを借りた反政府集会になった。進歩派の研究者や評論家たちは「直接民主主義」・「電子民主主義」など、わけのわからない新造語を駆使して「蝋燭」を民主主義のシンボルに祭り上げた。そして、野合集団と化した反政府勢力に扇動された「牛肉デモ」は不法示威行動を日常的な風景に変化させた。MBC、KBS、YTNなどのテレビ各社と進歩派マスコミがそれを正当化するための情宣活動を展開し、権力側の対応を「過剰警備」・「警察による弾圧」・「国民との意思疎通の欠如」といったコンセプトで糾弾した。韓国は軍事独裁(開発独裁)の時代に逆戻りしつつあるというキャンペーンがまことしやかに展開された。韓国には「市民」はいても「国民」がいないような居心地の悪い状況が演出された。

 左寄り政権下で生じた2002年の動きが、いわば節度ある運動だったとすれば、昨年の動きは進歩派や左翼、サヨク、親北勢力、プロ市民、デモ屋たちの必死の闘いであって、なりふり構わぬ運動であった。どう見ても中道右寄りと思われる現政権を「独裁政権」と規定する必要があった。大統領と対決し、辞任に追い込む必要があった。10年間の左寄り政権下、新千年民主党やヨルリンウリ党を中心とする湖南勢力が既得権益を享受しただけでなく、左翼の運動圏や親北勢力もおこぼれにあずかった。

 もちろん、ここで「既得権益」とか「おこぼれ」というのは派手に札ビラが舞ったなどという話ではない。例えば2000年の6・15宣言以降、親北政策の勢いに乗って伝統的な親北勢力は対北事業に係わるようになった。次々に作られた各種委員会は金食い虫の一面を持っている。多くの労組は政府支援によって活動資金を得ている。各種市民団体への政府補助金とその使途についての監査もいいかげんで、出しっぱなしであった。財閥がらみの派手な贈収賄とは異なり、こうしたカネはその個々の金額は、まあ、微々たるものかも知れない。おまけに、自分たちは「正しいこと」をしているのだからごちゃごちゃ批判することは許さない、という話にもなる。なにしろ、市民運動に対する政府支援は当然のことであり、そうしたカネを前提にしてデモに精を出す市民団体がほとんどなのである。運動圏にとって居心地の良い政権が10年も続いた後の新政権である。反発は勢い過激になる。

 80年代の民主化運動以来の伝統的行動様式を堅持する団体(とくに民主労総や全教組)は、近年その「守旧的方式」が災いして退潮が目立つ。昨年、政権の出発点で出鼻を挫かれた現政権は、「牛肉デモ」の終息を機に運動圏や親北団体に対する「原則的」対応を始めた。ルールにきちんと従わせる、法を守らせる、そういう話である。例えばこれまで言論労組や民主労総の地方支部などは公共機関のビルに間借りしたり、敷金を地方自治体が補助したりして家賃をまともに納めてこなかった。こういう事実が報道される。各種委員会は存続期限を迎えて生き残りのために別組織をたちあげる。各種監査で公的機関の労務契約の実態や研究機関のカネの管理の杜撰さが露わになる。こういう話は進歩派系のメディアでは大きく扱われない。進歩派にとっては「正当なカネや利権なのに何を目くじら立てているんだ」ということかもしれない。

 また始まりそうである。今年はどういう展開になるのだろう。進歩派マスコミやMBCをはじめとするテレビでの印象操作やインターネットでの扇動はもう始まっている。たまたま昨日、30日夜にMBCのニュースを見たが、ソウル市庁前広場の警察による強制排除の様子は上手に編集されていた。反政府集会が「市民」を巻き込んで大きくなったら、進歩派の研究者や評論家たちは何と呼ぶのだろう。「成熟した市民たちの『追悼民主主義』」だろうか。「同情民主主義」、「反省民主主義」なんていうのもありそうだ。


[朝鮮日報](5月22日)韓国芸術総合学校、文化連帯所属の教授らに特別報酬
http://www.chosunonline.com/news/20090522000036
[東亜日報](日本語版 5月18日)過去史委員会、活動延長目論み新財団設立構想
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2009051879868
[東亜日報](5月11日)人権委協力事業対象に不法デモ6団体を含む
政府補助金中断方針
http://www.donga.com/fbin/output?n=200905110207&top20=1
[京郷新聞](5月7日)汎民連全国事務室押収捜索
国政院・警察、国家保安法違反の疑いで議長など 6人逮捕
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=200905071816365&code=940100
2009-05-07 18:16:36 : 2009-05-07 18:16:37
[東亜日報](5月6日)公企業労組員は働き口も世襲?
http://www.donga.com/fbin/output?n=200905060447&top20=1
[ハンギョレ](3月29日)[カン・ジュンマン コラム] 全教組のために
http://www.hani.co.kr/arti/SERIES/189/346874.html
[朝鮮日報](3月24日)韓国政府、人権委の定員を21%削減へ
http://www.chosunonline.com/news/20090324000045
[朝鮮日報](3月20日)【社説】遊んで暮らす労組専従者は韓国の恥だ
http://www.chosunonline.com/news/20090320000003
[朝鮮日報](2008年12月9日)【社説】市民運動家の働き口と化した軍不審死委
http://www.chosunonline.com/article/20081209000003
[東亜日報](2008年11月29日)不法民間団体に補助金与えない
政府来年から… 使用明細公開義務化方針
http://www.donga.com/fbin/output?n=200811290106&top20=1
[朝鮮日報](2008年11月13日)環境財団代表、企業の寄付金を政治献金に流用
検察、13日に聴取へ
http://www.chosunonline.com/article/20081113000048
[韓国日報](2008年11月8日)[エコー] 市民から離れた市民団体たち
http://news.hankooki.com/lpage/opinion/200811/h2008110803050024380.htm
[朝鮮日報](日本語版 2008年11月8日)山林庁、環境連への補助金回収へ
http://www.chosunonline.com/article/20081108000035
[朝鮮日報](日本語版 2008年10月1日)「韓国はデモ共和国」
http://www.chosunonline.com/article/20081001000058

北の核実験

 ノ・ムヒョン前大統領の喪が明けないうちから、また核実験騒ぎが始まった。5月25日、キム・ジョンイルからノ前大統領の遺族へ弔電が送られてから4時間後、核実験によると見られる地震波が観測された。短距離ミサイルもポンポン撃ち打ち上げられた。北朝鮮は、4月のロケット(弾道ミサイル)発射実験に対する国連安保理議長声明を「自主権侵害」と決めつけ、国連安保理側の声明取り消しと謝罪がなければ核実験とICBM開発を行う、と「危機的状況」を演出する脅迫を行っていた。

 二回目の核実験をすれば、先月の安保理でぬるま湯的な対応をした中国・ロシアをはじめ、米国あたりも融和的に出てくることを期待したのか…いや、それは絶対に無い。北朝鮮は、節目の2012年に向けてひたすら「核武装」へのロードマップを消化しているだけなのだ。なにしろこの国では、「核保有国」すなわち「強盛大国」であって、経済力はその後についてくる、という倒錯した欺瞞論理が支配している。寧辺の再処理施設を再稼働したという話も出ている。国連安保理での制裁決議1718号に違反するだけでなく、六者協議での合意を完全に破棄する明確な証拠を次々に見せてくれているわけだ。

 中国とロシアの思惑がいまひとつわからないものの、国際社会は厳しい制裁の「ムチ」を振るう方向で結束しているようだ。オバマ政権は国連安保理制裁に連繋させるかたちで北朝鮮をテロ支援国に再指定し、金融制裁も追加で拡大施行する方案を検討中だという。‘やさしい無視(善意の無視)’(benign neglect)を続けるオバマ政権としても、無謀なルール違反には相応の対価を支払わせる、という話だ。

 一方、26日、PSI(大量殺傷兵器拡散防止構想)への参加を延ばし続けていたイ・ミョンバク政権は、北の第二回目の核実験直後というタイミングで正式参加を表明した。北朝鮮は「PSIに参加したら宣戦布告とみなす」という脅迫を続けていた。米国主導のPSIは北朝鮮、イランをはじめとする、いわゆる拡散懸念国等の大量破壊兵器・ミサイル開発を抑制する目的でつくられたといわれる。現行の海洋法にはなじまないところがあるものの、北朝鮮の「ミサイル商売」や「核兵器商売」にとっては目の上のたんこぶであり、何としても阻止したい仕組みであろう。

 翌27日、北朝鮮軍板門店代表部は韓国政府の発表に対して“宣戦布告と見なす”と決めつけ、西海(黄海)のNLL(北方限界線)南側5島周辺での“米韓軍艦および一般船舶の安全航海を担保できない”として武力示威の可能性を予告した。「ワタリガニの海」で武力衝突を企図するという話だ。進歩系の新聞などは、PSI参加という強硬な対応ではダメだ、何とか北朝鮮を交渉の場に引っぱり出し、話し合いに持って行くべきだ、という空虚な綺麗事で現政権を攻撃している。泥棒にも三分の理、とか、狂を学ばば狂なり、という話もあるが、今回のPSI参加表明を一方的に批判するのは難しい。

 現在、ヨンビョン島(延平島)をはじめとするNLL近隣の島嶼付近には中国の漁船が大挙して押しかけ、ワタリガニを漁っているそうだ。PSIの話がなくても南北の警備艇同士が衝突しそうな情勢である。過去に起きた1999年と2002年の二度の西海(黄海)交戦(第一次・第二次ヨンビョン海戦)では、北側の攻撃は緻密に計画・準備されたものであった。北朝鮮当局とこうした中国船籍の船との間には何らかの約束でもあるのだろうか。放っておけば北朝鮮の武力挑発に巻き込まれる可能性が極めて高い。また、韓国側の漁船は海軍や海上警察の護衛を受けながら操業を続けると思われるが、大丈夫なのだろうか。

 北朝鮮は過去、1999年6月と2003年3月にNLLを否定する発表をしたことがある。今回も一方的に停戦協定の無効を宣言した。PSI参加が停戦協定の '海上封鎖禁止'を破ることになるのだそうだ。事態の責任はすべて韓国側にあるという、耳にタコができそうな責任転嫁の掛け声にも力が入っている。「停戦協定無効宣言」はいまや北朝鮮のお家芸であるが、崖っぷちから落っこちそうな北の権力者(達?)が何をするかわからないという不気味さは残る。

[朝鮮日報](5月28日)[社説] 北の恐喝と挑発、危険ラインを越えた
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2009/05/27/2009052702245.html
[ハンギョレ](5月28日)[社説]高まる南北の軍事緊張
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/357362.html
[朝鮮日報](日本語版 5月27日)核問題:北朝鮮、寧辺の再処理施設を再稼働
http://www.chosunonline.com/news/20090527000013
[聯合ニュース](5月27日)<米国、テロ支援国再指定・追加金融制裁予告>(総合)
http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2009/05/27/0511000000AKR20090527020900071.HTML

(訂正)5月29日 制裁決議の番号の誤記
1817号→1718号

(附録)
 今回の核実験の規模はよくわからない。核分裂で生じたとされる地震の規模に関して観測機関毎に数値のばらつきがある。しかし、TNT火薬換算で1キロトン以下といわれた前回の核実験より放出エネルギーは多かったようだ。六者協議の「核施設無能力化ショー」の猿芝居の間、北朝鮮は原油や食糧・肥料を巻き上げつつ、核開発の時間稼ぎをしていた。その着実な成果があらわれたというわけだ。

[WashingtonPost](5月26日)Report: North Korea Test-Fires 2 More Missiles
North Korean Nuclear Blast Draws Global Condemnation
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/05/26/AR2009052600555.html?hpid=topnews&sid=ST2009052501053

 上の記事は核実験の規模に関していくつかの新聞記事に引用されたネタ記事だが、このURLだと別の記事にリンクされてしまう。どうしたんだろう。元記事では今回の地震規模がM4.7、2006年はM4.1だったことを大書した図版が添付されていた。

 念のため、コピーした記事から26日段階で米国の専門家が行った評価の部分を引用しておく。総じて、技術的に未熟な実験の結果であったという評価だが、だからといってこれから北朝鮮が出してくるであろうICBMを安心して眺めていられるはずもない。ろくな制御技術も無しに核実験を継続されてはたまったものではない。

"The simplest hypothesis is that they're trying to build a weaponizable device and they're still not that good at it," said Jeffrey Lewis, director of the Nuclear Strategy and Nonproliferation Initiative at the New America Foundation, a nonprofit group.

The explosive yield from Monday's test was in the range of 2 to 4 kilotons, which is two to five times that of the 2006 test, according to Siegfried S. Hecker, a periodic visitor to North Korea's nuclear complex in Yongbyon who is a former director of the Los Alamos National Laboratory and current co-director of Stanford University's Center for International Security and Cooperation.

"You would expect 10 to 20 times that yield," said Theodore Postol, a professor of science, technology and national security policy at the Massachusetts Institute of Technology. "These guys have not solved the problem."

On a technical level, Postol said, the North Koreans appear to be having trouble building a device that uses explosives to compress plutonium into a perfect ball, which creates a uniformly spherical implosion and the maximum possible explosive yield.

"It means they are not yet able to confidently build an experimental weapon and they may not be able to determine what they did wrong," Postol said.

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